リッスン・トゥ・ハー

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伝書鳩がつぶやくのは、誰のメッセージなのだろう

2010-01-23 | リッスン・トゥ・ハー
「珈琲、なんと香り高いことか、この午後を私は楽しむ」
と窓辺でつぶやく伝書鳩。

窓を開けてやると、すいません、とつぶやいて入ってきた鳩は、
不思議そうな顔をしていた。
伝書鳩であり、足に手紙をつけている
が、それを私は読んでいいのか、読んではいけないのか。
思案していると鳩はつぶやきだしたのだ。

はじめは幻聴かと思っていた。私は時々幻聴が聞こえる。
たいていつぶやきみたいなもので、低く聞こえにくいものだった。
それに似ていたから、またはじまった、と高をくくっていた。

すると、鳩がガラスをくちばしでツンツンとつついて、アピールをする。

何か知らせたいのか、と私が近づくと声は大きくなる。
だから私は大きく聞こえる方へ導かれしもののように、
光に寄る蛾のように、
どんどん鳩に近づくと、鳩は言った。
「そう、こっちに来な、ふたりで話をしよう」
「しゃべれるというわけ?」
「いかにも」
「なんで?」
「じゃあ君はなんでしゃべれるんだい?」
「うーん、いつの間にか?」
「ほらすぐそうやって疑問形にする、最近の若者はまったく」
「ごめんなさい」
「鳩に謝る必要なんてない」
「はい」

その後、鳩は私に宇宙の始まりと五平餅の関係について教えてくれた。
私は気味が悪くなり鳩に熱々のハーブティをふりかけてやった。
不思議そうな顔をして飛び去って行った。


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