リッスン・トゥ・ハー

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カーブ

2007-07-28 | リッスン・トゥ・ハー
クローバー畑のようになっていたので、これぞチャンス、とばかり私は緑の上に座り込み、4つ葉がついたクローバーをくんくんと探す。かき分けかき分けしていると私は自分がてんとう虫にでもなったかのような感覚になってくる。いや、確かにその時私は巨大なクローバー畑を進む小さな虫だった。4つの葉を持つクローバーは食べることで不死になれるという言い伝えを聞いたため、その言い伝えを信じきって旅に出た虫だった。そうして、何度かき分けただろうか、おそらく金八以上に掻き分けたに違いない、その時、4つの葉を持つクローバーは私の目の前に現れて、そうして黄金色に輝いていた。私は思わず立ち尽くして、貯まったつばを飲み込んだ。ごくごくと音が鳴った。