リッスン・トゥ・ハー

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首都高速も走る日記というものをしてみんとてするなり

2011-02-16 | リッスン・トゥ・ハー
音楽。ミュージック。ムジークじゃない。あたしは聞いていたい。ずっと何もかも忘れて聞いていたいと思うけれどそうもいかない。生きていくためにあたしは料理を作らないといけない。材料はたくさんある。実家からおくってくる。いらないと言ってもどんどんおくってくる。食べきれないから腐っていく野菜は哀れだ。じゅわっと汁がしみてくる。下に敷いてある新聞紙にしみ込んで、匂いを放つ。鋭角な匂いで、あたしは鼻を覆う。手で覆い、ああ、とため息をついてみる。ため息をついてみると、許してしまう。許してしまうから不思議だ。匂いはふらふらとあたしを犯していくの。

腐った匂い、野菜はすぐに腐ってしまう。ジャガイモが腐るとウジ虫がわいている。ウジ虫はうじうじと這っている。本能のママにウジ虫はジャガイモの周りを這っている。どこにむかっているの、とあたしは声をかけてみる。いや、俺ただ食うものを探してはっているんだよ、と答えてくれたのは、ウジ虫のウジ夫。ウジ夫は新婚ほやほやのウジ虫。結婚式もしてないけれど、幸せ。ウジ夫の妻のウジ美はつくすタイプ。つくしてつくしてつくし切るタイプ。ウジ夫はもうぞっこん。ウジ美だって、大好きだから、ふたりの好きをあわせたら、世界はかわるかもしれないよ、と思う。

音楽。意外な気持ちのよさを感じたら、それは幸運だから、悦ぶべき。まず悦び、叫び駆け回るべき。雪を見た犬のように。


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