リッスン・トゥ・ハー

春子の日記はこちら

翌檜

2006-10-18 | 若者的詩作
だってこんなに近くにいる明日になる。あっ、と驚かす、つもりだっただけ、コップに入った水、飲み干して「うん」とうなずいた、涙ぽろぽろ、ゴメンねって言い出せない、つって、まあそういう感じです。気休め言うなよ、なんてぞんざいな口調で、夕暮れ過ごすぜ。(何回でも春はやってくる)手を叩いて歌いだせ涙を拭いてお家へ帰れ。駆け出すんだ。老後のことは何も考えないでとりあえず。靴紐を結んだそれから、きゅんとなる、天狗が降りてくる姿くらまし、きゅんとなる、真っ白になる、ちょっとお待ちよお嬢さん、短い髪のお嬢さん、曖昧に笑って、さよならしないで、サンデーモーニングまだ続く。身体伸ばして、届きそうだ、明日も。(何回でも春はやってくる)手を叩いて歌いだせ涙を拭いてお家へ帰れ。(何回でも春はやってくる)手を叩いて歌いだせあなたの待つお家へ帰れ。雲の動きも、ニュースペイパーも、それを広げるあなたの欠伸も、古ぼけた電信柱も、少し焦げたパンケーキの味も、空を飛ぶグライダーの音も、誰のためだろ誰のためだろ。世界地図持って、迷路に迷い込め、淡い唇で誘って街に出る、タタタ

君がいるかな君と上手く話せるかな3

2006-10-18 | 東京半熟日記
(55)

図書館に入る。空調機は弱め、図書館のイメージはガンガンに冷やされた室内。ですからおそらく古くて弱ってるんでしょう、空調機の口から冷たい息を吐いているおじいちゃんが。この夏の暑さが原因で胃を壊して、吐く息が冷たさが弱まってきて、酸っぱい匂いが混ざってて、おじいちゃん頼みますよ、と館長はうるさいけど、おじいちゃんだってもう歳だし、できることとできないことがあるじゃないですか、と声を荒げて館長に食って掛かったりしてて、ああすいません、そう大きな声だしなさんな、となだめられて、マアとにかくお願いしますよ、と納得いかないまままとまる。だから弱め。一応しっかり効いているから汗は引く。ありがとうおじいちゃん。日比谷図書館は、時々映画を上映してて、そのときもちょうどドキュメンタリー映画を上映予定となっていた。ちょっと変わった図書館だと思う。置いてある書籍もちょっと変わっているのかもしれない。パンチパーマ大全をはじめ、パンチパーマ本コーナーがあるのかもしれない。髪ジャンルの一角に。そうかいそうかいそれは嬉しいんだねえ、嬉しがってほれあの表情を見ろよ。とか感心しながら、らせん状の階段を地下へ下りていく。食堂は汚い汚い看板を掲げて、やはり地下にあった。わずかに匂いは黴。

Stavanger,NORWAY(世界のドア)

2006-10-17 | 若者的字引
Page10

白地の壁にブルーの配色、で演出するは冷酷さ。ブルーのドア-には少々複雑な細工、鳥のようであったり、雲のようであったり、太陽のようである模様。柱もブルー、柱は地面近くが太く、徐々に細くなっていって、上にいくと突然再び太くなる。向かって右隣に大きな窓。やはり窓枠はブルー、その統一感が尋常でない。窓の内、レースのカーテンが引かれた幕のように斜めに、同じく窓の内、観葉植物、ラッパを吹く天使の置物が見える。午後2時を回り太陽は、訳隔てなく世界のドア-を照らす。照らされたブルーのドア-、温度によって色が変わっていく。熱くなればブルーから赤に、どんどん赤くなっていくドア-。白地の壁に赤の配色、で演出するは情熱。

君がいるかな、君と上手く話せるかな2

2006-10-17 | 東京半熟日記
(54)

