今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

不条理を生きる

2018年03月18日 | ノラたちの幸せを願って
小雪舞う真冬の夕方
小さなノラの子猫があるお宅を覗いていた
ぽかぽかと暖かい家の中では
幸せそうな猫がおやつをもらって食べていた

「どうしてぼくは、中に入れてもらえないの?」
外はとても寒かった
ノラの子猫は、もう何日もまともに食べていない
ふと、中の人が自分に気づいた
ちょっとした期待感
そして、また追い払われるかもしれない不安

でも、家の人は誰も動かない
そのうちいなくなるよ、みたいな声が聞こえた
寒いよー
お腹空いたよー
ノラの子猫には何を考える力も術もない
ただひたすら、耐えるしかなかった



暖かい家の中の子
ノラの子
とりあえず保護された子
"生産工場"の過密飼育で糞尿にまみれた子
"引き取り屋"に回されて小さなケージに閉じ込められた子
ガス室で処分を待つ子・・・
この子たちは何が違うのだろう
幸せになれない子は、何をしたっていうのだろう

人間の社会も同じ
お金持ちの家に生まれた子は将来を約束される
紛争地域に生まれた子は
親兄弟を失い身体の一部を失っても
明日への不安で泣くことすらできない

人間が関わるところには、いつも不条理がある
人間によって産み出されたノラの世界もしかり

不幸なノラを減らそうと誰もが願う
だからエサをやるなと言う
それは「死ぬのを待とう」の方便だ
その一方で"ペット"の生産を無制限に行い
売れなくなれば捨て続ける
ノラたちは、生まれながらにして不条理を背負っていたのだ

肉食動物は必要最低限の殺傷しかしない
飽食とは、人間だけにある言葉
ノラが喧嘩しても
決着がつけばそれ以上相手を攻めることはない
共存だってできる
人間のように無尽蔵の"欲"がないから

欲深き人間は、弱者を切り捨て自己増殖を繰り返し
やがてはこの地球を滅ぼすのかな
その前に、この不条理に気づくことはないのかな
あのお宅を覗いていたノラの子猫は
やがて命が尽きるまで
我慢するしかないのかな



まだまだ、外で待っているノラたちが大勢いる
ノラ保護の輪が少しでも広がりますように
そしていつしか、ノラと共存の道が開けますように


***写真はそれぞれ初めて出会った頃(再掲)***
ちび太、リン一家、イエチビ(手前)
ニャー、みう(手間はテツ)、テン


家裏で遊んでいた頃のキーとクウ
可愛くて微笑ましくも、その将来のはかなさを思うと胸が痛んだ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

変化の流れに身をまかせ

2018年03月16日 | その他・一見さん
去る者(?)と来る者。
本ブログの常連だった2匹の記事が止まったままです。登場する現役ニャンコの中では最古参のソトチビと、4番目に古いダイフク。案ずる気持ちは日に日に強くなっても、こればかりはどうしようもない。

消長盛衰の激しいノラの生活。消える直前まで本人(猫)にすらわからない、つまり明日をも知れない生活。人間だったら耐えられないだろうな。あるいはそう思うのはこっちだけで、本人(猫)たちにはそれが当たり前なのかも。今はどこにいるのか、せめてお別れの一言でもあればと思うのは、"恨み節"というものか。

               
               物静かで"猫付合い"のいいソトチビ

何かあったのではないかという不安。ブログなどで場所が特定できると、不穏なことを企てる変質者がいると聞く。このブログにもかつて注意を頂きました。まだ完全に人馴れしていないソトチビやダイフクがそう簡単に何かされるとは思えないが、異常者とは言え知恵では人間にかなわない。いずれにしても、その連中はいわゆる嫌猫派の人たちとはまったく違う。理性とは無縁のただただ屈折した心根の持ち主だ。我々人間は、こういった寂しくも哀れな心根が人間にしか宿らないことを、肝に銘じておく必要があるのだと思います。

