七曜工房みかん島

18年間の大三島暮らしに区切りをつけ、
滋賀大津湖西で、新たに木のクラフトと笛の工房
七曜工房を楽しみます

いよいよ、温州みかんの収穫開始!

2006年11月30日 | 無農薬みかん栽培
温州みかんの収穫をやっと開始した。
我家のみかんは、早生、中生、晩生とある。
毎年、他の畑より、遅くまで樹に残しているので、
「まだ、みかん、ちぎらんのかね」と心配してくれる人もいる。
私も、他の畑のみかんがどんどん無くなっていくので、
カラスやヒヨドリ、そしていのししに狙われそうで心配でたまらなかった。

先ずは、みかんキャリー(みかんの収穫カゴ)洗いから始まる。


あっ、やっぱりいのししに食べられている。
垂れ下がっているおいしそうな実を食べられていた。
今年は裏作で、貴重なみかんなのに~。
しかし、樹まで折られてなくて、よかった。
いのししは、高いところのみかんを取る時、
樹に寄りかかるので、体重で樹を折ることがある。

いのししは、みかんを枝からちぎり、皮を剥いて食べる。


「さあ~!みかんちぎり、開始」 今日はどれ位摘めるだろう。
ぽかぽかと暖かくて、とても気持ちがいい。
時々、お味見するみかんが、とてもおいしい。
「みかんが食べれるから、やっぱり、みかん摘みは楽しいねえ~」
と夫に声をかける。

収穫したてのみかんは、実も皮も瑞々しく、とても張りがある。
だから落とすと実が割れるので、落とさないように注意する。
スーパーなどに並んでいる、水分が蒸散して、
皮がしんなりと柔らくなっているみかんとは、全然違う。
一般的に市場に出るみかんは、選果機にかけてごろごろ転がすので、
各農家では収穫後しばらく置いて、みかんを柔らかくして、
実が割れないようにする必要がある。
「あんなに、みかんをごろごろ転がしたら、どんどんまずくなるんやけどなあ」
と心配する人もいる。



始めのうちは、沢山実があるので、どんどんはかどるけれど、
だんだん、高い場所や、とりにくい場所になってくると、ペースが落ちてくる。

樹に登って取るのは、なかなかはかどらない。


「案外、採れるかもしれない。数えた時より、少し実が大きくなってるぞ」
夫が、嬉しそうに、少し安心したように言う。

みかんの宅配で、心配なのは、注文量をちゃんとこなせるかである。
もちろん、まずは注文が、どれ位来るかではあるけれど・・・・
みかんが樹に成っている状態で、みかん箱に幾つ採れるかの計算はとても難しい。
計算の得意な?夫は毎年、実が少し色付くと、
「みかんの数をかぞえよう」と、私を誘う。

「えっ、そんなん、無理やわ」と叫ぶ。
まるで、海岸の石ころを数えるような話である。
しかし、1~2日かけて、なんとか二人で数えると、大体の目処がつくそうだ。
私は、いつものように、いい加減に数えるので、全く自信がないけれど

これから、12月末の晩生みかん収穫まで、
夫の計算が果たしてうまくいくだろうか。
カラス、ヒヨドリ、いのししの被害、
汚いみかんや小さいみかんをハネたら、
どれ位のみかんが出荷できるかである。

一つ一つ手にとって、
汚ない、小さい、未熟、傷がある、大きすぎる、などのみかんをハネる。
そしておいしいそうなみかんだけを選ぶ。
とても時間のかかる、なかなか辛い作業である。
いったい、この季節、幾つのみかんを、手に持って確かめることだろう。



我家のみかんのブランドは、
こまめな草刈りや剪定で,太陽を充分に浴びさせて、風通しよくし,
除草剤も使わず、有機質肥料で健康に育てた、
農薬も、防腐剤もかけていない、皮まで使えるスッピン顔のみかんである。

七曜工房の8月のみかん畑の草刈り様子は、こちらをごらんください。


だから、私は、みかんの皮の使い道を、いろいろ工夫する。
温州みかんの皮を干してミキサーで砕いて作った陳皮は、
きれいな色で、とてもいい香りがして、大ヒットになった。
実際に作ってみて、ちょっとした感動モノだった。



 ミカン畑にあるレモンの木5本
今年は、ようやく、実が沢山なった。
もちろん、無農薬 


レモンの花が一つあった。
白い蕾を紅茶に入れると、ピンク色になり花がふわぁ~と開き、レモンの香りが漂う。
今まで、もったいなくてできなったけれど、
春、蕾が一杯ついたら、試してみよう。絶品のレモンの花茶である