ほどなくして日比谷駅。歩いていっても全く支障のない距離。東京よ、我らは少し、便利さを求め続けたゆえ大切な何かを見失ってしまったのではないだろうか、と登る地下から地上へ続く階段。日比谷公園。メトロポリス東京のど真ん中にぽっかり空いたスペース。木々が生い茂り、池がずずずと造られている。酸素の濃度がひときわ高いこの場所に進み入る。周りを囲んでいるビルが高い。そんなこた知ったこっちゃない、とひたすら蝉が泣き喚いている。夏の東京は尋常でなく暑く、しかし、日比谷公園木陰は涼しい、うまいぐあいに風も吹く。わたしは人工的な自然にもかかわらず、ここ二三日のコンクリートに囲まれた生活から来る疲れから、安らぎとかいうものを感じた確実に。野外音楽堂の位置を確認し、そろそろ昼に近いということですから、何か腹に入れておかないととんどもないことになりかねないということですから、探してみる。日比谷都立図書館、というレトロな、というかただ古いだけの図書館を見つける。その地下に食堂があるとか、ないとか。職員食堂に非常に近いようなもので、おばちゃんがてきとうにつくっているのでしょうし、味は至高とはかけ離れたものでしょうが、しかし誰でも入れるし、せっかくですからそこで、飯喰うな。

Deley

2006-10-16 | 若者的詩作
足りない
ぼくはいつもの朝にいる、ふりをする
戻るはずもないのに素敵な夢すぎて
苦いコーヒー飲みたくなった
あふれる涙が心に沁み込んでひとつになる

なんとなくこの歌を口ずさむ
僕の大切なもの守りたいから、だけど
鮮やか過ぎて何もかも忘れそうになっているのかも
あふれる涙が心に沁み込んでひとつになる

あふれる涙が僕には必要だ
東の空白く染まって、君の声が聞きたくなった

さよならだ、さよならだ
どこまでも愛している
はなればなれは、ほんの少しだよ
記憶の中で笑っていてよ
あぁ

君がいるかな君と上手く話せるかな

2006-10-16 | 東京半熟日記
(53)

東京駅。もうこれだけ訪れたらホームステーションみたいなもんですから、颯爽と目的のプラットホームへ颯爽と。と思ってたけど、いちいち遠いから。いたずらに広くしたらいいてもんでもないから、それだけは言うといたげる。なかなかどうして平日の昼間もこの人の多さ。年中祭か。お祭好きか。ふんどし一丁か。東京メトロに乗る。目指すは、日比谷公園です。メトロ内も人の多さ、嫌になっちゃうわ。わたしの隣に立っているサンダル履いて爪の黒くしてはる女性は激しすぎる外反母趾が痛々しい。その黒のマニキュアに反射する室内灯、ここは東京の地下、反射する光がわたしの目に入ってくる。どんどんどんと進むメトロ。人は誰もが誰も不安そうな、面白くないというような、寂しい表情をしていると思ったのは、わたしがもう少ししたらここ東京から離れる、だからでしょうか。短い間だったけど、ここは首都でやはりそういう力がある。首都として受け入れる事ができるぐらいの力がある。だからその力に触れてしまったわたしはそれに魅了されつつあって、ここに長くいたらいけない。とにかくわたしはマニキュアに反射する光がひたすらにまぶしい、しかしそれは希望の光なのであるとか思っていた。

SCOTLAND(世界のドア)

2006-10-15 | 若者的字引
Page9

私道から家へ続くアスファルトの階段、両端には手すりとして、黒く細い金属が規則的に何本か連なって埋め込まれている。紫の花、桃色の花、緑色の葉、そういう彩りが白くコンクリートの素材をそのまま活かした壁に栄える。えんじ色のドア-はその中心に構えている。ドア-を囲むようにしてその枠に黒く変色した木材、これも壁と同じく素材をそのまま活かされたような色合いで、互い違いに大きいのと小さいのが埋め込まれている。両隣にある大きな窓枠も同じ木材を使っている。それぞれが完成された配置であり、私の入り込む余地はない、と嘆くありふれた傘立てが、止まった乗用車のトランクの中から溜息をついて。

hello

2006-10-15 | 若者的詩作
気の抜けたビールを/流し込んだのは午前3時/垂れ流しTVプログラム/砂嵐こまししゃくれ/そのうちだんだん眠たくなってきたので/俺は眠ることにして/明日のことは明日すればいい/しゃぼんの匂い残り/埃にまみれた書を読み/毛布を被る/目を閉じる/すぐに聞こえてくるこの般若心経を頭に刻み/あとはひたすらこう繰り返せばいい

