長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『ザ・ゲスト』

2017-01-31 | 映画レビュー(け)

ハリウッド版『デスノート』の監督にも抜擢されたホラー映画界の俊英アダム・ウィンガードの14年作。
イラク戦争で戦死した長男の戦友と名乗る突然の来訪客。端正な顔立ちと寡黙でクールな立ち振る舞いに一家は一様に心を許し、招き入れてしまう。すると一家の周囲では奇妙な事件が…。

“招かれざる客”の恐怖を描いた正統派ホラーかと思いきや、大転調する中盤からの展開に唖然、呆然。正攻法の恐怖演出(タメ)がしっかりやれる実力なのに、B級へ大胆にプロットを転がすケレンのケバケバしさは、この監督のチャームポイントと言える持ち味なのだろう。設定とプロットの辻褄合わせでセコセコした『デスノート』もひょっとしたらバケるかもしれない。

 ヒロイン役のマイカ・モンローは
『イット・フォローズ』と連続で田舎では生きづらそうな美少女を好演。町から出る事もなく終わろうとしていた彼女の人生が、来訪者の出現によって世界を揺るがす大事件につながっていく。マイカ・モンローという符合が『イット・フォローズ』とリンクし、“郊外ホラー”というジャンルを形成しているのも面白い。


『ザ・ゲスト』14・米
監督 アダム・ウィンガード
出演 マイカ・モンロー、ダン・スティーブンス
 

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