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一人で建てる木組みの家~⑦刻み

2006年11月23日 | 『一人で建てる木組みの家』
1 刻みは地道な裏仕事
 材木の組手や継手の加工を行うことを刻みと言う。材木を少しずつ切ったり削ったりして刻んでいき、思う形態を作り上げる。刻みとはよく言ったものである。
 昨秋10月から始めて、刻みを終えたのが、今春3月末だった。間にみかんの収穫や発送作業が入ったので、半年程かかっているが、正味刻みにかけた日数は3ヶ月程だ。それでも、コツコツと大変な時間がかかった。屋外に積み上げてた材木を家の横の差し掛け屋根の下へ運び込んで加工し、加工が済めばまた屋外へ運び出して積んでいく。運搬距離だけでも相当な長さだ。骨組材だけでも、150本はあり、小さな材を加えるとゆうに200本は越える。1日に1~2本程しか刻めない時もある。始めの内はなかなか思うように進まず、いつになればこの作業が終わるのか気が急いた。また、この刻み方で果たしてきちんと木が組めるのであろうか不安も出てきた。それでも建前を夢を見ながら、半ばを過ぎれば少しは気が楽になった。終盤になれば要領も得て早く進むようになった。
 建前は1週間もすれば、目の前に忽然と大きな建物が現れるから、とても早く家が建ったと人は感心してくれるが、この刻みの期間は計算に入っていない。刻みは地道な裏仕事である。同時に最も大切な仕事でもある。

刻みが完了した柱


土台の継手調整


2 枘と枘穴
 材木をT字に組む場合、枘と枘穴で組む。土台と柱の長柄や梁や桁と柱の重ね枘がそうだ。この時、枘の寸法をどうするのかに大変迷った。枘と枘穴は同じ大きさに作ったのでは入らない。小さな材なら、同じ大きさに作っておいて、木殺しと言って枘の方を玄能で叩き締めればやせて入れられるし、木が元にもどれば、枘穴に密着して抜けなくなるという効果もある。しかし家のような大きな材では、これはあてはまらない。材がいくらか反ったり、ねじれているため枘がピッタリ枘穴位置に来るとも限らない。
 近頃の金具偏重の建前では、入り易いゆるい枘が歓迎されると聞く。反対に昔の建前では、カケヤで思い切り叩き込んでようやく入るぐらいの固さの枘だったと言う。本を見ても枘の寸法加減ははっきりとは書いていない。コキホゾと言って枘先を思いっきり細くして入り易くしたのをみたことがある。また墨線の太さだけ(0.5mmぐらいか)枘先を細くすると書いたものもある。しかし枘長によってその加減は変わってくる筈だ。結局12cmの長柄は幅で2mmずつ細くした。
 建前時には、カケヤで叩き込む時、少しずつ少しずつ締まりながら入って行く時の手の感触がとても快感だった。ゆるすぎず、きつすぎず、うまくいったのではないだろうか。

棟束の加工 小さい材ほど加工が難しい


3 角ノミ盤はとても重宝
 職業訓練校では、ノミと玄能で枘穴をあける練習をよくした。何回やっても表から彫った穴と裏から彫った穴がうまく合致せず、いつも食い違っていた。慣れてくればスピードだけは早くなった。
 だが本番ではノミと玄能ではなく、角ノミ盤を使おうと最初から思っていた。早くてきれいな穴が正確にあけられるなら数万円の機械代は充分にモトがとれると思った。その通りだった。早くできるのに加えて正確な枘穴あけられるというのは、強度に影響することだから、初心者には都合が良い。また手ノミでは彫りづらい込み栓穴のような細い穴も簡単にあけられるし、少し複雑な鎌形の穴もキリ先を少し回転させればうまく開けられる。刻みについては、角ノミ盤を使うことで、かなり工期が短縮できた。
 角ノミ盤を使っていて一つ困ったことがあった。同一平面にいくつかの枘穴をあける時に、角ノミ盤を次の位置へスライドして移動させるのだが、その時に木くずがローラーの下に入り込んで材の表面を傷つける。傷つかぬように木くずを吹き飛ばすのだだが、どうしても飛ばしきれないで、傷をつけてしまう。刻みももう少しで終わるという時に、解決法を見つけた。角ノミ盤を片側だけ少し持ち上げてスライドさせればよかったのだ。たったこれだけのことが思い付かなかった。当然取扱説明書にも本にも書いていないことだ。いつも使っているプロの大工に尋ねれば、すぐに答えてくれていたかもしれぬような些細なことだが、物作りにはこの些細なことを知っているか知らぬかで大きな差が出てくる。こんなところがプロとアマの違いだろうか。

