リッスン・トゥ・ハー

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斎藤さんに、ありったけのドレミを浴びせろ2

2006-10-14 | リッスン・トゥ・ハー
斎藤さんがとても気になりだしたのは、ちょうど2ヶ月前。中村くんと飲み会の帰り、完全に酔った中村君が「うまい棒を食べないと、水虫が増えてしまう」と言い出して聞かず、近所のコンビニに立ち寄った。うまい棒は9円でそれを色んな味をそれぞれ3本ほど、かごに入れてレジに向かう。レジには誰もおらず、あたりを見渡すとドリンク類の棚に商品を補充している店員がいる。私は声をかけてこちらに来てもらおうとした。しかし、こともあろうかその店員は「今いきます」といいつつ補充を止める気配すらない。客を待たして堂々と補充を続け、思い出したように「キャツアイ」とつぶやく(私はそれが「いらっしゃいませ」と言っているということが分からなかった)。客である私達はといえば、うまい棒をレジに並べ、財布のなかを確認しつつ、万全の体制で待っている。なんて横柄な店員なんでしょうと思いながらも、私は一種のうらやましさを、あくまでもマイペースを貫く潔さを感じていた。ようやく補充を終えてレジにたった店員の名札を目に焼き付けて、お客さま意見、かなんかに投稿したる、と思っていたのです。斎藤。上等だ。くりんとカールした髪が人を小馬鹿にしたようでよけい腹が立つ。結果的に私はお客さま意見に投稿することもなく、電話で苦情を言うこともなく、何一つ変わりなく日常生活をしていたのだけど。単に面倒くさくなったに過ぎないんだけど。そして、毎週のように私は斎藤さんのコンビニに行って、なんでもない買い物をする常連になってしまったのだ。

ついでにちょっと君にまた電話したくなった2

2006-10-14 | 東京半熟日記
(52)

なんやかんやとしてたらチェックアウト時間ぎりぎりいっぱいのAM10:00になりそうでいて、これはこれはと焦りつつ部屋を出てエレベーターに飛び乗った。どんどん沈む小さな個室の中で、わすれものがあるような気がしたけれど気にするものか、そうだ餞別さなどと強気に、海底に沈みきる。まあ何も忘れてなんかないわけだけれどね。静かに、忍び足でフロントに向かい、鍵を返す。だって、敵がいたら蜂の巣、みたいなものじゃないですか、たちまち蜂の巣のように穴だらけになってしまうから、敵の撃ってくるバルカン砲で。まあ敵はいなかったわけですけれどね。ありがとうございました、と笑顔が眩しいよおにいさん。ちょっと太めのフロント係よまたな。またのご利用お待ちしております。いや、ここよかったです、風呂あるし、一泊4000円なら満足満足。東京駅徒歩10分やし。ウィーンてコントのような音立てて自動ドア-が開いたので、ふふって笑って歩み出た。外は眩しくて騒々しいAM10:00だった。東京駅に向かう。すっかり見慣れた背景に、さよならなんていわないよ。