繋いでる右手の確かな温もりをあかんべえして濁すのでした
こんな夢を見た。私はお母さんとなり、子をあやしている。子は二匹、上が女で、下が男で、こいつらにずいぶん手を焼いている。ぐずりつづけてなかなか落ち着かない。わたしはいたるところを舐めてあやす。それでも子はぐずる。二匹とも。天敵がやってくる気配、緊張。獣臭、これはわたしのもの。遠吠え。目覚め。
(宮原昭夫作/誰かが触った/一行目は)
―休み時間、ジュニア雑誌に読みふけっている中学三年生の歌子の、長いお下げ髪を、隣の席の悦子が見ている。―
「その枝毛、うちの家系図そのもの、まさかこの子、知っているの?」と思いながら。
―休み時間、ジュニア雑誌に読みふけっている中学三年生の歌子の、長いお下げ髪を、隣の席の悦子が見ている。―
「その枝毛、うちの家系図そのもの、まさかこの子、知っているの?」と思いながら。