「ハロー、ケセラ、グッバイ」

窓を開ける/夕暮が少し目にしみる/気がする/いらんもんいっさい排除して/ただひたすら言葉をひっかいて/かき回して/姿勢正して/曖昧にうなづいて/よくある風景を/6弦の切れたギター叩き/メロディーに乗せ/口ずさめ/やめてはならない/死んではならない/人類最後の阿呆であれ/何回目の後悔/でかい音鳴らす/叫ぶ/また同じ朝が近づいてくる/怖がる必要もなく/迎え入れる必要もなく/それなりにやりすごせばいい/移り変わり季節感/平々凡々焦るばかり/涙もろい季節感/ここは少し眩しすぎる

「ハロー、ケセラ、グッバイ」

夢見がちな日常/すでに異常来たす/それに俺は気付かず/刺す想い/音楽と過ごす夜更けすぎ/誰もいない自転車置き場/居場所探す/なすすべもなく/かくなる上は点々と咲き誇る溜息殺し/少し歩く速度上げ/終電乗り継ぎ何マイル?/俺は家に帰る/街灯が後ろで消える/少年がプラットホームで燃える/レンコンが非常に喰いたい/なんじゃこりゃ/まさに/朝に降立つ/はじまる歌/終わらない歌/奏でるギター/桁違いの歌の音/ノートに綴る日常/以上まことに簡単ではありますが全ての行程終わり

斎藤さんに、ありったけのドレミを浴びせろ2

2006-10-14 | リッスン・トゥ・ハー
斎藤さんがとても気になりだしたのは、ちょうど2ヶ月前。中村くんと飲み会の帰り、完全に酔った中村君が「うまい棒を食べないと、水虫が増えてしまう」と言い出して聞かず、近所のコンビニに立ち寄った。うまい棒は9円でそれを色んな味をそれぞれ3本ほど、かごに入れてレジに向かう。レジには誰もおらず、あたりを見渡すとドリンク類の棚に商品を補充している店員がいる。私は声をかけてこちらに来てもらおうとした。しかし、こともあろうかその店員は「今いきます」といいつつ補充を止める気配すらない。客を待たして堂々と補充を続け、思い出したように「キャツアイ」とつぶやく(私はそれが「いらっしゃいませ」と言っているということが分からなかった)。客である私達はといえば、うまい棒をレジに並べ、財布のなかを確認しつつ、万全の体制で待っている。なんて横柄な店員なんでしょうと思いながらも、私は一種のうらやましさを、あくまでもマイペースを貫く潔さを感じていた。ようやく補充を終えてレジにたった店員の名札を目に焼き付けて、お客さま意見、かなんかに投稿したる、と思っていたのです。斎藤。上等だ。くりんとカールした髪が人を小馬鹿にしたようでよけい腹が立つ。結果的に私はお客さま意見に投稿することもなく、電話で苦情を言うこともなく、何一つ変わりなく日常生活をしていたのだけど。単に面倒くさくなったに過ぎないんだけど。そして、毎週のように私は斎藤さんのコンビニに行って、なんでもない買い物をする常連になってしまったのだ。

ついでにちょっと君にまた電話したくなった2

2006-10-14 | 東京半熟日記
(52)

なんやかんやとしてたらチェックアウト時間ぎりぎりいっぱいのAM10:00になりそうでいて、これはこれはと焦りつつ部屋を出てエレベーターに飛び乗った。どんどん沈む小さな個室の中で、わすれものがあるような気がしたけれど気にするものか、そうだ餞別さなどと強気に、海底に沈みきる。まあ何も忘れてなんかないわけだけれどね。静かに、忍び足でフロントに向かい、鍵を返す。だって、敵がいたら蜂の巣、みたいなものじゃないですか、たちまち蜂の巣のように穴だらけになってしまうから、敵の撃ってくるバルカン砲で。まあ敵はいなかったわけですけれどね。ありがとうございました、と笑顔が眩しいよおにいさん。ちょっと太めのフロント係よまたな。またのご利用お待ちしております。いや、ここよかったです、風呂あるし、一泊4000円なら満足満足。東京駅徒歩10分やし。ウィーンてコントのような音立てて自動ドア-が開いたので、ふふって笑って歩み出た。外は眩しくて騒々しいAM10:00だった。東京駅に向かう。すっかり見慣れた背景に、さよならなんていわないよ。

