七曜工房みかん島

18年間の大三島暮らしに区切りをつけ、
滋賀大津湖西で、新たに木のクラフトと笛の工房
七曜工房を楽しみます

『一人で建てる木組みの家』~29 建具その2

2009年01月28日 | 『一人で建てる木組みの家』
1 建具は全部で63枚!

建具その1』では、建物外周のガラス戸を30枚製作した。

今回は、内部仕切り戸8枚 扉2枚 網戸15枚 雨戸8枚
の計33枚の製作となる。
前回のガラス戸と合わせれば、建具の総数は大小63枚と大へんな数量だ。

製作日数も、延べ2か月以上を要している。

アルミサッシを使っておれば、工期はもっと短縮できただろう。
しかし、木製建具の良さは味わえない。

特に、今回の仕切り戸や扉では、
デザイン的にも、少しでもおもしろいものを作ろうとした。

2枚枘の框へ鏡板をはめ込んで、ガラス窓でアクセントをつける形式に
それ程の目新しさはないが、出来上がりはなかなかなものだ。

建具も家具同様、色々なデザインが考えられる興味深い木工品だ。


2 ガラス仕切り戸

各部屋を仕切る片引き戸とトイレの片引き戸は、
中央横に入れた桟で上下に区切り、
下段は、壁に使った杉板材を接ぎ合わせて鏡板にした。
上段は、縦中央にガラスを入れた。

ガラスは、トイレと寝室との分は、型板ガラスを使い、
リビングの分は、色つきガラス(熱線吸収ガラス)を使った。

鏡板は、壁板に合わせて横方向に取り付けた。
框の溝への陰入りを5mmとしたのは、少し短かったようで、
その後、板が収縮してすき間ができてしまっている。
10mmはとるべきだった。


鏡板のはめ込み


縦框のはめ込み


土間から、リビングへのガラス仕切り戸と、寝室へのガラス仕切り戸



3 障子仕切り戸

リビングと寝室との間の片引き戸は、半和風にした。
純和風は、この家には、似合わない。
上下に区切った下段は、ガラス仕切り戸と同じ杉板の鏡板の横張りだが、
上段は、桟木を設けて、障子張りとした。
桟木の並べ方も、単なる長方形ではなく、
斜材を入れて中央に菱形ができるようにした。
木の多い室内空間に、
こうした紙やガラスの素材が心地良いアクセントを与えてくれる。



本組立て作業


ポニークランプでの固定


4 押入れ戸

押入れの戸4枚は、舞良戸形式とした。
と言っても、基本パターンは前のと同じで、
ただ上下ともが、鏡板で、縦張りとしているところが違うだけ。
それでも、随分と趣きが変わる。


鏡板のはぎ合わせ


鏡板のカンナ調整


押入れ戸の出来上がり


5 収納扉

階段下の収納は構造的に戸ではなく、扉になる。
これも、押入れ戸と同様のデザインとした。
引戸と扉の優劣を比べれば、
引戸の方に軍配が上るのは住んでみればすぐわかる。

しかし、製作手間は、扉の方が随分と楽だろうと思っていた。
引戸だと、敷鴨居の溝は必要だし、
戸框の上下の加工や戸車の取付けが必要だ。
しかし、扉だって
丁番はいる、取っ手はいる、扉当り木はいる、キャッチャ―はいると
付属物が多い。
おまけに丁番で吊るという構造のため、
強度的には、引戸よりしっかりしたものが必要で、重量も軽くする方が良い。
そのため、鏡板は壁に使った15mm杉板を9mmまで薄くして使うことにした。
製作手間は、結局扉の方がめんどうだった。

総合的判断としては、引戸が扉よりもすぐれていることが、よくわかった。


なお丁番の取付け方法には、2通りある。
丁番の厚み分を削る必要があって、
厚みの半分ずつを柱と框のそれぞれで削る方法と
厚みのすべてを框の方で削ってしまう方法だ。
これまで半分ずつ削る方が手間をかけた分、
当然キレイに収まると思っていたが、
古家のトイレの扉をあらためてみると框側だけを削っていた。
最初は手間を惜しんでいるだけだなと思っていたが、
収まりがとてもキレイだ。
柱を削らないので、柱の線がスッキリと通っている。
今回試しに、こうしてみたらやはりこの方法の方が良かった。
手間はかからず、収まりはキレイ。
丁番の削りは框側だけで良い


框の枘作り


収納扉の出来上がり 取っ手は、ウォールナット

6 玄関扉

この家は、土間の出入口がメインとなる。
土間に玄関的な機能も持たせることに変更したので、
この出入口は玄関口ともなる。
どの開口部も引戸にするつもりだったので、ここも引戸のつもりでいた。

しかし、基礎石を積んで建前をしてから、気付いた。
基礎石に裾広がりのテーパーがついているため、引戸構造は不可能だと。

やむなく、扉形式にして、玄関らしく少し凝った扉にすることにした。
完全洋風の玄関扉は広葉樹のナラ材等を使い、
思い切り凝ったデザインにして重厚に仕上げているものが多いが
そこまでは必要ないだろう。
材はやはりヒノキとスギの針葉樹にして、デザインをおもしろくしょう。
外周の框や中に入る縦横斜めの桟も少し幅広くする。
下段は、鏡板張りだが、上段に菱形の色ガラスをはめこもう。
この色ガラスが大きなポイントになるだろう。
色はエメラルドグリーンがいいかな。

ところが、この色ガラスの見積りをとったところ、予想以上の値がついてきた。
色ガラスそのものも高価だが、菱形のカット代も高くつく。
低価格の家作りを目指すため、やむなくこれは廃案となる。

色々と検討したが、デザインを変更し、桟を増やして、
大きな菱形を小さな長方形と三角形に分割することに。
ガラスはフロストガラスと型板ガラス。
少しチマチマとしたデザインになったが、
玄関扉としては充分満足のいくものとなった。
取っ手は、アクセントとして、ブラックウォールナットを使った。