角ノミ盤


4 丸ノコには要注意
 大きな家を作る大工と小さな家具を作る家具職人とを比べてみてどちらが大きな機械を使うと言えば、以外にも家具職人の方なのである。大きなモノを作るのに、大きな機械がいるのかと思うがそうではない。大きな材木をを加工するには、材木を置いて機械を動かすのである。小さな材木を加工するには、大きな機械の上で,材木を動かすのがうまくいくのである。
 大工は、肩にかつげるほどの道具箱一つで大きな家や塔を建てる。家具職人は、工房一杯の大きな機械に囲まれて色々の小物や家具を作る。
 材木を切断するにはノコギリを使う。家具作りでは昇降盤という丸ノコ盤を使って正確に挽き切る。大工は手ノコと手もちの丸ノコを使う。手ノコに比べて丸ノコは数倍のスピードとパワーがある。これも刻みの工期短縮の立役者である。
 しかしこの丸ノコはスピードとパワーがあるだけ、それだけ取扱いには注意が必要である。大工の機械道具で最も事故の多いのがこの丸ノコらしい。材木を切っている時、角度が曲がったりするとキックバックと言って、丸ノコがガンとはね返されるときがある。この時丸ノコをしっかり押さえておかないと怪我をすることになる。
 丸ノコだけは、長年使っていても慣れることがない。いつも真剣勝負の気持ちで立ち向かう。うまく使えば、これ程重宝するノコギリはない。まさに丸刃の剣?諸刃の剣である。

丸ノコ


5 カンナは名通訳?
 家を建てるに際して、新しく購入した道具がある。電動工具では枘穴をあける角ノミ盤と、敷居や鴨居の溝を彫るミゾキリ機であり、手工具では大工用の叩きノミである。
 ノミについては、こちらへ越してくる前に、大阪の道具屋筋であちこちの店を見て廻ったが、気に入ったものがなかった。こちらに来てからはインターネットで良さそうなのがあったのでようやく手に入れることができた。これが大変なスグレモノだった。小物作りに使っている薄刃の細工用の追入れノミより2~3倍も大きくて重いのに軽々とよく切れるのである。また使い続けてもなかなか切れやまないのである。追入れノミはいつも研いでいたのに、この叩きノミはめったに研がなくてもよい。
 大工の醍醐味は、刃ものがよく切れることに尽きる。サクサクスルスルと木が切れるととても仕事が楽しく疲れることがない。
 材木はほとんどが表面を仕上たものを購入したが、それでも仕上げには、カンナをかけた。切れ味はノミよりカンナの方がよく解る。ノミは玄能で叩くが、カンナは手で引くため、力の入れ加減や木材の表面の凸凹を手や腕や体全体で感じ取ることができる。ヒノキは軽快にスギは少し重めに感じる。同じ材種でも節があればゴツゴツと引っかかるし、柾目なら気持ちよく引き切れる。節のところは逆目立ってうまく仕上がらないが、刃を研ぎなおし、刃の出を最小限にし、裏刃も刃先に再接近させて、サッとカンナをかける。節も含めてツルツルに仕上がった時のなんと気持ちの良いこと。何度も指先で撫でてしまう。
 機械ではこうはならない。とりあえずそれなりの仕上がりになるだけだ。機械を通したのでは木のクセは感じとれない。木の持つ性質やクセを読み取れるのは手工具を通してである。ノミやカンナは木の言葉を伝える名通訳と言えそうだ。

カンナと叩きノミ


付記 妻・ひろより
 夫は、これらの道具で、きれいに削れ、スベスベになった材木を、
 手でなぜ、ほほを摺り寄せて、
 「ホラ、これ触ってみ、気持ちいいで」
 と私にも、触るように勧めてくれる。
 夫があまり気持ち良さそうな顔をしているので、
 「そうかな」と一緒に触ってみる。
 しかし、ヒノキ、スギと材が変わるごとに、
 毎回毎回違いを説明して、進めてくれる。、
 「本当、スベスベできもちいいなああ~~」 とは言うけれど。
 「変ってるぅ~、まあ、これ位木が好きやから、木工や家を建てたいと思うのやな」 
 とちょっと、あきれている。
 私には、材の違いによる、肌触りなんぞ、あまり解らない。
 それに勧めてもらっても、それ程嬉しくもないけれど。


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温州みかんは裏作!!

