七曜工房みかん島

18年間の大三島暮らしに区切りをつけ、
滋賀大津湖西で、新たに木のクラフトと笛の工房
七曜工房を楽しみます

レモンの秘密

2007年04月27日 | 無農薬みかん栽培
昔、教科書で、「レモン哀歌」という詩を習った。

そんなにも あなたはレモンを待ってゐた
悲しく 白く 明るい 死の床で
私の手から取った一つのレモンを
あなたの綺麗な歯ががりりとかんだ
トパアズ色の香気がたち
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱっとあなたの意識を正常にした

高村光太郎の「智恵子抄」である。

この詩が、鮮烈な印象を与えたのかもしれない。

 レモンは、私にとって、
お洒落でロマンティックな高級品のイメージを持つものであった。

 だから、島に来て、
畑にレモンがごろごろ転がっているのを見つけて,吃驚仰天
「なんで、捨ててあんの。拾って貰ってもいいの
と本気で迷ったりした。

大三島では、レモンの露地栽培ができるのです。

智恵子のように齧りたいとは思わなかったけれど、

島に住んだら ぜひ

 レモン汁を一杯絞り込んだ、レモン焼酎を、
 "冬はホットで、夏はアイスで、毎日飲もう"
 と、大いに楽しみにしていた。

 たわわになり、重みで垂れ下がるレモン


わが家の 無農薬レモン ならではの
" 定番簡単レモンレシビ " は
 レモンを輪切りにして、
ビニール袋の中で砂糖をまぶし
そのまま冷蔵庫か冷凍室へ入れる
砂糖がレモン果汁で溶け出すにつれ
レモンの皮も柔らかくなり、
皮ごとムシャムシャ食べれます。

 息子達が小学生の頃は、
サッカー試合時の人気差し入れでした。

今は、我々の、暑い時の畑仕事の合間の
リフレッシュおやつです。



レモンの花は四季咲きです。
花の最盛期はちょうどこれから、
みかんの花より少し早く、咲き始めます。

レモンの実は、春の花が実になる、秋から早春が最盛期

しかし、レモンは、実をつけたままでも、
 四季咲きの花が、順々に次々実るので、
 島に住む私達は、年中レモンが、摘めるのです。

 レモンの実をつけたたまま、
  これから次々と咲いていくレモンの蕾


 レモンの葉っぱにも、
 レモンの爽やかな香りがします。
 これにはちょっと感動。 
 

みかんの木クラフトシリーズ 一輪挿し

 枝や木にも、少しレモンのような香りがします。
 「レモンの香りのするバターナイフができたら
 と期待したけれど
 加工して乾燥すると、
 残念ながら、香りはなくなってしまいました。

みかんの小枝バターナイフ

みかんの木クラフトシリーズ

ところで、
 レモンの花の香りは、
  レモンのような爽やかな香りではなく、
  おしろいに似た
  妖しげで濃厚な香りなんです。

 このちょっと幻想的なレモンの花の香りですが
   魅惑的で素晴らしい、秘密の楽しみ方があります。

  開きかけのレモンの花の蕾を紅茶やハーブティに入れると
   一瞬、フワァ~とレモンの花の香りが漂い、
   薄ピンク色に変りつつ、ゆっくり、蕾が開いてきます。

 レモンの花茶です。



 
七曜工房の木工品や無農薬レモンを、展示即売していただいている
風曜日にようこそ」明日で、最終日です。
遠くて見に行けないのが残念だったのですが、
クマ先生が「クマ先生の滋賀と沖縄が大好き!」で、
開催中の様子を紹介してくださいました。
風曜日さんの、
「お庭から玄関へのアプローチ、懐かしいなあ」
普通のお店では味わえない、あの距離感がいいのです

 
コメント (4)
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ミカンの木からレモンを採るには!! 

2007年04月25日 | 無農薬みかん栽培

もしかしたら、今に、
温州みかんや八朔は、リンゴの紅玉のように、なくなるかもしれない。

そんな想像をするほど、今、大三島では、
温州みかんや八朔、伊予柑の木がどんどん伐られつつあります。

というのは、
みかん農家の高齢化によって、
 背が高く、大きくなったみかんの木の管理が重労働なこと。
そしてその割りに、みかんの価格が安くてやりがいがないこと。

それで、
 「安いものを、しんどい思いをして、沢山作ってもしょうがない!」と
温州みかんや八朔の木を伐り、
価格の高い新品種のミカンに
接木という方法で、転換していくのです。

新品種には、
はるみ、はるか、あまか、せとか、きよみ,はれひめ、つきのひめ、など、
呼べば、どこからか 「ハイ」 と返事しそうな名前のみかんが、
覚えきれないほど沢山あります。