本組立て作業中


この玄関扉については、一つ大きな問題が残っている。
大三島のここは、風が強いところなので,閉め忘れると、扉が暴れる。

止め杭を1本打ち込んではいるが、、それにぶつかって衝撃で
ガラスが割れたことがある。
数千円する重々しいドア調節器を購入する気にならなくて、
何かいい方法はないものかと考えるのだが、アイデアが浮かんでこない。

仕方なく、杭に長靴をかぶせて緩衝材としている。
扉ではなく、引戸なら、こんな必要はないのに。。。。。


玄関扉 出来上がり

止め杭には、お正月仕様で、黒長靴はやめて、紫ゴム手袋に変更 
お洒落 

7 網戸

網戸を作る時点では、
建具用に購入しておいたヒノキ材が残り少なくなっていた。
網戸の数量も多いので、
それならたくさん残っているスギの割角材をつかうことにした。
いかにも、安っぽく見える材なので、建具にするには狂いの心配があった。
反りや割れを除きながら目の通ったキレイな材を選んで木取りした。
スギは框に使うには柔らかいので加工は、逆に難しかった。
カンナ掛けも、ケバ立ちが消えずとても難しい。

防虫網を張ってから、敷鴨居に収めてみると、
やはり柱との間に若干のすき間があく。
これは、縦框を削って合わせた。
次はガラス戸との間にすき間があく。
はめ入れやすべりのために、3mm程のあそびを設けているのが
キッチリすき間となって現れる。
やはり、これもふさがねばならない。
薄板を作って貼り付けた。
この初めての夏は、大した虫達の進入もなく、
網戸の役割は充分に果たしてくれた。

ただ一つ気になるのは、網戸が軽すぎるのか、風が強いのか、
時々風で網戸が敷居をスべッて、動いてしまう。
開け閉めに重い戸は困るが、スベリが良すぎるのも困ったものだ。


本組立て作業中


防虫網の取付け


網戸15枚

8 雨戸

大三島のここは、台風が恐い。
通過コースによって、大きな影響が出る。
九州北部から日本海に抜けるコースだと、
通り過ぎた後の返しの風がものすごい。
南西から海水をまき上げた風が吹き、
波も堤防を越えてくる。

引越して2年目の秋に、16号と18号の台風がこれだった。
16号は古家の床下を浸水させてくれた。
10数年に1度あることだと、言われたが、2年目に遭遇すれば
毎年来てもおかしくないと思ってしまう。

そのため、新家は地盤の高さを上げたし、
雨戸はしっかり作らねばと考えていた。

ただ、外壁を下見板張りとしているため、
雨戸を横へガラガラと開けて戸袋にしまうという構造がとりにくい。

また、大三島では、
防犯のために夜間に家中の雨戸をしっかり閉めて寝るという習慣はなく、

雨戸は、台風等のように、雨風の強い時だけ閉める。

そこで、雨戸は、引っ掛け方式にすることにした。
台風の時には、開口部に取り付け、
常時は、外壁に立てかけておく。

戸の形態は、押入れ戸と同様、舞良戸方式で框材と鏡板。
開口部への取り付け用に、一筋敷鴨居をとりつけてあるが、
台風が来た時には、戸を釘止めする必要がありそうだ。

また一つ気になることがある。
鏡板は酢酸ビニル系の一般的な木工ボンドで板接ぎしてあるが、
耐水性や耐侯性に弱いから、いずれバラバラになってしまうのではないかと思う。
マア、その時には、エポキシ系ボンドでまた板接ぎをするしかない。

この雨戸を使う日が来ませんように。



框への枘穴あけ


鏡板のはぎあわせ ハナが遊びに来る


雨戸掛けへ収めたところ


雨戸を閉めたところ



作業期間   2007年8月中旬~下旬
       2007年9月中旬~11月上旬
       2008年2月下旬~3月下旬

所要日数   37日




『一人で建てる木組みの家』のこれまでは、こちら をどうぞ


 付記:妻・ひろより

 『一人で建てる木組みの家』の基礎構造部分が出来上がり、
 内装作業になると、妻は、ひんぱんに現場を覗きに行くようになった。
  そして、夫に先んじて、「妻から家作り実況版」 で、
 勝手に、家作りの様子を紹介し始めました。
  
 夫は、「いいとこ取りしんといて」と 嘆いておりましたが。

  網戸作りの様子は、   こちら です。(2007年12月4日)
  内部の建具作りの様子は、こちら です。(2008年3月17日)

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ガラ藻

2009年01月23日 | 
本日の大三島
昼からずっーと風速10メートルにも及ぶ強風が吹き荒れています。

我が家のオリーブやミモザは、強風にしなり、
根こそぎ引っこ抜かれんばかりです。
海も荒れて、白波が立ち、堤防に激しく打ちつけています。


白波の立つ荒れた海の様子


 夕方、Kさんが、呼びに来てくれました。

我が家のすぐ傍を流れている出走川に
ガラ藻が、いっぱい打ち寄せられているという情報です。
満ち潮の時、波が運んだガラ藻が、
潮が引いた後、葦などにひっかかって、残ったのでしょうか。


「僕が、海岸に下りて、堤防にガラ藻を 放り上げますから、
    持って帰って、畑の肥料にしましょう」


Kさんによって、「エイツ」とばかり、堤防に放り上げられたガラ藻




夫は、ガラ藻が堤防に放り上げられるのを待っている



大三島では、
ガラ藻を見つけると
「雨に打たして潮を抜くといい肥やしになる。畑にナメクジが来なくなる」
と、持って帰る人が多い。


我が家でも、早速畑にばら撒いて、潮を抜いて肥料にすることにした。




ガラ藻の打ち寄せられた出走川の堤防です。


堤防の高さは3m~4m 右に見える屋根が我が家の古家


タップリと海水を含んだガラ藻を 放り上げるなんて、
台風並みに 物凄いパワーの Kさん です。





と言うのも、この出走川は  
台風時には、高潮による越波があり、
我が家にとっては、あまり有難くない川なんですが。。。。
今日は、ガラ藻のプレゼントでした。 



出走川の堤防を越す高潮の様子 
(2004年18号台風時の出走り川 写真提供はKさん)