2006年11月20日 | 無農薬みかん栽培
ずーっと、気にしていたけれど、
やっぱり、温州みかんは、さっぱり実をつけていなかった。
予想収穫量は、去年の3分の1ぐらいかもしれない。
実が青い時には、「少ないなあ~」 と思いながらも、
「まだ緑だから目立たないのかな」 と期待し、
黄色く色付くと、何故か沢山に見えたけれど、
いざ数えてみると、やっぱり、表年の去年の半分以下の収穫量である。
最も、温州みかんは、
豊作と不作を交互に繰り返す隔年結果の性質があるらしいが。

畑の半分以上の樹には、実をつけていない。



「あんたとこ、いつまでも,実を沢山成らしとるから、木が弱るんョ」
と忠告してくれる人もいる。
「いや、完熟を待つ期間ぐらい、大したことない」と、夫は主張する。
しかし、「なぜだろう、去年の剪定のし過ぎかな」
と密かに反省している様子である。
そういえば、去年、どこのみかん畑より、すっきりと、剪定し
「これで、このみかんの樹は、絶対よくなる」と得意気であった。
確かに、樹は元気になったけれど、実を全く付けてくれなかった。
長期的展望を期待して、”今年の裏作は、あきらめるしかない”  

9月の温州みかん畑の摘果作業の様子はこちらです。

我家の温州みかんは、早生、中生、晩生と3種類ある。
早生や中生はもう充分、甘くなって、カラスやヒヨドリに食べられ始めている。
他のみかん畑のみかんはどんどん収穫が始まっている。
私は気が気ではなく、「はよ、採ってしまおう」とすすめるが、
夫は、「もう少し待とう」となかなかGOサインを出してくれない。
甘みはのってはいるけれど、色が来ていないというのである。

 カラスやヒヨドリに食べられるのが悔しく、もったいないので、
汚いみかんや小さすぎるみかんだけをちぎって、
温州みかんママレードを作ることにした。
去年なら、私が、もったいながって、みかんキャリー(収穫カゴ)に入れると、
「汚いみかんは入れるな。運ぶのも重いし、選別する手間が大変なんやから」
と,その場で、夫に容赦なく捨てられていたみかんである。

収穫したてのみかんは、酸味が強く、とてもおいしいママレードが出来上がる。
実も皮もはりがあり、水分たっぷりで、皮がうまく剥けず、ぼろぼろになることもある。
我家のみかんは、農薬も防腐剤もかけていないので、
皮も刻んで入れて、オリジナルの”温州みかんママレード”にする。

みかんの実とみかんの皮の割合は10:1位
皮は、やっぱり、きれいなところだけを選ぶ。


みかんと砂糖とレモン汁だけ。みかんの持つペクチンの働きでとろみが出てくる。
レモンも我家の僅かにできる無農薬レモンを使う。
みかんの糖度を約10%と考えて、
砂糖はみかんの量の50%と、かなり甘さ控え目にする。
ヘルシーに、好みで、もっともっと砂糖を控えてもいいけれど、
ペクチンが働かないのか、ちょっと、フルーツソースぽっくなってしまう・


みかんの皮の、爽やかな香りと風味、そしてほんのりとした苦味を楽しめる、
甘さ控えめの、大人の味の ”みかんママレード” である。

我家では、パンに塗るだけでなく、カスピ海ヨーグルトに混ぜて食べる。
脱気殺菌をした瓶詰めは、「道の駅で売ろう」っと。
”農薬も防腐剤かけずに育てたみかんで作ったママレード。
実以上に栄養たっぷりの皮もはいっています。”
が、七曜工房ならではのキャッチフレーズである。





ついでに、皮のもっと汚いみかんで、みかんワインも作ってしまおう。
ミカンワインがなくなり、ちょっと、不便?していたから。

汚い外観でも、皮を剥くと、全然、中の実はきれいで、とてもおいしい 



あっ、買い置きの”ワインイースト”がない。
うっかり、去年作ったみかんワインの酵母も捨ててしまった。
又、ネットショッピングで探して買わないと。
残念だが、今回は、パン用のイースト菌で我慢我慢。
料理用みかんワインにすることにしよう。
鳥肉や豚肉の料理にこのみかんワインを使うと、
とても風味よく、ジューシーに仕上がる。
もしかしたら、飲むかもしれないけれど。

みかんをジュースにして、砂糖とイーストを入れて、みかんワインの仕込み完了 


割合調合は ”作るだけの人の夫”だが、
これから発酵してくる見張り番は、”飲む人の妻” である。


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島での木工初注文は?

