YES MUSIC YES SALES

お気に入りの音楽や活字。その中に秘められた想いと、世の中の事、セールスの事をリンクさせて紹介していきます。

君はこれから世界で一番タフな15歳になる

2011-02-17 | Haruki Murakami
地下鉄サリン事件にキーマンだった土屋正実被告の死刑が確定した。。。 この土屋被告の調書をとったのが、、大坪弘道検事。あの証拠捏造で逮捕された検事ですね。 その調書を見ると色々と不思議なことが、、 サリンを製造担当していた土屋被告は「松本や地下鉄で使ったサリンは自分たちの作ったサリンではない」と・・・。。サリンを作った(サリンと信じているものを作った) それをサリンだと信じたオウムの信者が地下鉄に乗り込み、、サリンの入った袋を傘で突いて地下鉄の中に撒いた。。しかし撒いた本人達はまったくサリンにやられていない・・・ 不思議。。もしかすると?? オウムの実行犯は撒いたサリン(らしいもの)はホンモノだったのか? しかし多くの方が亡くなり、中毒症状になった・・プロフェッショナルな集団がその事を知って、、別のカタチで『致死性の高い物質を撒いたとしたら・・・』そして多くの方が、、聖路加病院(元米軍極東中央病院)へ搬送される。。この事件が起きる3年前に野戦病院として使えるタワーが完成したこの病院に、、そしてこのタワーには電通とフジテレビが入居している。。 オウムの潜入していたある関係者がい書いたとされる怪文書には「松本サリン事件は、唯一『帝銀事件』に似ている・・・・・」と、、、 ウム~

1995年1月の阪神淡路大震災 3月の地下鉄サリン事件 そして1997年5月の神戸児童連続殺傷事件(酒鬼薔薇事件)が起き。。そんな背景の中、、(多分少なからず影響を及ぼしただろう)誕生した小説が 村上春樹氏の“海辺のカフカ”です。。(2002年発行) 登場する主人公の僕は15歳の誕生日の日に東京中野区の自宅から家出をすることから始まる。。 この本名がわからない少年は、、田村カフカと名乗る。。そしてカラスと呼ばれる少年の助言を受けながら、、行動を移していく。。 ここで考えられるのは、、「本当に自分(僕)」「カラスと呼ばれる少年」「田村カフカ」という3つの多重人格をもつであろう少年の話なのかな~ と、、物語は上下巻 49章からなり、、「僕」の話は奇数章。そして偶数章は「ナカタさん」という記憶を失い、文字も読めない・書けない初老の老人の話が進む。。 パラレル・ワールド的な進行は“世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド”同じで、、村上氏もこの小説の続編的イメージとして構造を考えたと話しているようです。。“海辺のカフカ”は、、2つの世界「僕」「ナカタさん」が存在し、、現実の中でだんだんシンクロしそうになりながら現実には遭遇しない感じと現実の中の非現実感の中で2人が融合してコトを起こすことと、、このあたりが「世界の~」の主人公の夢の中で繰り広げられる世界とのパラレル・ワールドとは異なる趣きが読者を引き付けますね~

この主人公が上巻の中で「ナカタさん」に乗り移って自分の父を殺す場面が出てきます。。。(ナカタさんが殺したのはジョニー・ウォーカーなので正確に田村カフカの父「田村浩一」かどうかは定かではないが) しかしこの本を読んでいて、、感じるのは、、「僕」は自分が家を出る前に父を殺してから家でをしているのでは? と感じるところですね。。 僕という本名の「僕」が父を殺したのか・・・それとも田村カフカが殺したのか・・・ 自分の中人格を操作できずに、、夢か真実か、、区別がつかないことが。。 黒猫に連れられてジョニー・ウォーカーの元で連れて行かれるナカタさん。。そしてこので観たおぞましき猫を殺して行う儀式のような場面。。。冷蔵庫の中に置かれた猫の首の数々。。 まさしく酒鬼薔薇の事件とダブルようなことが遠回しに描写されているように感じることも・・・・ 

カフカ少年がナカタさんを通じて殺した?とされる ジョニー・ウォーカーは誰か? 自分の父と同一人物・・自分が殺した父(別人格の田村少年)のことを夢の中でリプレーしているのか? それとも別な誰かなのか? その点が、読者の創造力で妄想を膨らませることになりますが、、そんな妄想をどんどん掻き立てる描写手法に拍車がかかったのが、、この2000年以降に書かれた、、作品からですね。。 やはり今まで考えられなかった大地震や事件を通して。。多くの読者に語りかけるボイス量が増えた? 見せられない真実を、、聞こえていない事実を・・・ 

サリン事件にしても、、酒鬼薔薇の事件も。。。 もしかしたらあの阪神淡路の地震だって・・・ 戦後の捻じ曲げられた事実を、、私たちは知らないで事実と解釈しているかもしれないし。。。マスコミを通じて伝わったことが事実か真実かウソが、、まやかしか・・・ 解らないですよね・・・ 1984年以降「深く損なわれた日本」 そんな状況を小説を通じて私たちに「伝えて」いるようにも。。。そして「Q」を投げかけているように・・・実は、、1984年以降、、日本は真実と虚実のパラレル・ワールドの中をDNAの螺旋のように彷徨っているよ~
ってね。。。 だから。。この作品の冒頭でカラスと呼ばれる少年から田村少年が言われた。。「君はこれから世界で一番タフな15歳になる」という言葉を受けて。。 この作品が書かれた2001年~2年からちょうど10年目の2011年こそ、、私たち日本人が世界で一番タフにならないといけない時代ではないでしょうか・・・・ 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする