リッスン・トゥ・ハー

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ふたつめは今宵の月が僕を誘っていること3

2006-12-03 | 東京半熟日記
(沖縄編12)

道は非常に細くて足元も暗く濡れている。時々ライトが照らしてくれるけれど、基本的には穴の中ですから、暗い、暑い、じめじめ、と不快。京都の梅雨を思い出す。しかも、上から尖った鍾乳石、落ちてきたら即だんご3兄弟と成りうる。いわゆる阿呆である。低い天井、屈強なガタイのいいラガーマンやったら通路に詰まるで、詰まって流れんようになるでしかし。と、すぐ上にある鍾乳石を見る。折られている。良く見ると、ところどころ通路となっているところは、うまく危険がないように削られている。そうか!分かった。やはり屈強なガタイのいいラガーマンがここに来たんだ。そして、上から下から右から左から突き出る鍾乳石もなんのその、俺は俺の道を行くなぜなら俺はラガーマンだからだ、とかなんとか言うてぐんぐん進んだわけだ。ぼきぼきに折って、道となり、わたしたちは彼が作った道を歩いているというわけか。では、ラガーロードと名づけよう。

「身代わり観音」と目が合う。目を逸らしたら負けだから、きっ、と睨んでいたら、観音は面白い顔をする。ダメだこれ以上みていたら、帰れなくなると感じて目を逸らす。とたんに聞こえる(気がする)笑い声。観音の笑い声。「千人坊主」が続けて一斉に笑う。わははははっははははっはははっはははっはっはっははは。鍾乳洞にこだまする笑い声が聞こえる(気がする)。「ひねくれ坊主」は、ひねくれものだから、みんなが笑えば笑うほどにあんにゅいな表情になる。わしゃ、ちっとも面白くないから、なあ。とあんにゅいに「小象岩」に聞く。小象岩は、一度ぱおーんと鳴く。鳴いて面目を保って、また黙り続ける。

みんなそういう風にして長い間過ごしてきたんだ。


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