議会雑感

国会のルールや決まりごとなど、議会人が備忘録を兼ねて記します。

記名投票と記名要求

2017-01-25 | 国会ルール
○衆議院規則第152条

議長が必要と認めたとき、又は出席議員の5分の1以上の要求があつたときは、記名投票で表決を採る。

○参議院規則第138条

議長は、必要と認めたときは、記名投票によつて、表決を採ることができる。出席議員の5分の1以上の要求があるときは、議長は、記名投票により、表決を採らなければならない。

本会議での表決の方法は、起立によって行うのを原則としていますが、参議院は押しボタン式投票方法が導入されており、これを通常の表決方法としています。        
            
ただ、より厳格な表決方法として、記名投票があります。

これは、議長が必要と認めたとき、又は出席議員の5分の1以上の要求があったときに行われます。

記名投票の場合は、議員の氏名を記した白色及び青色の木札を用い、議員は国会職員の氏名点呼「例:国会太郎君~」に応じて、賛成議員は白色票を、反対議員は青色票を持参して登壇し、別の国会職員に木札(投票)を渡します。
            白票(複製)
            青票(複製)

なお、記名投票が行われている間は、表決に参加している現在議員を確定するため、議長は議場を閉鎖します。投票が終わったときは、議長は投票を国会職員に計算させる旨を宣告した後、議場の開鎖を命じます。

参議院の場合は、一般的に押しボタン式投票であり、各議員の表決結果は参議院Webページからご覧いただけますが、衆議院の場合は、起立採決がほとんどであり、各議員の表決結果を明確に知ることは困難です。

記名投票の場合、各議員が木札を握りしめて登壇し、登壇の上、白色票か青色票を差し出して投票するため、賛否が明確になることから、国の総予算採決時や与野党対決の注目法案採決時には用いられることが多くなっています。

で、ここから頂いたご質問と回答です。

[質問]

→本会議で記名投票を要求する際には5分の1以上の議員の要求が必要で、特に最近度々目にしますが、あの要求は、本会議中に5分の1以上の議員が所属している会派の議運理事が壇上に上がって要求すれば、その場ですぐ認められるものなのでしょうか。それとも議運理事会の場で事前に通告してあるのでしょうか。

[回答]

→衆規152条、参規138条により、5分の1以上の要求があれば、記名投票にしなければなりません。したがって、議運理事会などで事前に言及がなくても、要求があれば、必ず記名投票になります。ただし、実際には、議運理事会で事前に言及されることがほとんどです。

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