1 作業前の準備
1)仕上り線を柱に打つ
仕上がりの位置を示す線をケビキで打とうとするが、
小回りがきかぬので、
釘と木片で小さなケビキを作った。
3種類程作って、重宝した。
この仕上り線と柱の角との幅寸法を "ちり" と呼ぶ。
このちり幅については、設計当初は、それ程気にしていなかったが、
入隅の仕上りを見た時に、その寸法の大事さがわかった。
ちり幅3㎜では、入隅に3㎜と3㎜のイジイジとした線が見える。
幅が狭いので、シャープさがない。
10㎜以上あれば、左官技術がまずくても、入隅はビシッと 決まっただろう。
2)養生で決まる美しい壁
マスキングテープは、丁寧にしっかりと貼ること。
左官技術が拙い場合は、特にそうである。
柱へはみ出た壁材は汚れとして跡がつく。
特にモルタルはアクが強いのか 木材と反応して黒っぽいしみとなる。
柱や桁、梁へは、幅30㎜のマスキングテープを使い、
床側は、養生フィルム〈幅50cm程〉のついたマスキングテープを使った。
これは、とても便利だった。
しかし、フィルムが少し薄かったのか、破れた箇所がいくらか出た。
またこのマスキングテープは 粘着力の強さの度合いが難しい。
粘着力が弱いとにじみが入るし、
逆に強すぎると、はがす時に 木がささくれる時がある。
長くおきすぎると こうなるようだ。
そしてまた、マスキングテープをはがすのは、
壁材が生乾きの時が 良いらしい。
確かに生乾きの時なら、
はがした時にイジイジになったところは、コテで軽くなでれば、キレイに収まる。
乾いてから、マスキングテープをはがそうとしたら、
壁材が少しテープの上へかぶっていたところは、
テープをはがすのに、大変難儀した。
なかなかやっかいなマスキングテープだが、
使い慣れれば、壁はキレイに仕上がる。
3)骨材寸法は、仕上りに大きく影響
セメントモルタルや石灰モルタルに混ぜ込む細骨材の砂の粒径は、
小さい程作業性は良い。
家にあった園芸用のふるいは、目が5㎜と1㎜だった。
5㎜は粗すぎるし、1㎜は細かすぎた。
この中間ぐらいはないかと探したら、
床板の防虫網に使ったステンレス金網が残っていた。
3㎜目だ。ふるい枠に針金で固定して使う。
塗り代に応じた粒径の砂を使う。
塗り代が3㎜なのに、最大粒径が5㎜の砂を使うと、3㎜には塗れない。
せいぜい細かい砂を使っているつもりでも、時々大粒の砂がコテにひっかかって、
せっかくキレイに塗れた壁へひっかき傷を作ってくれることがある。
これは下の面に凸凹があるからだ。
粒径の倍以上程の塗り厚がよさそうだ。
4)左官道具
左官に必要な道具は、プロなら色々と揃えているが、
にわか左官には大した道具はない。
基礎の石積みやブロックを積んだ時に使った物と ほぼ同じだ。
練り舟は、先住人が置いていった木枠付きのブリキ看板を代用。
練り板は、ベニヤ板で自作したもの。
ハケは、洗車用のブラシを代用。
あとは、ホームセンターで買った木ゴテと金ゴテ数種ぐらいだろう。
今回は、壁を真平に塗るには定規棒が必要だったので、杉板で作った。
練り板が壊れたのでしっかりしたものに作り換えた。
この練り板(壁材をのせて運ぶので運び板というのだろうか)は、
長方形の四つの角を大きく面取りしておいた。
塗りたての壁へこの角をよくぶっつけたり、ひっかいたりするからだ。
適当な大きさの長方形に作り、
使う時は当然のごとく広い面を前面にして使っていたが、
ある時、狭い面を前面に使うととても使い易かった。
考えるにコテの長さと辺の長さが同じだからであろう。
「しっくいがうまく塗れない」と、工務店に勤める人に話をすると、
「しっくいは トロトロの状態のをブラスティックのペラペラのコテで
二度塗りしているのを見たことがある」 と教えてくれた。
確かに大工と同じく左官も道具がものを言う。
あり合わせの道具で,立派な仕上りを期待するのは
厚かましいというものか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/50/fbb4d75b60fab89255b7bcd9c568c09b.jpg)
左官道具
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/22/72adad2b3658e4a917beb803b48c4b78.jpg)
古看板の舟でモルタルを練る
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/4e/4816420041c32537fca645f03f435177.jpg)
一輪車でしっくいを練る
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/fuki_yonde.gif)
『一人で建てる木組みの家』の 家作り のこれまでは、
こちらを、ごらんください。
1)仕上り線を柱に打つ
