
大ヒットを記録したバイオレンスアクションの第2弾。意外やデンゼル・ワシントンがシリーズものに出演するのは今回が初だという。ジャンル映画への出演に躊躇がない事はそのフィルモグラフィからも明らかだが、念願のオスカー主演男優賞をもたらした『トレーニング・デイ』アントワン・フークア監督との3度目のタッグともあれば二つ返事だったのだろう。トム・クルーズはじめアクションスターの高齢化が著しいハリウッドにおいて、デンゼルもまたバリバリの現役ぶりを見せている。
昼は熟練フリーター、夜は必殺仕置き人という2つの顔を持つ主人公フランク・マッコール。前作ではホームセンター勤務だったが、今回はウーバー運転手で生計を立てている。老人ホームへ送迎の傍ら、不審者と見るや後を追い、正義のデンゼル拳を下す。近所の不良少年とのやり取りなど、ほとんど本題に入らない前半40分がすごくいい。年を経て“オヤジ”になったデンゼルだからこその説教臭さが味わい深く、これなら『深夜食堂』ですらイケるのではないか。キャリア円熟期ならではの作品である。
もちろん、いつまでも人情話をしているワケにはいかない。しかし、いざアクションが始まってみれば案の定デンゼルが無双過ぎてほとんどゲームの神プレー動画状態になってしまうのだからご愛敬だ。今回の敵は『ゲーム・オブ・スローンズ』以来、引っ張りだこのペドロ・パスカル。口ひげがないとネイサン・フィリオンみたいで、何とまた“目”をやられている。槍さえあればもうちょっとイイ線行ったのに!
というワケで、次回はジャック・リーチャー(トムちん)級のビッグネームを招聘しないと間がもたないよ!
『イコライザー2』18・米
監督 アントワン・フークア
出演 デンゼル・ワシントン、ペドロ・パスカル、メリッサ・レオ、ビル・プルマン