2006年11月14日 | 木工
大三島には、達筆の人が多いような気がする。書道の盛んな島だそうだ。
あちこちに、書を書く人がいるし、
玄関や床の間に気に入った言葉の書額を飾っている家も多い。
そういえば、村上三島(むらかみさんとう)記念館という、
日本有数の規模を誇る書の殿堂がある。
文化勲章を受章した村上三島という書の大家の出身地が大三島だそうだ。
無学な私は、”むらかみみしま”と読み、大三島の公共施設かと思っていた。
書をたしなむ友人が、「村上三島氏の記念館を訪ねたい」と言うので、
初めて”さんとう”と読むのだと知った。

夫が、木工をするというので、引越ししてまもなく、
近所の人が、書額を注文してくれた。
息子さんの新築祝いに、書を書いてもらったから、
”書にあう大きい書額を作って欲しい”という希望である。
「落ち着いた色の縁がいいかいのう」
「ついでに、額装は、ホラッ、風呂敷みたいな柄があるじゃろ」
「まあっ、なんでも、あんたのいいように作ってくれりゃあいいよん」
と気楽に希望をおしゃった。 
しかし、夫は、はがきサイズや大きな賞状額ぐらいの洋額は作るが、
1メートルもある書額なぞ作ったことがないし、
そもそも書額自体を見たことがない。
見本の材を見てもらい、
「息子さんの家なら、洋風の方がいいかも」
「そんな風呂敷みたいな唐草模様はおかしいでっせ」
とあれこれ相談の結果?
気の良い、優しい人なので、
「うんうん、あんたにまかせる。あんばいよう作ってくれりゃあ」と。
材はナラ材、額装はこちらで適当に渋い色の無地を選ぶことになった。
しかし、初めての書額作りなので、インターネットで検索してみたり、
村上三島記念館を覗いたりした。
そして、「ああ~~風呂敷みたいな柄の額装って、こんな柄やんか」
「よう、唐草模様はおかしいなんてアドバイスしたな」
と、夫の無学ぶりに呆れてしまい、つくづく無知とは強いものだと感心した。
そして、怒りもしないで、納得してくれた、気の良い注文主に、感謝した。
おまけに、「もう一枚自分用に書を書いてもらったから」と、
同じ書額をもう一枚追加注文してくださいました。
本当に、額装は、”風呂敷模様”でなくても、気に入ってもらえたのだろうか

夫が初めて作った大きな書額(今日、写してきました)
ナラ材 オイルフィニッシュ仕上げ


もうひとつも、夫にとっては未知&未経験の”灯明”でした。

壊れてしまった灯明を、修繕復元して欲しいという、
天理教教会の方からのご依頼です。
ぼんぼりの骨が風で倒れてボキボキに折れたらしいのです。
祭典の時には、必要なものだそうです。
「器用じゃからできるじゃろ」とおしゃるのですが。
灯明の台座と台柱はそのまま使い、ぼんぼり部分だけ新たに作り、
電球までつけてほしいという希望です。
島外には神具専門店もあるが、もし作れるなら、
「島に住む夫に頼みたい」という、ご好意からのようです。
丁度良さそうな桜材もあり、
「建具作りの手法を使えるかも」と興味をそそられた夫は、
「とりあえず、できるかもしれないし、やってみましょう」

見本の灯明 

左:手で持っているのが、チューリップ風デザインにした七曜工房作の灯明

夫は,風で倒れても壊れないように頑丈な仕組みにするのに、
試作品をいくつか作り、かなり苦心したらしいが、
「灯明を修繕したいという長年の思いが叶えられました」
と、奥さんに喜んでもらえてよかった。

 七曜工房の額 いろいろ

ナラ材 オイルフィニッシュ仕上げ ハガキ額
 夫は、滋賀では毎年、年賀状を版画で彫っていた。
 それを飾りたくて作った額
 縦にも横にも、壁掛け式にも、スタンド式にもできるのが、ミソ。
 滋賀の友人Sさんに戴いた みかんの絵の絵手紙を入れている。 