一方、ノラと19年も付き合って大往生まで見届けたという、頭の下がるコメントも頂いた。ニャンコは純粋。そのニャンコにそこまで信頼される人柄が偲ばれます。ソトチビもダイフクも自分との付き合いは2年そこそこだからまだ序の口。2匹とも、これまでの生活ぶりからして食料などの当てが他にもあるのは間違いない。一層たくましくなってひょっこり現れたモドキやカブキのように、いつか再会することを願うばかりです。

               
       かつてのボスキャラも柔和で子ニャンにも優しくなったダイフク

去りつつある者がいれば、出会いもあるのがこの世界。
モドキの記事でも触れましたが、ミセミケがほぼ5ヶ月ぶりに顔を出した。昨秋に数回見ただけですが、今年の来訪も今のところ1回だけ。ただ、ダイフクが来たときのために置き餌をしていたので、夜遅く来て食べていた可能性はあります。

"冬仕様"に変わったせいかミセミケは一回り大きくなったように見えた。やっぱりどこかでお世話になっていたのだろう。モドキやカブキと同じ場所かどうかわかりません。そういった場所が、近所に複数あるのかもしれない。ただ、ミケだから♀。リン(イエミケ)のような子育ての苦労をさせないためにも、何とか早期に手術ができればいいが。

               
           久々のミセミケは丸っこい顔立ちになっていた

そして、ソトチビやリン一家がいなくなってすっかり静かになった家裏周辺でしたが、リン一家を家中に保護して1週間くらいして、そこにも新顔が登場しました。ソトチビの来訪を確認するためにわずかに残した置き餌。そして家中では朝夕にリン一家の"メシくれ"騒動。新顔を引き寄せるには十分な環境だった。でもこの新顔、実は"新顔"ではなかったのです。

姿形はクウにそっくり。初めて見た妻はクウが逃げ出したのかと思って慌てたそうだ。名前を仮に灰白くんとします。話は遡って、リン(当時はイエミケ)の登場を紹介した記事(昨年10/20ソトチビ)で、7月頃にも見かけたと書いたのは間違いで、実は7月に見かけたのはこの灰白くんでした。そのときは外に出たニャーの鼻先で、「遊んでー」とゴロンゴロンする子ニャンだった。

               
               クウにそっくりな"新顔"くんでした

あれから8ヶ月、あの子ニャンは生きながらえて若者になっていた。最近になってわかったのは、どうやらお向かいさんのさらに奥の方からやって来るらしい。ソトチビのようにどこかでお世話になっている外飼いニャンコの可能性もあります。でも今は毎朝毎晩やって来て、リン一家の「メシくれー」に合わせて勝手口の中外で大合唱。

あーあ、何だか一家を保護したときにクウだけ外に置き去りにしたようでご近所に体裁悪いし、お迎えしたくても当家はキャパオーバーでさすがにこれ以上無理だし。何より、灰白くんは♂と思われるので、ソトチビが帰って来たときに今度こそすんなりとはいきそうもない。ソトチビとは終生の付合いをと思っても、ノラとの付合いを維持することの難しさを痛感しています。

それに、意を決して保護してもまた現れる新しいノラ。ノラの保護とは、達成感の得られないエンドレスの活動なんだとつくづく思う次第です。

               
        普段はどこにいるのか、ご飯時になると現れる灰白くん


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不幸の壁を突き破れ! ~ちび太への決意~

2018年03月14日 | ちび太
ちび太が店に現れてから5ヶ月
まだよちよち歩きだった生まれて2ヶ月ほどの子猫は
この店に迷い込んだのが運命の分かれ道だった
手厚く迎えられ、スタッフやテンちゃんに見守られながらすくすく育って
身長はテンちゃんを凌ぐほどになりました