ついでにちょっと君にまた電話したくなった

2006-10-13 | 東京半熟日記
(51)

3日目 コムサのポロシャツ、茶色のチノパン

目覚めると泣いていた。という純愛小説の冒頭みたいに、泣いていて、というのは嘘ですけど、目覚めて風呂です。ヘルモンじゃないし、説明しようヘルモンとは、口から暴れ獅子舞を吐き出すポケットモンスターの事である。朝風呂浴びて、また疲れ、昨日の残りのお惣菜食べようと、小さい冷蔵庫を開けたわけです。残っているのは、黒蜜のおいなりさん、サラダ2種類、朝ごはんとしてはなかなかよいんじゃなくって?セレブっぽくなくって?ヴォリュームもなくって?ずどんと腹にたまりそうじゃなくって?とつぶやきながらパクパク食いました。黒蜜は香ばしい甘さが噛むたびに広がる。ふわぁと浮かんでいるよう。サラダ、10種類の緑色野菜は、空豆がこりこり良い味、アスパラとかインゲンとかレタスほか知らん名前のなんかとか、10種類かき集めましたわね。Z戦士や。野菜のZ戦士が集合したんや!強いわ、友情パワーが強いわ~。インゲンが「クリリンのことかー!」て向かってきたりするんです。あとゴーヤチャンブル、苦いこれわたしすきちゃうわ以上。で充実の朝食。出掛ける準備してささ出かけますわよ。

千鳥足

2006-10-12 | 若者的詩作
もう少し誰かと話を続け
こんなに優しくなれたとしたら
なれたら街を見下ろしに行こう
我を忘れても咀嚼は止めぬ

誰かは歌を生み出すとします
誰かは歌を忘れるとします
誰かは群れを離れるとします
我を忘れても咀嚼は止めぬ

クラクションが
バスの中で、歩道橋の上に立って
すべり台の向こう側で
耳をふさげる

我を忘れても咀嚼は止めぬ

早く急がなきゃ飲み物を買いに行く3

2006-10-12 | 東京半熟日記
(50)

おいなりさん祭は終り、他、あと惰性ですね。好きなもの先に食べる派ではないのに、これおいなりさん先に食ってもて若干テンション下がり気味です。生春巻。(沖縄風味)と書いてあります。そうですか、沖縄風味ですか、三種類あります。さあどの辺がおきなわなのか、どの辺がトロピカルなのか、どこからどこまでが米軍基地なのか、どの辺がオレンジレンジのオリジナリティーなのか、どの宮里が藍なのか、横峰は沖縄ではないのか。教えていただきましょう。箸を構えて、掴みかかりました。むむむ。海老の鮮やかな赤が目に飛び込んでくる奴を。醤油味噌ダレのあまがらさで包まれて、周りの皮のもちもちとした食感と、中の海老や野菜のしゃりぷりとした食感と、食感で楽しむ料理なのでしょう。肉が入っているの、なんとなく沖縄っぽい、なんだここにいたのか宮里よ、ナイスショット。サーモンが入っているの、は苦いレタスが不快感を高めてくれます。これは失敗だろう。唯一まずいこれ。他の二つはうまか!サーモンまずい。2勝1敗。で晩餐終り。テレビを見るでもなく、何かするでもなく、いつの間にかベッドの上に寝転がってたら眠ってました。疲れてたんだ。歩き疲れてたんだ。

回転する鴎

2006-10-11 | 若者的詩作
指先が痛むのは正しさのせいだろ
最果てに向かって踊っているせいだ
平行線上位置は悪い(使いたいコード)
口実持て余せば(誓いたいぎゅっと)
わざとうそを重ねて隠す

6弦切れて、とまったグルーヴ
回しているんだ、言葉もなくなった
平行線上位置は悪い(使いたいコード)
口実持て余せば(誓いたいぎゅっと)
わざとうそを重ねて隠す

「滅す僕らもいないって、誰が言ってたんだ?」
わざとうそを重ねて隠す