仕上がりの位置を示す線をケビキで打とうとするが、
小回りがきかぬので、
釘と木片で小さなケビキを作った。
3種類程作って、重宝した。
この仕上り線と柱の角との幅寸法を "ちり" と呼ぶ。
このちり幅については、設計当初は、それ程気にしていなかったが、
入隅の仕上りを見た時に、その寸法の大事さがわかった。
ちり幅3㎜では、入隅に3㎜と3㎜のイジイジとした線が見える。
幅が狭いので、シャープさがない。
10㎜以上あれば、左官技術がまずくても、入隅はビシッと 決まっただろう。
2)養生で決まる美しい壁
マスキングテープは、丁寧にしっかりと貼ること。
左官技術が拙い場合は、特にそうである。
柱へはみ出た壁材は汚れとして跡がつく。
特にモルタルはアクが強いのか 木材と反応して黒っぽいしみとなる。
柱や桁、梁へは、幅30㎜のマスキングテープを使い、
床側は、養生フィルム〈幅50cm程〉のついたマスキングテープを使った。
これは、とても便利だった。
しかし、フィルムが少し薄かったのか、破れた箇所がいくらか出た。
またこのマスキングテープは 粘着力の強さの度合いが難しい。
粘着力が弱いとにじみが入るし、
逆に強すぎると、はがす時に 木がささくれる時がある。
長くおきすぎると こうなるようだ。
そしてまた、マスキングテープをはがすのは、
壁材が生乾きの時が 良いらしい。
確かに生乾きの時なら、
はがした時にイジイジになったところは、コテで軽くなでれば、キレイに収まる。
乾いてから、マスキングテープをはがそうとしたら、
壁材が少しテープの上へかぶっていたところは、
テープをはがすのに、大変難儀した。
なかなかやっかいなマスキングテープだが、
使い慣れれば、壁はキレイに仕上がる。
3)骨材寸法は、仕上りに大きく影響
セメントモルタルや石灰モルタルに混ぜ込む細骨材の砂の粒径は、
小さい程作業性は良い。
家にあった園芸用のふるいは、目が5㎜と1㎜だった。
5㎜は粗すぎるし、1㎜は細かすぎた。
この中間ぐらいはないかと探したら、
床板の防虫網に使ったステンレス金網が残っていた。
3㎜目だ。ふるい枠に針金で固定して使う。
塗り代に応じた粒径の砂を使う。
塗り代が3㎜なのに、最大粒径が5㎜の砂を使うと、3㎜には塗れない。
せいぜい細かい砂を使っているつもりでも、時々大粒の砂がコテにひっかかって、
せっかくキレイに塗れた壁へひっかき傷を作ってくれることがある。
これは下の面に凸凹があるからだ。
粒径の倍以上程の塗り厚がよさそうだ。
4)左官道具
左官に必要な道具は、プロなら色々と揃えているが、
にわか左官には大した道具はない。
基礎の石積みやブロックを積んだ時に使った物と ほぼ同じだ。
練り舟は、先住人が置いていった木枠付きのブリキ看板を代用。
練り板は、ベニヤ板で自作したもの。
ハケは、洗車用のブラシを代用。
あとは、ホームセンターで買った木ゴテと金ゴテ数種ぐらいだろう。
今回は、壁を真平に塗るには定規棒が必要だったので、杉板で作った。
練り板が壊れたのでしっかりしたものに作り換えた。
この練り板(壁材をのせて運ぶので運び板というのだろうか)は、
長方形の四つの角を大きく面取りしておいた。
塗りたての壁へこの角をよくぶっつけたり、ひっかいたりするからだ。
適当な大きさの長方形に作り、
使う時は当然のごとく広い面を前面にして使っていたが、
ある時、狭い面を前面に使うととても使い易かった。
考えるにコテの長さと辺の長さが同じだからであろう。
「しっくいがうまく塗れない」と、工務店に勤める人に話をすると、
「しっくいは トロトロの状態のをブラスティックのペラペラのコテで
二度塗りしているのを見たことがある」 と教えてくれた。
確かに大工と同じく左官も道具がものを言う。
あり合わせの道具で,立派な仕上りを期待するのは
厚かましいというものか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/50/fbb4d75b60fab89255b7bcd9c568c09b.jpg)
左官道具
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/22/72adad2b3658e4a917beb803b48c4b78.jpg)
古看板の舟でモルタルを練る
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/4e/4816420041c32537fca645f03f435177.jpg)
一輪車でしっくいを練る
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/fuki_yonde.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/house_red.gif)
こちらを、ごらんください。