              
         大きくなってもやることはテンちゃんのマネマネです

無邪気で真っ直ぐに育ったちび太は、一昨年に亡くしたチビの生き写し
姿形や動作もさながら
何よりその儚げな、そして悲しげな鳴き方が似ているのです
線の細い薄幸なイメージ
実際チビは、まだこれからという8ヶ月でこの世を去った

              
           これから青くなると虫の宝庫となる草むらにて

ちび太が、もうすぐチビが事故に遭った月齢になります
テンちゃんを親のように慕い、殆ど店の敷地の中で過ごしてはいる
でも基本、昼間は自由
店の周辺に興味を持ち始めました

              
           チビやシャッポを彷彿させる店頭花台の下で

かつてチビがニャーやシャッポと遊んだ
裏駐車場の車の下
お店の正面ゲート付近
そして店裏の社員用駐車場では、結構遠くまで行くようになった

              
              裏駐車場も今は店寄りの車の下で

暖かくなって草が青くなって
虫が跳ねれば行動範囲はもっと広がるだろう
夢中になってSCのフェンスを越え
擁壁から落ちたらもう自力では戻れない
そして、チビを奪った恐怖のバス通りがすぐ傍だ
同じ過ちは、もう繰り返せない

              
              店裏より従業員用駐車場を眺める
             (一番奥の車の向こうがSCのフェンス)

ちび太は来週手術を受けます
リンのときの教訓で以前から予約を入れました
その時がひとつの契機かな
いずれにせよちび太は
安心安全と引き換えに自由な生活を失います

              
            店の中央、シャッポの愛用だった場所にて

でもちび太、お前がチビと違うところは
人に思い切り甘えられること
だからやさしい里親さんが現れれば
不都合なんて何も感じなくなるさ
それまではこのオジンが寂しい思いなんてさせないから
チビの分まで幸せになるんだぞ

              
          ヤシの木の根元で(左奥には見守るテンちゃん)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

猫には猫の事情がありんす (みう編)

2018年03月11日 | (故)みう(おかあさん)
みうがわが家の子になって10ヶ月が経ちました。
しかし未だに家庭内ノラというか、居候のような状態が続いています。
人が近づくと反射的に逃げ惑う。
しかも獲物のように狙われていたニャーとの同居。
みうにとって、わが家の子になったのはどうだったんだろう?

             
                 
               「緊張しすぎで疲れるんだニャン」

保護者がリビングに座っているときは、何とかニャーとも共存できる。(緊張の極地)
オジンには抱かれても大丈夫。(でも時々暴れて傷付けるし、オバンは全然だめ)
自分の部屋でなら、オジンに「遊んでー」の催促も。(少し離れたところでゴロンゴロン)
ところが、自分の意思で部屋から出ることは殆どない。

               
          「自分の部屋にいるときは落ち着けるんだニャン」

みうが安心して過ごせるときは、
一にも二にもベット下、
ニャーがリードで外に出ているとき、
晴れた日に日向ぼっこの部屋に閉じこもったとき。
ニャーと遭遇しないことがわかっているときです。

               
          日向ぼっこの部屋から外を眺める時間がお気に入り
                (移動は保護者の手によります)

数日に1回くらい、自分で部屋から出てきます。
抜き足差し足忍び足。
ある日、コタツに入ろうとして中にいたニャーと顔合わせ、
出会い頭でいきなり襲われた。
それ以来、自分からは大好きなコタツに入れなくなった。

               
         石橋を叩いて渡らない、いや、「君子危きに近寄らず」

耳先と目に血が滲む病気。
先生に診てもらって1ヶ月間投薬を続けたが結局治らず。
難聴気味の聴力には特に気を遣っていません。
この点に関しては家裏ノラ時代よりは安全になったと思うけど、
今後キーやクウとどうなるか見守る必要がある。

               
             「この鳥、ちょっとデカ過ぎるんだニャン」

たまーに、くつろいでいるみうを見かける。
そんなときは、普通のニャンコと同じ好奇心の塊。
ひとり運動会だってやる。
ああ、これが本来のみうなんだなって思うのです。