ケヤキ材 漆塗り
 ”上等の額を”と、ケヤキ材で漆塗りにしたが、
 中の絵より額の木目が目立ち過ぎかも・・
 夫作の版画の年賀状 湖西の風景を版画にしたもの(マットが包装紙では


ナラ材 オイルフィニッシュ仕上げ
 蝶の好きな夫が20才代に書いた細密画


ナラ材 オイルフィニッシュ仕上げ
 京都嵐山の水彩画 
 夫の公務員時代の友人でプロの画家を目指す人から戴いた絵。
 気に入って、懐かしく、玄関に飾っている。
 この額を見て、友人は展覧会に出す絵の、大きな額を何枚か注文してくれました。
 ただし、さすがアーティスト! 
 マットは、自分で選んでセットしたいとおしゃいました。
 ほっ 


”額”ではないけれど、絵や写真や、ハガキを飾っても・・・

コルクのメモボード ナラ材 オイルフィニッシュ仕上げ
 私は、いつも見れるように、息子達の誕生から成人までの写真を貼っている。


書見台(文庫本版) ナラ材 オイルフィニッシュ仕上げ
 「気に入った詩集のページを開いて飾っておきたい」という、
 若い女の子からの注文で作った、文庫版用の書見台 
 CDや絵葉書、写真を飾っても良さそうである。
 材のちがう、埋込模様のあるページ押えが、ポイント(取り外しできる)




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野鳥観察会~”大三島愛ランド自然倶楽部自然探検隊”

2006年11月05日 | 大三島での生活
「そろそろ、冬鳥が渡ってきたので、野鳥観察会をしませんか」
O君より、いつもの快活な声で電話があった。
O君は、我々よりも早く、大三島に,脱サラしてIターンした新規就農者で、
無農薬有機栽培野菜作りを頑張っている、魅力的な好青年である。
彼は、無農薬で野菜を作ることに熱心なだけでなく、
大三島の自然を愛し、環境を守り、より良くしたいという熱意があり、
実にエネルギッシュに様々な活動をしている。
そして、我々にも、イベント参加などに、時々声をかけてくれる。
大三島は、海も山も里もあり、
 瀬戸内海は渡り鳥のコースにもなっていて、
 「野鳥の宝庫」だそうである。
 大三島では、100種類位の野鳥が見れるらしい。
野鳥観察を楽しみ、野鳥観察データーを、「大三島野鳥マップ」にして、
”大三島の自然の素晴らしさを知り、守っていきましょう”ということらしい。
大三島の野鳥に興味のある夫は、大喜びで、仲間入りをする。

今朝2時間あまりで、見れた野鳥は
水辺の鳥
☆カルガモ、ハシヒロカモ
 カルガモはくちばしの先が黄色で、ハシヒロカモは、くちばしが黒い。
☆ゴイサギ、アオサギ、コサギ、ダイサギ
 サギといえば、白鷺しか知らなかったが、シラサギはいないらしい。
 それぞれ、色、大きさ、少しずつ違う。
 我家の前の堤防にも、アオサギは、よくやってくる。
☆カワセミ、セグロセキレイ
 カワセミは、きれいな瑠璃色で憧れの鳥らしい。
 私は、一瞬水辺から飛び立つのを見れた。
 セグロセキレイは、我家の畑でも、姿を見せるようになった。
 ハクセキレイとの区別が難しい。

カルガモ ゆったりと泳いでいる。カルガモの親子が見れるのは春?


夫がみかんの枝で彫ったアオサギ


里の野鳥
☆セッカ、ホオジロ、ジョウビタキ
 ホオジロもジョウギタキもとても、ひとなつこっくって、我家の軒下にもいつも来る。
 ホオジロとセッカは、似ているので、今度確かめてみよう。


鳥は、種類だけでなく、季節、雌雄、又個体によっても、
羽の色、くちばしの色と微妙に違うので、見分けるのが、実に難しい。
皆で、双眼鏡を覗きながら、「胸の色が、くちばしが、脚が」と、
発見をいろいろ報告しあいながら、識別する。
参加した女の子は、素早く鳥を見つけるのがとても上手だったが、
「鳥を見る(種別の確認)のは、ややこしい」と嘆いてた。
私は、鳥を、双眼鏡で捕らえるだけで、手間取っている。
だから、設置したフィールドスコープで、鳥を見せてもらうと、
きれいな羽毛や可愛い目を真近かに見れ、感動する。
首を縮めて木に止まっていた、ゴイサギは
丸こっくて白いネコのように見えたけれど、
フィールドスコープで見ると、本当にサギだった。