コメント (2)
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『一人で建てる木組みの家』~28 設備

2009年01月21日 | 『一人で建てる木組みの家』
1 建築設備

家一軒すべてを 一人で建てることを目指しているが、

法律上どうしても小生の力量では出来ない部分が、
設備には出てくる。

電気の配線や器具の取り付け、水道や下水の配管等は、
資格や認可を受けた専門業者でなければできないことになっている。

やろうと思えば、何だって出来ないことはないだろうが、
法律を犯すとなると、さすがに抵抗がある。

そのため、できる限り自分でできることはやって、
あとは専門業者にお願いすることにした。

熱源については、
プロパンガスや灯油の値上がりが厳しいことから
電気を中心に据えることにした。
ただ、ソーラーシステムは、
初期投資が大きすぎるので採用しなかった。


2 設備機器の取り付け

個人購入(ネット販売が中心)して、自分で取り付けた機器は次のもの

 換気扇 キッチンセット  電磁調理器


キッチンセット購入


換気扇設置


流し台設置


システムキッチン設置完了


洗面台 水洗便器  


洗面台設置


トイレ説明書熟読中


トイレ便器設置中


トイレタンク設置中


トイレ設置完了


照明器具 


照明器具購入


リビング照明取付け中


リビング照明


階段照明


どれも、組立て説明図とにらめっこしながらの取り付けだった。

プラモデルの組立てのように、説明通りにやれば、うまく組立てられる。
説明図を前もって一通り読み込んでから、組み立てればスムーズに進められる。



作業期間 2007年9月
所要日数 4日


付記:妻・ひろ

『一人で建てる木組みの家』で、
妻にも少し解かりそうで、意見が言えるのは、
水廻り設備の選択であり、購入だった。

ほとんど、ネットショッピングで選び、買った。

でも、水回り設備の選択には、
排水など、妻には解からぬ要素が関係してくるので、

やっぱり、最終的に決定したのは、夫になってしまった。

夫が、選んだ、システムキッチンは、
妻が、ちょっと、ダサくない?と思っていた、メーカー

材質のホーローが、気に入ったらしい。



『一人で建てる木組みの家』の、これまでは、こちら をどうぞ
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『一人で建てる木組みの家』~27 風呂場

2009年01月19日 | 『一人で建てる木組みの家』
1 一番難しかった風呂場

昔から、風呂に入ってくつろぐという習慣はない。
体を洗って、湯舟にさっと入ればそれで良い。
冬なら少しは暖まることもするが、夏ならシャワーだけで良い。
カラスの行水というものだ。入ったあとのサッパリ感は好きだが、
ぬるい湯に長くつかっているというのが苦手だ。

なので、温泉地へ旅行に行って、
ゆっくり温泉につかるというのは好きではない。

だから、風呂場は、機能一辺倒の狭い空間にした。


 そしたら、当然のごとく、妻から、クレームがついた。

 妻は温泉大好きの長湯タイプ人間なのだ。
   大きな風呂場で、大きな浴槽にゆったりと海を眺めながら 
   入りたいと。出来れば、泡風呂が良いと。

 しかし、風呂場の位置はすでに決まっており、
   海は反対側である。
   大きな風呂場は、冬は寒い。
   大きな浴槽は、湯が沢山必要だ。
   と説得に努めるが、OKは出ない。


そこで、せめて、ユニットバスにして、少しは豪華感を出すことにした。
しかし、専門業者の人に来てもらって、寸法を測ったら、
狭いので、ユニットバスは入らないとのこと。


 結局、昔ながらのタイル張りの風呂場になった。

木の好きな人は、コウヤマキやヒノキの風呂桶や板壁にするが、
キレイなのは最初だけで、長期のメンテナンスを考えれば、
やはり、木は湿気に弱いので、ステンレスの浴槽やタイルの壁にした。
また、窓や入口の建具もアルミサッシを用いることにした。

風呂場は小部屋ながらも、色々な工程が詰まり、作業順序も複雑で
家作りの中では、最も難しい箇所だった。

詳細設計や施工図も描き直すことが多かった。
というのは、購入材料の種類が多く、施工も初めてというのがいくつかあって、
その取り合いなどは、頭の中や図面の上では、なかなか考えられなかった。

腰壁のブロック積みと柱、梁、天井にあたる2階床が完了し、
その後の工程は、墨出し~土盛り~配管~ブロック積み~床コンクリート打ち
~壁下地~壁モルタル~浴槽設置~窓・入口サッシ取り付け~タイル張り
~天井取り付けとなる。


2 基礎部分

基礎作業の土盛り、配水管設置、内壁ブロック積み、
基礎床コンクリート打ちについては、下水管埋設時に同時に済ませておいた。
洗い場の仕上り高さが、1階の床高より100mm下がりとなるように、
それぞれの高さ取りを慎重に行った。
浴槽からの排水を受ける配水管は、基礎床に溜った水を排水できるように
基礎床面と同レベルで切り取った。
また、浴槽の脚が載る部分は、注意深くレベリングを行った。

腰壁と基礎

上から見た 腰壁と基礎

浴槽の取付け位置

浴槽のレベリングと排水管



3 下地モルタルが最も難しい

壁はタイルをボンド貼りにするので、
下地はラス下地とブロック下地へセメントモルタルを塗る。
厚みは当初は、25mm程を考えていたが、
サッシ枠に合わせることにして30mmとした。これが厚い。
2度塗りでは、しんどいだろうから3度塗りとした。
モルタル配合は、
セメント:砂=2.5:1では、コテが重いので、2:1とした。
モルタルをラスに塗るには、結構強い力でコテを押さえつける必要がある。
こすりつけるようにする。ラスこすりという言葉の意味が良くわかった。

腰壁の建築ブロックへののりが悪い。
ラスへの塗り厚と同じでは厚すぎるのだろう。
セメントを少し多めにして、なんとか塗り上げる。
2回目塗りの付着性を良くするために、釘で表面をひっかいておく。
このひっかき傷の溝にモルタルが入り込んで、
滑りを止めるのかと思っていたが、
それよりも、溝の横に盛り上がる砂のささくれ粒が有効に働くようだ。

