リッスン・トゥ・ハー

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小指の付け根

2011-01-30 | リッスン・トゥ・ハー
「今すぐに確認を!」

「なんでですか?」

「爆弾予告がありました」

「まじですか?」

「まじです」

「どこにあったんですか?」

「うちの電話にありました」

「どこが爆破されるんですか?」

「小指の付け根」

「まさかの」

「小指の付け根」

「確認を!」

「手ですか?足ですか?」

「つべこべいわずに小指の付け根をみなさい」

「わかりましたよ、大丈夫です、爆弾ないです」

「ということは、私か」

「いや、予告がいたづらでしょ」

「いやいや、私だ、私の小指の付け根が爆破されるんや」

「大丈夫ですよ、だいたい仕掛けられたときに気づきますよ」

「眠っとるときに仕掛けたかもしれん」

「気づくでしょうよ」

「私のレム睡眠をなめるんやない」

「熟睡しはるんですね」

「死に一番近い形やね」

「はあ、それはうらやましす」

「そうでもないわ、なにをされても起きんのやからね」

「なにをされても?」

「服脱がされても」

「いや、いいです、聞きたくないです」

「一部始終をビデオ撮影されて」

「だからいいです、暗い過去は知りたくないです」

「こんなこと話せるの春子ちゃんだけだから」

「わかりました、なんでも話してください」

「うん、子どもの頃になりたかったのはもんじゃ焼きです」

「珍しい子だったんですね」


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