みう、いろいろ気になることは尽きないけど、
お前にはお前の事情があるんだよな。
これからも、お前には普通のニャンコのように出会いや変化があるだろう。
でも、それに乗るかどうかはお前次第。
こっちは気長に待つことにするよ。

               
             「これでも精一杯くっついてるんだニャン」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

改名しました、リンクウキー

2018年03月09日 | リン(旧イエミケ),クウ,キー
保護して1週間、イエミケ一家は家猫修行に励んでいます。
ところで、この一家3匹に名前をつけました。
    お母さんのイエミケは  「リン」
          白黒チビは 「クウ」
          黄チビは   「キー」
3匹揃って「リンクウキー。」 普段はそれぞれ名前のあとに"ポイ"、"タン"、"スケ"などをつけて呼ぶことが多いです。

               
                本日のリン(左)クウ(右)キー(中)

家猫修行というのは、まずは人間が暮らす空間に慣れて、それから人間の生活パターンを覚えてもらうこと。その過程で、それぞれが自分の居場所を見つけながら立ち位置を構築していくことと思います。それに、ニャーやみうとの関係も(どうなるかはわかりませんが)。

               
           みうと同じでゴロゴロのゴロンゴロンが得意のリン

今ではすっかり保護部屋が自分達の居場所になって、中では落ち着いたもんです。リンとキーは自分(オジン)が入ると、喉を鳴らしながら寄って来てじゃれ付きます。クウはそれを近くから目を細めて見ている。まだ触らせてはくれません。妻が入ったときは、未だに3匹ともよそ行きの顔です。

               
                 "純然たる"家庭内ノラのクウ

朝晩の掃除と食事時を中心に、部屋から出して家の中を探検させます。今はまだすべての部屋ではなく共通使用の部屋だけです。保護部屋から出ると急にノラに戻ります。外に出たがり、人が近づくと逃げる。みうがリビングにいても、喧嘩にならないことがわかったのでそのまま。

               
             早くも"かまってちゃん"になりつつあるキー

リンははじめからみうとの距離を保っている。チビたちは興味津々、そーっとみうに近づくとそのうち「シャーッ。」 みうの威嚇は全然迫力ないのに、それでチビたちの動きが止まって一件落着です。ニャーとのご対面はまだ。ニャーが外にいる時間を選んでいます。でも、臭いでお互いの存在はわかっているはずだし、中外逆になってのご対面も。

               
                外にいたニャーとご対面のリン

妻が、「やっぱりノラだねえ。」
と言うのも、保護部屋のケモノ臭が結構きつい。といって風呂に入れるわけにもいかないし、まあ、徐々に消えるのを待つしかない。それと上目使い。ご存知でしょうか。人に馴れてないニャンコは、人を見るときに警戒して目線だけ動かして見る。だから近くにいるときは上目使いになるのです。人に馴れているニャンコは顔を向けます。ニャーはもちろん、家庭内ノラのみうでさえ顔を向ける。テンちゃんやちび太も顔を向ける。だから人から見ると、かわいらしく見えるんですね。

               
                 いつも仲のいいクウとキー

いやいや、一緒に住んでいれば何でもかわいい。あとは時間が解決ですが課題がふたつあります。ひとつはニャーとのご対面。ニャーがすんなり迎えるとはとても思えないだけに、ニャーのストレスを最小限にすることを前提に乗り越えなければなりません。そしてクウです。心を開いてくれるまで里親さん募集ができない。あまり時間がかかるようだと機を逸っしてしまうかも。今のところ、キーとクウは2匹一組での里親さん募集を考えています。

まあ、慣れというのは気持ちの問題だけに、ここまできたら焦っても仕方ない。かくしてわが家は、近年まれに見る賑わいを見せるようになったのでした。

               
              わが家に慣れるのはあっという間でした


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする