リッスン・トゥ・ハー

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カメデス

2010-06-10 | リッスン・トゥ・ハー
カメデスは亀です。亀ですがカメデスは自分が亀であることにまだ納得していない。納得していないから自分が亀であることを認めていない。亀なんていうあののろまな平べったい地味な色の生き物であると断じて認めていない。自分はふくよかでセクシーで博学な東大卒のグラビアアイドルだ、と思っている。自分の身体をすべて完全に見ることはできないからもしかしたら本当にそうなのかもしれない。カメデスは鏡を知らない。水面に映るものが自分であることを知らない。視界に入る爪や、足は亀のそれであることに気付かぬ振りをしている。誰だって自分が可愛いのだし、カメデスが現実を見ていないことを非難するのはナンセンス。カメデスだってうすうす気付いている。きっと自分はグラビアアイドルでもなく国際線のパイロットでもなくみどりのおばさんでもなく薄汚い生き物であると。彼は夢の世界で生きている。現実は厳しい。カメデスは亀です。亀ですがカメデスは人間以上に人間らしい亀です。

水のありがたさ実感

2010-06-10 | リッスン・トゥ・ハー
水は必要です。みずがないと人間生きていかれません。みずをこまめにとりなさい。野球部やサッカー部は夏場特にそうしなはれや。我慢してるととんでもないことになりかねまへん。みずとったらばてる、なんて言うとったけどな。そんなもんうそや、みずは大切、身体にとって命みたいなもんや。みずをとると、一瞬にして隅々まで行き渡る、即効性があるわけ。これがすごい。飲んで次の瞬間には、脚の指先まで、行き届くみず。優秀な宅急便みたいなもんや。みずは身体のあちこちで、臓器に出会い、臓器を濡らしていく。臓器は乾いてしまうと、きゅるきゅると縮んでしまうから、そうならないためにはみずや。縮んでいく臓器の手をとり、ワルツを踊ってくれるのがみずや。みずのワルツはやさしくて、ドリーミーで華麗、なんともいえん。うっとりした表情を臓器が見せて、みずは決しておごらんと、自分は何もしてません、全部臓器がひとりでやってることです。自分は臓器の声を聞いているだけです。みたいなことを言う。憎いやないか。みずぶぜいが謙虚で。だから人間はもっとみずを飲めばええ。飲むべきや。