私は、いつもの野鳥観察スタイルで参加した。
双眼鏡、O君編集の野鳥の小冊子、
それに、七曜工房の鳥のブローチにみかん笛。
みかん笛は、参加する子供達が、興味をひき、
「おばちゃん、これなに?」と、すぐ友達になれる。


ブローチ ”トビ” ケヤキ材 漆塗り

みかんの木クラフトシリーズ ”ひよこ笛”

夫は、みかんの木で、大三島の鳥をテーマにしたクラフトをいくつか作った。
パズルで遊んだり、インテリアとして飾ったり、はし置きにできたり・・
飾るだけでなく、何か実用的かつ楽しいものをと、頭をひねった。

みかんの木クラフトシリーズ ”はし置き&パズル・鳥”

(トレイ ナラ材 オイルフィニシュ仕上げ 七曜工房作)

みかんの木クラフトシリーズ ”パズル・みかんの木”
大三島で見られる7種類の鳥を組み合わせると、みかんの木になる。

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『九里 四里 旨い 十三里』 サツマイモ

2006年11月03日 | 野菜畑
今日は、イモ堀りである。
”今年は、雨が少なく、芋が太っていない”という噂だし、
葉っぱも生き生きとしていたので、少し収穫を遅らせていた。
芋ほりは、ツルを引っ張るとどれだけ芋が出てくるかが、楽しみである。
息子達の小さい頃は、幾度か芋ほりに行った思い出がある。

我家の今年のさつまいもの出来は上々、収穫量も色も形も 


鳴門金時の芋ツル57本で、サツマイモ60㎏収穫できた。
収穫後、2日ほど干すと、より甘みが増すと教えてもらった。


早速、掘りたてを”蒸し芋”にして、試食した。
割ると、中身は艶々とした黄金色でホクホク バターと塩でアツアツを食べた。
まさしく、”栗より旨い十三里(サツマイモ)”であった。

みかんの小枝バターナイフを添えて
みかんの木クラフトシリーズの、カトラリーセットの一つである。七曜工房作)

食べ切れなかった蒸し芋は、天日干しにする。
自家製干し芋は、驚くほど、甘くておいしい。
時々農作業の合間につまんでは、生ぽっい、おせんべい風健康おやつを楽しむ。



実は、私は、サツマイモのツル(葉の軸)のキンピラが大好物である。
滋賀では、手に入らず食べれなかった。
貸農園でサツマイモと作っている人はいたけれど、
「ツルちょうだい」と言えば、お芋をくれそうで言い出せず、
サツマイモのツルのキンピラを食べることはできなかった。
大三島でサツマイモを作り、思う存分ツルのキンピラが食べれて、満足。
柔らかい先の方だけ、摘んではすぐ食べるので、とてもおいしい。

「サツマイモのツル、おいしいねえ~~」と話題にすると、驚かれた。
 こっちの方が驚いて
「子供が幼稚園の頃、必ず、芋ほりに行って、
『戦争中は、食料がなくて、ツルまで食べたんですよ』
って、試食するやん」 と説明する。
しかし、年配の人でも、戦争中も芋のツルを食べたことはないそうだ。
大三島は海、山、畑と食料が豊富で、戦争中も食糧難はなかった様子である。
私が料理法を教えてあげると、
『おいしいモンじゃ。癖になるネエ」と、とても気に入ってもらえた。

サツマイモのツルをごま油で炒め、醤油、味醂で適当に味付ける。
好みでトウガラシ、ゴマ、カツオ節をかけても。

みかんの木クラフトシリーズ・はし置き&パズルは、”みかんの輪切り”

滋賀では、部屋に飾る花は、散歩の時摘んだり、買ったりもしていた。
サツマイモは、スーパーに出ると毎年一番に買い、
「もったいないなあ」と思いつつも、半分に切り水に漬けた。
すると、しばらくして芽を出し、お洒落な観葉植物として、長い間緑が楽しめた。
パート先の住宅展示場の和室に飾ると、とても映え、
お客さんから、「あれっ!サツマイモ!」と、反応があるのも、楽しみであった。


花台 ナラ材 オイルフィニッシュ仕上げ 
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