モルタルが仕上げ面なら、それ程気にすることもないが、
仕上がりの壁面が垂直でなければ、タイルがうまく収まらない。
そのために、定規となる棒をとりつける必要がある。
この取り付け方を調べたがわからないので、自己流でやった。
天井から水糸を垂らして、それに合わせて細長い棒をスペーサーの薄板をあてて、
コンクリート釘で留めた。
これを各壁面の4辺に施し、2回目と3回目のモルタルを塗り上げていった。
定規棒はうまく取り付いたと思うのだが、
3回目のモルタル塗りがまずかったのか、仕上げ面が波打ってしまった。

これが、その後のタイル貼りに大きく影響して、
タイルも凸凹が目立ってしまった。

窓まぐさの裏面を塗るのも、大変難しかった。
天井に塗るのと同じで、塗ってもすぐ剥がれ落ちてくるのだ。
5mm以下の厚さで間をおいて、塗り重ねることで、何とかクリアーできた。


防水紙とリブラス

窓まぐさの定規棒

入隅部の定規棒

入口サッシ廻り

モルタル塗り作業


4 壁タイル貼り

下地モルタルの仕上がりが悪いので、とても貼りづらい。

接着剤の厚みの範囲でうまく貼れる箇所もあるが、
そうでないところは、モルタルをタガネで削ったり、
接着剤に砂を混ぜて肉盛りしたりして貼っていく。
入隅部が最も難しく、直線目地が通らない。

接着剤は、アクリル系なので、水で洗えば落ちると思い、
素手で作業をしていたら、
手についた接着剤が、こびりついてとれないので、困った。

二平面だけの台所の壁とは違って、
風呂場の壁は、四面で開口部があったりして、
カットするタイルがとても多い。
タイル割り付けがうまくいかなくて、
小さく切ったタイルを貼るところは、不細工さが目立ってしまう。

とても注意深く貼っていったつもりだが、
仕上がりを見ると、やはりタイルが凸凹している。

目地を入れれば、いくらかましになるだろうと思っていたら
それ程変わりばえしなかったのは、残念だった。


タイルと接着剤を購入

壁タイル塗り

壁タイル目地詰め

浴槽取付け前

壁タイル完了



5 浴槽の取り付け

浴槽はステンレスに塗装したものを選んだ。
ホーローがいいかなと思ったが、重量が100kgもあると知ってやめた。
とても一人では設置できない。

このステンレスの浴槽でも、取り付けるのに大変な苦労がいった。
浴槽は、タイルを張り終える少し前に取り付けることにした。
そうでないと、浴槽が汚れてしまうから。

ただ、本当に最終段階でうまく収まるかどうか不安だったので、
下地モルタル段階までで、3度程試し収めをして様子をみた。
この浴槽を風呂場の定位置へ収めるのが大変。
狭い入口を通って、狭い風呂場で、
大きな浴槽をどこにもぶつけないように、そっと置く。
チェックが済めば、逆に今度は、外へ運び出す。注意と力がいる作業だ。

浴槽と壁との隙間は、タイルでふさぐことになり、
目地だけでふさがっていることになる。
以前、浴槽のまわりはすき間だらけだから、
浴槽を伝わって基礎床へ流れ落ちた水は、
排水口へ流れるようにしておくべきだと、
教えてもらったが、どうもこのことらしい。
はなはだ心もとないが、こういうものなのだろう。

ステンレス浴槽

浴槽の運搬

浴槽の取付け作業



6 床タイル張り

床タイルは、磁器質で固く小さいので、カットがめんどうだ。
ガラス切りで線を入れてから喰い切りで切る。少しずつ喰っていく。
かなり力がいる。少しずつ喰い切らないと、線からずれてしまう。
そのあと、ギザギザをグライダーで整え、砥石で擦って面取りする。

接着はセメントを水で溶いたノロとした。
ノロの固さ加減がわからず、初めは固すぎて粘着力がなく、
次は、軟らかすぎて安定しない。
うまくいったと思ったら最終。
軟らかすぎたところは、ノロが盛り上がってきてタイルの紙が濡れてきた。
目地が入らないので、削りとってスポンジでふきとる。

乾いてから、目地入れをしたが目地が深かった。
滑らないように少し落し目地にしたが、そうする必要はなかったようだ。
タイルの角が足裏に触って気になるし、
泥土の汚れが溜りやすいから、平目地にすべきだった。


床タイル目地詰め

床タイル完了


7 天井張り

天井は既製品を張ることにした。塩ビ製。
できる限り、石油化学製品を使わないようにしてきたが、
湿気に弱い木に替わるものは、今のところ、この塩ビ製になってしまう。
天井下地の桟木へ廻り縁を止めつけてから、天井板をはめ込めば、出来上がり。
とても、簡単に取り付けられる。
良く考えられているものだ。
天井裏へ入り込んだ湿気は、通風金網から外へ逃げるようにしてある。

天井下地

天井材

天井張り

天井張り最後の1枚

風呂場のサッシドアの取付け完了



作業期間  2006年10月下旬  2007年7月下旬~9月上旬
作業日数  19日
 

付記:妻・ひろ

「海を見ながら、ゆったりと身体を伸ばして、お風呂にはいりたい。」
 ”家で毎日温泉気分”という 妻の夢は、

「台所や居間から海がみたいんやろ?それなら、風呂場からは、間取り的に無理。」
「海を見ながらって、夜の海は真っ暗やで。それに、外から人に見られるで」
「大きな湯船は、お湯が沢山いるで。身体を縮めて入る位がよう暖まる」
「広い風呂場は、冬寒いで」

ケチな夫の合理的な意見に、あえなく負けてしまった。

それなら、機能的にも優れていて、
きっと、夫が施工するより綺麗にスッキリ仕上がり、
もしかしたら、夫が施工するより安くつくかもしれない、
ユニットバス案には、夫も賛成してくれたけれど、
これも、サイズ的に、不可能となった。

