「じゃ誰の本かと思うだろう?」
「思いますね」
「神様さ」
「うわあ」
「なんだねその低く小さい、うわあ、は!」
「いやなんか、ばくっ、としてるなって」
「失礼な神様の存在を信じない雑魚キャラが」
「雑魚キャラってなんですか、雑魚キャラって!」
「一番はじめにケンシロウにやられるキャラさ」
「いやや、自分の弱さを認められないキャラいややー!」
「すべては神様のものぼくらはそれを与えられているだけさ」
「わかりました」
「じゃあ、お金をくれないか?」
「なんでそうなるんですか」
「お金は必要だからだよ」
「なんでぼくが出すんですか」
「ぼくはもってないからねえ」
「なんで持ってないのに豪華クルーズなんかに参加したんですか」
「マダムの気持ちになりたかった」
「どこ見てんですか!そんな遠い目をして!」
「さあ、払ってくれたまえ」
「ぼく持ってないっすよお金」
「は?」
「だから、持ってきてないっす、あ、350円ぐらいはあったかな」
「なんでそんなんで豪華クルーズにこれるんだよ!」
「誘われたんだからおごってくれると思うじゃないですか」
「おごってやるものか、どうしてぼくが君なんかにおごるんだ」
「じゃあ同じ言葉を返しますよ」
「ちょっと待て、我々はふたりともお金を持っていないということじゃないか」
「そういうことですね」
「支払いはせまってるのに」
「そうですね」
「怒られる」
「は?」
「怒られる!」
「そうですね」
「い・や・だ!」
「仕方ないじゃないですか」
「逃げよう」
「無理ですよ、船なんですから」
「泳ごう」
「陸まで結構遠いですよ」
「根性」
「なさそうですけど」
「い・や・だ!」
「はいはい」