長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『プリンセス・ブライド・ストーリー』

2019-10-02 | 映画レビュー(ふ)

『明日に向かって撃て!』『大統領の陰謀』で知られる名脚本家ウィリアム・ゴールドマンの小説を映画化した本作は未だ根強い人気を誇るカルト映画だ(ゴールドマンは自ら脚色も担当)。祖父が孫へ語り聞かせるベッドサイドストーリーには胸躍る冒険、アクション、ユーモア、そしてロマンスがたっぷり詰まっている。87年製作なだけに今見ると何ともノンビリしているが、それもこの映画の愛嬌だ。

『ハウス・オブ・カード』など冷徹な女を演じさせたら天下一品の名女優ロビン・ライトは本作が映画デビュー。なるほど一世を風靡したのも頷ける可憐なプリンセスぶりだがその後、長らく不遇のキャリアを歩む事となったのはご存知の通り(『コングレス未来学会議』ではそんなライトの半生が総括されている)。当時、上り調子だったケイリー・エルウィス、ビリー・クリスタルや近年『アンブレイカブル・キミー・シュミット』のアブない大家役で再ブレイクしたキャロル・ケイン(昔からお婆ちゃん役!)ら、キャストの顔触れは豪華だ。

中でも驚かされたのがマンディ・パティンキンだ。今でこそTVドラマ『ホームランド』等の重厚な演技で知られる名優だが、ここでは剣の達人イニーゴを颯爽と快演。クリストファー・ゲスト扮する仇敵との決闘は惚れ惚れするほどの格好良さであった。いや~こんな素敵なフィルモグラフィの持ち主だったのね!

タイトルが示すように物語の骨子は王子と姫のラブストーリーであり、ゴールドマンも孫娘に聞かせる事を前提に書いたというが、劇中で耳を傾けるのは男の子である。男の子だってプリンセスストーリーに胸躍らせたっていいじゃないか。そんな普遍性が本作の長く愛される理由なのだろう。


『プリンセス・ブライド・ストーリー』87・米
監督 ロブ・ライナー
出演 ロビン・ライト、ケイリー・エルウィス、マンディ・パティンキン、クリス・サランドン、クリストファー・ゲスト、アンドレ・ジャイアント、ピーター・フォーク、ビリー・クリスタル、キャロル・ケイン

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『アド・アストラ』 | トップ | 『ドーンウォール』 »

コメントを投稿

映画レビュー(ふ)」カテゴリの最新記事