夫は、自分で張ってみたかった、
湿式タイル張りの風呂場を作ることができて、
嬉しいらしい。。。

夫がへたくそに張ったタイル張りのお風呂で、
ゆっくり、気持ちよく、くつろげるやろか。
タイルが剥げたり、欠けたりしたら、
掃除も大変やし、怪我までしそう。

お風呂から、水が廻って、家、腐らへん




『一人で建てる木組みの家』の家作りのこれまでは、
 こちらをごらんください。

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いよかん はっさく はるみ まだ樹上です。

2009年01月13日 | 無農薬みかん栽培
我が家の前の 大三島の海と空
毎日見ていても、見飽きることのない、きれいな風景です・

先日の夕焼けは、空一面が、淡いオレンジ色に染まっていました。


1月8日の夕焼け 空一面が、オレンジ色に染まっていた。

しかし、昨夜は、
一晩中、強い風が吹き続け、海も荒れ模様でした。
大三島では、
冬に、物凄く強い風が吹くことが、何日かあります。

風の音に目を覚ましてしまい、
こんなに強い風が吹き続けると、
木で熟すのを待っている八朔や伊予柑の実が、
風で揺らされて、落ちてしまうのではないか
と心配になってきました。

 パソコンで、大三島のアメダスの観測データーを調べると、
 風速6~10メートルも及ぶ西南西の風が
 ずっーと吹き続けているようです。


「伊予柑畑や八朔畑にも、強い風が吹いてるかな」

気温はマイナス以下になる予想はなかったので、
すっかり安心していたのですが、

「いろいろなリスクがあるから、早めの収穫が、やっぱり安全なんやワ」
「もし、実が落ちていたら、拾って、いよかんやはっさくピールにするわ」


 八朔や伊予柑や春見は、
     12月下旬から1月初旬に収穫するのが一般的なのですが、

 収穫したての無農薬の柑橘を宅配する我が家では、
    寒波襲来や気温を見張りながら、毎年ギリギリまで
    樹上で出来るだけ完熟させるために、木に成らしているのです。



翌朝、心配しながらの
はるみ、いよかん、はっさく畑の見まわりです。
強い風は止んだものの、海はまだ、荒れて、波が立っています。



堤防を越えた波しぶきが、道路まで、我が家の畑まで飛んできます。


はるみ畑に着くと、小鳥がぱっつと飛びたちました。
空き缶大作戦の効果か、イノシシには、食べられていないようです。


イノシシ防止策の、空き缶が下に見える

しかし、鳥につつかれた実がたくさんあります。
メジロが数羽、はるみの木の間を飛んでいるのが見えます。


鳥の食べたあとのはるみ


さて、落果が心配なのは、伊予柑と八朔です。

伊予柑畑は、風向きがよかったようで、強い風があたらずに、
ほとんど、実が落ちていませんでした。一安心です。


実が強風で落ちてなくて、一安心のいよかん

もう少しの間、木に成らして、もっと甘くなるのを、待てそうです。


充分に紅熟しているか、調べている



八朔畑は
強い風が当たったのか、実が少しだけ落ちていました。
大きな実が、落ちていると、「あつ~もったいない」 



仕方がないので、
皮だけを使って、八朔ピールを作ることにします。


綺麗そうな皮の実だけを拾って、はっさくピールにしよう。


2年前、八朔の木を切って、レモンを接木した木
こんなに、レモンの実ができています。


大きかったはっさくの木が、ほぼ小さなレモンの木に変身した


さて
はるみ・いよかん・はっさくの味は、




上から はるみ いよかん はっさく 


宅配ミックス箱 3種、それぞれどれも、
かなり味がのって、十分甘くなっています。

 無農薬晩柑のミックス箱(いよかん、はるみ、はっさく)宅配

 お申し込み受け付中です。


 昨年2008年1月中旬にも、風の強い日があり、
 いよかんの実が、沢山落果しました。
 その様子は こちら です。



コメント (4)
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『一人で建てる木組みの家』~26 土間

2009年01月11日 | 『一人で建てる木組みの家』
1 土間とは

この家には、玄関はない
この土間が、家人と客人の出入口を兼ねる。
土間は、農作業場であり、内と外との中間ゾーンである。
そのため、土汚れした作業服を洗うための専用洗濯機や
収穫した野菜を洗うためのシンクを備え、作業机を置く・・
という予定であった。


土間用に流しシンクを購入し、設置までしていたが、とり止め。


が、出来上がってくるにつれ、土間というより、
やはり、玄関の方が良さそうだと、
夫婦とも、考えが変わってきた。

というのも、この機能は、
これまで古家の土間が果たしてきていて、とても便利だったのだが、
新しい家が出来たらこちらへ移すよりも、
古家の方の土間を残して、そのまま使う方がいいように思えてきたからだ。

ということで、現在は、この新しい家の土間は、
玄関的な軽作業スペースになりそうである。


2 慣れない者には難しかった土間

土間には、上り口の縁台がつく。1階の床高よりも10cm低い。
そのため、家の基本構造とは別のつくり方を考えていた。

だが、これは、失敗だった。
基礎の段階から同時進行すべきであったし、
設計の中でもっと、詳細に考えておくべきであった。
とってつけたような構造になってしまったし、
何よりも気に入らなかったのが、
1階の床高との10cmの段差を厚い敷居材で解消すべきであったのに、
敷居の前に薄板を打ち付けて、誤魔化したところだ。

後で考えてみれば、この外とのつなぎの空間というのは味がある分
設計や施工は、慣れていないとなかなか難しい部分であったようだ。


3 厚床板は、太い角材にのせるべし

基礎は建築ブロックW120を単独的に据えた。
その上へ スギ120×120の大引きをアンカーボルト3/8×240で固定。
スギの根太44×36を打ちつけて、床材のヒノキ厚板厚さ38mmを張った。
床板を短く切って張れば、大引きの上に載せられたのだが、
長手方向に張る方が、土間縁としても、キレイなので、
大引きの上に根太を載せてから床板を張った。

