リッスン・トゥ・ハー

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落ちる

2007-07-11 | リッスン・トゥ・ハー
私は光に弱く、弱いというと虫みたいでいやだから、苦手と言っておく(同じか)、光があると眠ることができない。蛍光灯を消して、カーテンを閉めて、暗闇を作り出さないとうまく眠りに落ちることができない。ほんの少しでも光が目に入ってくれば、とたんに目覚め、そして眠ることができなくなる。まことに不便な性質だ。しかし、裏を返せば、光さえなければどこでも眠れるということだ。腕で目を覆う、包み、隠してしまえば、そんな簡単なことで私は即座に眠りに落ちることができる。さらに、どんなにうるさい環境でもそれは同じだというおまけまでついている。いくら線路の上で眠っているところへ、電車が通っても、ふらっとやってきたジャイアンが歌いだしても、私は眠っていられる自信がある。で、腕で光を遮る。そうしてほんの少し待つ。イメージが湧いてくる。それは日によってさまざまだ。そのうち、意識が遠のく、なんだか頭の内側からちいさな虫が外へ出ようと必死になって叩いているような気がする。それから気付くと眠りに落ちている。気付くと、という表現は正しくはない、いつの間にか、か。


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