厚い床板を細い根太へうまく止め付けられるか心配したが
やはり、少し難しかった。
というのは、床板が入荷してから、半年以上経っているので、
乾燥して反りが出ている。
反りを釘で押さえ込むには、細い根太では負けてしまう。
根太の下へ 飼木を当てて注意深く釘を打って、なんとか収めることができた。
やはり、厚床板を張るには、細い根太ではなく、太い材を使うべきであった。


基礎ブロック


土間モルタル



大引


根太


4 上り框には、気をつかう

大工の腕は、破風板の合せ目や玄関上り框の合せ目を見ればわかる
と言われているので
この土間の上り框には、とても気を使った。

家へ上る時に、一番最初に見るのがこの上り框だから、
上等の材を使わねばと思うのだが、特別には注文していないので、
基礎材のヒノキ材の余った中から、見栄えの良いのを選りだして、
節のないキレイな面を前に向ける。
カンナも刃をピンピンに研いでから、仕上げをかける。

最も、気を使ったのは、入隅の合せ目。
45°の留めの突き付けにしたが、
上面の45°の合せ目と正面の合せ目の直線にすき間があかないようにする。
この両方を合わせるのが、難しい。
材が少し傾けば、どちらかの合せ目が切れてしまう。
何度もカンナをかけてすり合わせた。なんとか収まったと思う。

家の造りが美しいかどうかは、
一つはこの合せ目のすき間がどうかにかかっている。
見え掛かりを美しく仕上る。
ただし逆の見方をすれば、見え掛りさえ美しくあれば良いとも言える。

この框などは、上面と正面は気にするが、
下面と裏面は見えないのだから すき間があいても良いのだ。
すき間がないに超したことはないが、構造材ではないので気にしなくても良い。

だが、家具や手にとって眺める小さな木工品はそうはいかない。
あらゆる角度から見られるので、
またどの材も構造材であり、化粧材でもあるので
見え掛かりだけを気にするというわけにはいかず、
どこも気を抜くところはないところが、なかなか厳しいと言える。

框を大引きへ取り付けるには、釘ではなくコーススレッドを用いた。
しっかりした組手をしなかったので、釘では不安だったからだ。
このコーススレッドは、最近ではよく使われている。
木ネジをドライバーで締めるのは、手の力もいるし、
時間もかかるので、ドライバードリルを購入した。
これなら、易々と木ネジが締められる。
しかし、木ネジは少し強く締めるとすぐに、十字のネジ頭がつぶれてしまう。
その後コーススレッドという木ネジがあることを知った。
これなら、締めやすく、頭もつぶれない。

コーススレッドという(coarse thread)というのは、
目の粗いねじ山ということで、
木ネジよりもネジ山の目が粗いので、材木へネジ込み易いらしい。
ネジは、強い引き抜き抵抗力があるが、
この締めつけとは、逆に反対へまわせば、
ゆるめることが出来るというのが、また、とても便利だ。
管理的にとりはずしをしたいところは、釘ではなく、ネジを使う。
釘だと引き抜く時に材木を痛めてしまうからだ。


上り框


床板


5 通風口は、カモメと波

上り框の下には、通風口がつく。
金網を張るには難しい構造なので、板に窓を明けてから金網を当てる方法にした。
板をくりぬくのなら、何かおもしろい模様はないかと考えたのが、カモメだった。
この上り框の横の壁下にも通風口がつく。
ここは、それならと、波模様にした。

家作りも、この段階に来て、少しは余裕と遊び心が出てきた。

この辺りでは、あまりカモメは見かけない。
どこにでもいると思っていたが、
セグロカモメを1年に何度か1羽2羽とみかけるぐらいだ。
島であっても、海鳥はあまり見かけない。

逆に、陸の鳥は多い。
ちょうどこの作業をしていたのは、6月でホトトギスがよく鳴いていた。
5月連休明けのみかんの花が咲き出す頃から、鳴き出して、
この頃には、メスも鳴きだす。
テッペンカケタカのオスの声の後に、甲高くピピピピピピーと鳴くのが、メスだ。
年中ウグイスが鳴くこの辺りは、
托卵鳥のホトトギスにとっては、絶好の繁殖地なのだろう。


通風孔のカモメ模様


通風孔の波模様

6 土間床の舗装

土間の床を舗装する前に、
入口の扉下が舗装の止め部分になるので、自然石を据えることにした。
ちょうど古家を解体した時の基礎の花崗岩を残してあるので使うことにした。
石の仕上げはざっくりとした割り肌なので、もう少し細かい肌にしようと、
先細のタガネで叩いた。
なかなか平面が作れなくて、2個を叩くのに半日以上かかってしまった。
まだ凸凹は残っていたが、これで良いとして、モルタルで固定した。
なかなかのもんだ。

しかし、この石は入口の扉を取り付けた時に、
失敗であったことに気付いて、取りはずすことに。。。。

土間床の舗装は、見栄え良くレンガやタイルの張り物にしようかと思ったが、
目地の間に土が詰まるので、やめて、シンプルなモルタルにした。
砂利を入れたコンクリートの方がしっかりしていそうだが、
人が歩くだけのところなら、基盤さえしっかりしていれば、
2~3センチのモルタルで充分だ。

ただ、玄関も兼ねるので少し明るい雰囲気にしようと、
セメントと砂の他に白セメントと石灰を入れた。
セメント色よりは、少し白っぽく明るい色に仕上がった。
コテ均しは、うまくいかずに、表面がザラついてしまったが、
予想通りの出来だった。
しかし、これも良くなかった。
靴の裏に付いた泥を持ち込むと、良く目立つのだ。
白い土間がいつも土だらけ。
入口に、靴拭きマットを置くことで、いくらかは解消されたが。

こういうところは、むしろ、黒っぽく仕上げるほうが良かったようだ。



留め石の加工


玄関入口の留め石



 作業期間  2007年6月上旬~中旬
 所要日数  10日


 付記:妻・ひろ

夫は、農家における、土間の重要性について、
大三島移住前から力説していました。

しかし、『一人で建てる木組みの家』の土間は、
土間には、狭くて使いづらいことが分かり、
かと言って、玄関としては、もったいないくらい広過ぎて、

使い道が楽しみな?つまり中途半端な空間になっています。

夫は、ちょっとしたテーブルを置いて、上がり框に腰掛けて、
”玄関的な軽作業スペース” と 弁解しているが、

さて、そこで、何をするって 


夫曰く ”玄関的な軽作業スペース”です。




『一人で建てる木組みの家』の 家作りの様子の これまでは、こちら です。

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『一人で建てる木組みの家』~25 押入れ

2009年01月09日 | 『一人で建てる木組みの家』
1 収納のこと

ロフト付きの20坪の家というのは、
中年を過ぎた夫婦二人だけが住むには、広いか狭いか?
住んでみて今のところは、
「まあこんなものだろうな」 という感じ。

二人とも、物を買い貯めるタイプの人間ではないが、
夫婦を30年もやっていると、何かと物が多いので、
収納だけは、沢山あればいいと思っていた。

ロフトは、収納場所だった。
何でも、二階へ放り上げておけば良い。
階段も、下が収納場所になるように、箱階段にした。

寝室は、昼間はオープンな部屋として使えるように
布団の生活を続けてきている。
そのため、押入れを必要とする。
押入れ幅は、1間半あるので、布団入れを半分にして、
残り半分は、押入れダンスとする。





寝室の1間半の押入れの壁下地作業中


2 壁のこと

押入れの構造というのは、いたって簡単で
上下を仕切る棚板と壁と建具である。

建具の引戸は、後で作るとして、壁を張ろうとして考えた。
どうせ、いつもは見えない部分なら、安価に仕上げよう。
杉板も残りが少なくなってきたので、建具の方にまわすことにして、
石こうボードに、クロスを張ることにした。

石こうボードは、12mmの厚い方を使用した。
クロスは、段取りが悪く、一番最後に張ることになった。
小棚等をつけてからなので、壁が小分割されて、張る作業に手間取る。
クロスは糊付きのビニールクロスというのが環境と健康によろしくないので、
糊を別買いして、コットンクロスを使った。

石こうボードにクロス張りをするのは、この押入れと階段下の収納。
クロスの模様は、押入れを無地、階段下を樹模様にした。



押入れの石こうボード張り


押入れ 仕切り中棚作成中


3 青竹のこと

押入れダンスのハンガーをかける棒は、竹を使うことにした。
ステンレスやアルミの棒よりも味があるだろうし、
何よりも、手に入り易いからだ。


 大三島に来て、早々に
  近所の人に、竹を伐っても良い場所を、教えてもらった。

「洗濯の物干し竿がいるじゃろう」
と、Y長老が、自分の土地の竹林の伐採許可をだしてくれた。
これは、真竹

「キウリの支柱を立てるんなら、裏山の竹がいいよ。
 誰が、伐ってもいいんよ」
と、Kちゃん。
これは、細い女竹

去年借り受けた、ハルミの畑では、
今年沢山のタケノコが掘れた。
これは、孟宗竹


竹は、種類によって性格が違うので、
用途によって、使い分けている。


 真竹は、
 材がしっかりしているから、何にでも使える。
 物干し竿、押入れに使ったハンガーかけ。
 菜園の支柱。
 クラフトでは、箸、尺八など。

 女竹は、太さが均一で、節間が長いので、太い目のを選んで、
 好きな竹笛を作る。
 菜園の支柱やカーテン・のれんかけの棒に。

 孟宗竹は、太い筒を生かして、花筒や筆立てにするが、
 何よりも、みかん畑を荒らすので、タケノコのうちに
 掘り取って、食べるのが一番。

 真竹も梅雨前に出るタケノコがとても旨い。


ハンガーかけの真竹は、伐ってきたら、
ガス火であぶって、油を滲み出させて、ボロ布で拭くと
表面の汚れが取れ、キレイなツヤが出る。
乾かせば、固く強度も出るだろうが、そのまま押入れに組み入れた。



中仕切り棚も完成して、青竹ハンガー掛けも取り付け完了


ベージュ系の、コットンクロスを張っているところ。
(左下隅が、別買いの糊)




1間半の押入れの上段 半分は布団 半分は洋服掛けに使っている



 作業期間   2007年 5月下旬
 所要日数   7日


付記:妻・ひろより

収納技術や片付けについて、何の計画もアイデアもない妻ですが、
狭い1間半の押入れの世界には、ポリシー? があります。

いや、単に、やたらと、
沢山の棚やら棒やらフックを取り付けるように
夫に 言うだけです。

そう言えば、かつて住んだ3軒の家の押入れ総てに
夫は、竹のハンガー掛けや沢山の棚を取り付けてくれましたねぇ~


何も入れるものはないんですが、上置き棚も注文ました。




『一人で建てる木組みの家』の 家作り の様子のこれまでは、こちらです。
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みかんワイン  その後

2009年01月08日 | 無農薬柑橘の加工品

2週間前に、仕込んだ無農薬みかんワイン 

加工室の寒いところに置いてあるためか、
なかなか、発酵がすすまず、
ちょっとやきもきさせてくれました。

 「腐ってないかなぁ~。
   去年のみかんワイン酵母、ちゃんと生きていたやろか」と。

 「大丈夫や、発酵してる音がしてる。
  低温でじっくり発酵するほうが美味しいワインになる」

 夫の言葉を頼りに、
  楽しみに、毎日毎日混ぜていました。

この、2,3日で、
だんだん、ワインになってきた気配がします。

上にみかんカスとガスが混じった層ができてきました。


みかんカスにガスが溜って、厚い層ができている。



上のカスを、液に混ぜ込むと、


ひっやっ~ワインになりつつあります。



下から泡を出して、ブツブツ音を立ててます。
発酵状況、良好です。




静かに丁寧に、みかんワインを混ぜて、
杜氏になった気分です。



左が 混ぜたワイン  右二つが 混ぜる前



「早く、ワインになって、瓶の底に澱が溜まって、
その澱で、次のワインを早く仕込みた~い」

思わず叫ぶと。

「そんな次々とワインを作っても、いっぺんに飲めへんやろ
 ゆっくり間があいて作ったほうがいいんと違うの?」

夫が不思議そうに、尋ねます。


「イヤ、早くに、無農薬みかんの皮をむいて、
 たくさん陳皮を作りたいからね」


実は、ワインを、いっぱい作る気満々の妻です。




2週間前にみかんワインを仕込んだ様子は、 
2008年12月26日のブログをごらんください。




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薪ストーブ で 塩作り 

2009年01月07日 | 加工品
確か、中学校の社会で、習いました。

 瀬戸内海沿岸は全国的にも晴天日数が多く、
  また潮の干満差が激しいことから
  日本でも有数の塩田地帯であり、
  江戸末期には、
  日本の製塩の80~90%を占めるまでになった。

そう言えば、
2006年の16号18号台風の高潮で浸水した後
我が家の畑のあちらこちらに、潮が固まって、
「あっ~、これが、塩田で塩がとれるっていうことか」
と、妙に悲しい 実感をした覚えがありました。


今では、しまなみ海道の島々には、
ほとんど塩田はないけれど、
瀬戸内海が目の前の 大三島の我が家

「海水から、を作って、食べたい」
  と、夫だけは、思っていたそうです。


我が家は、今、薪ストーブを炊いています。
暖房だけでは、もったいないので
何か、薪ストーブの上で炊きたくなります。


塩を作るチャンス到来です。


鉄鍋に海水を入れて、ストーブの上で炊こう。



なにか、嫌な予感が 



そうですよね。鉄は塩に弱くて錆びますね。



塩はできたのですが、とても、食べれません。



今度は、ネットで塩作りの下調べをして、

土鍋で、慎重に再挑戦です。


3リットルの海水を,土鍋に入れて煮詰めます。
海水を煮詰める水位確認の為、印を付けたお箸を用意する




10分の1ほどまで煮詰めた時、白く濁ってくるので、
浮いてきた硫酸カルシウム(にがりの水に溶けない部分)をフィルターで濾す。




じゃりじゃりした硫酸カルシウムを濾した濃い海水を、
さらに煮詰めると、塩の結晶ができはじめて、パシパシと塩が飛び始める。




シャーベット状の塩が出来るまで炊く。




水分が残っているうちに、コーヒーフィルターで、塩を取り出す。
ろ過した水は、にがり(豆腐作りに使う) だそうです。




3リットルの海水から、取れた塩は、約70グラム 




これぞ、天然塩 

このところ、毎日料理に使っています。
辛いだけの、塩化ナトリウムでは、味わえない
深くてコクのある、塩味が出て、美味しいです。







 夫が、また計算し始めました。
  我が家の塩の年間消費量は、5kぐらいか?
  ということは、 
  冬の間にせっせっと、塩を作れば、まかなえるかなぁ~。

   にがりも、集めて、残しておいて、
  「豆腐作ろうや」 とも。。
   
   またもや
   やっかいなことを、いい出しています。 


夫が、貯めているにがり です。



 「あっ~、そうね~、気がむけばねぇ~」

  と生返事の妻です。





薪ストーブで、 花梨飴(かりんあめ)を、作っている様子は こちら です。





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薪ストーブ   トラブル解消  快適です 

2009年01月06日 | 大三島での生活
 夫が組み立てた薪ストーブの初点火は、
    急に寒くなった11月18日でした。


薪ストーブを初点火したのは、11月18日




一人で建てる木組みの家」の煙突から、たなびく煙



初点火後、1週間程してのことです。

快調に、燃え続けていたのですが、
煙突が、完全に詰まってしまい、
まったく、薪が、燃えなくなってしまいました。


煙突のつまりを、点検する夫

 あれこれ調べても、全く原因が見つからず、
   夫は、煙突を全部バラして、再度組立て直すと言い出し、

 きっと、何か、重大な欠陥があるに違いない。
  
  夫の薪ストーブと煙突の施工を、信用できない妻は、
  すぐさま、冬に備え、電気ストーブを購入しました。


覚悟を決めて、煙突をバラし始めた夫が、
はしごの上から大声で妻を呼びました。



「これやった


細かい網の目に、ビッシリと詰まった煤


夏の間に、煙突の中に鳥が巣をかけないように、
煙突に蓋をした、夫考案の、厳重な目の細かいネットに、
煤が、びっしりと、こびりついていたのでした・


無事トラブルも解消し、電気ストーブの出番もなく、



薪ストーブのある生活 
想像以上に快適です。暖かいです。

 土壁の古家と比べて、
 『一人で建てる木組みの家』の方が、朝の気温が、5℃程高いようです。

朝 起きた時も、夕方みかん畑から帰った時も
家全体が、いつも暖かで温もっています。



暖房以外にも、いろいろ楽しめます。

赤い炎が燃えるのを眺めていたり、

焼芋をしたり 


ご近所からもらった 陶器製の焼芋鍋

ハーブを煮出して、部屋に香りをたち込めたり 


ローズマリー レモングラス セージ ラベンダー など
ハーブエキスを煮出したお湯をお風呂に入れて、ハーブ風呂に 


豆を炒ったり、炊いたり、


焙烙でを炒り、酢豆にする。


しかししかし
薪の消費量 想像以上に、使います。


まだ、本格的な寒さは来ていないのに、
もうかなりの薪を燃やしてしまいました。


今冬の為に用意した薪は、
「一人で建てる木組みの家」で、残った建材の端材がほとんどを占める。



本格的な寒さは、これからなのに。。残っている薪はこれだけ


今後の薪の算段を心配した夫が、
吹き抜け天井に続く 小屋裏部屋を、
「カーテンで仕切ろう」 と 提案しました。



小屋裏に暖かい空気が逃げないように、をカーテンで仕切る。


1階リビングから、カーテンで仕切られた小屋裏を見る



「これで、かなり、薪が節約できる。
僕の薪を集める苦労や割る労力が助かる」
  と、満悦、ちょっと安心の夫です。




薪ストーブの組立ての様子は、こちらをごらんください。

薪ストーブの煙突の組立ての様子は、こちらをごらんください。



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