近所の人が、
「○○の穂木をやるから、みかんを切って、接木すりゃいい」
と、しきりに勧めてくれます。

私達は、
現在沢山収穫できているみかんの木を伐るのはもったいないし、
また、広い面積のミカン畑でもないので、
大きな木に登り収穫したり、管理することも、
まだ若くて? それ程、大変でもないので、
まだまだ、木を伐って、品種転換する気にはなれないのですが、

あまり勧めてくれるので、
「レモンが、もっと採れればいいなあ」 
レモンを中心に、接木に挑戦しています。

接木前の八朔の木 
はしごに登って、実を収穫しなければならない程の大きな木


レモンや新品種の穂木


接木用に穂木を細工中 
ここがポイント1 密着させる形成層の面を広く鋭利に
木工家の腕の見せどころ 


出来上がった穂木 乾かさないように濡れ雑巾の上に置く



八朔の木を順番に伐る
枝の形成層が、乾燥してしまうので、一度に伐らないこと
穂木の形成層とみかんの枝の形成層同士を密着させ、
丁寧に、しっかりテーピングする。 ポイント2


高継ぎ完了 つまり バイバス手術終了 


ビニールをかぶせて、穂木の蒸散を防ぎ、芽出しを待つ。
ビニールを突き破るほど、力強い芽だしだと大成功 


レモンを接木した全景



 紀香ファンらしきKさんが
 「人間も、みかんみたいに、
  藤原紀香のどこかを切って、ちょんと腕にくっつけると、
  ポッコと、紀香のような美人ができてくると いいですけどね~」
  と、冗談を言って、笑わせてくれたけれど  ・・・

植物は本当に不思議です。
 
 もちろん
 
  みかんの木をレモンの木にするには、
 つまり接木を成功させるには、
 
  レモンの穂木に、みかんの木の根から幹を通じて、
 ちゃんと栄養分を送るように、バイバス手術を成功させる、
 いろいろな知識や技術が必要です。

一昨年、接木をして成功したレモンの穂木
ぐんぐん伸びて、今年は実を2つばかりつけた 


一部だけレモンになったみかんの木に、今年 再度接木をする


我々に穂木をくれる、接木のプロのAさんは
「形成層と形成層を、できるだけ広く密着させるんじゃ」
「接木時期は、植物の芽が動き出す、3月頃から5月まで」
「うまく活着し,芽ぶいてきたら、ビニール袋を破ってやる」 など
いろいろ教えてくれます。

何でも、Aさんは、小学生の時理科の時間に
みかんの木に梨を接木して活着して、成功したのが、
嬉しくて仕方なかったそうです。
昔、みかんの島、大三島の小学校は生きた授業をしたんですね。

去年は、せっかく芽が出ても、
 ビニール中で蒸れて、芽が枯れてしまったり、
 せっかく出た芽を虫に喰われてしまったり、
 形成層が繋がってなかったのか、穂木が枯れたり
 失敗例、いろいろアラカルトでした
 
 でも、今年は 
レモン、ライム、清見、はるみ、はるか などを接木しました。
 採れ始めるのは、3年後かな    

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風曜日にようこそ 庭仕事の愉しみ

2007年04月19日 | 木工
4月21日からの「風曜日にようこそ」のテーマは、
「庭仕事の愉しみ」
いただいたチラシを眺めていると、


お洒落なガーデングッズや植木や苗の即売、
山野草の寄せ植え教室、
庭師だいすけ作の庭めぐりなどもあって、
春らしい、うきうきしそうな企画である。

風曜日さんのお庭は、
ご主人であるだいすけさんの手によるもので、
訪れた人をくつろがせる大きな魅力となっている。
風曜日さんならでは、企画かも・・・

そして
風曜日さんが、七曜工房にくださった木工品出展の宿題は
「花、木、鳥、虫など自然をモチーフにしたブローチを出してください」

以前より、木や葉をモチーフしたブローチを作りたいと思っていた夫は、
アイデアを練り、試作していました。

そして、出来上がったのが、
ブラックウォールナット、
ケヤキ、ナラ、タモ、
ビワ、ホワイトアッシュと
6種類の木を寄せ木にして、
木の色を多彩にする
寄せ木のブローチです。




張り合わせて作った寄せ木材から、面白い形の葉をくり抜き、
表面に緩やかなカーブをつけて、
7種類の葉っぱのブローチができました。


ロウをかけると、一層木の艶が出て。
左から、カツラ、モミジ、? トウカエデ
サトイモ、ブドウ、スミレ








そして、もうひとつの自信作&新作は、
「バードツリー」
わが家のお雛さまの桜を見た人から、
「桜の木のオールシーズンものを」とリクエストされていたので、
暖めていた「木に集まる小鳥たち」というのデザインらしい。



何でも講釈をたれたがる夫,
いや、木工品にもストゥーリーを語りたがる夫曰く
「逃げ出したカナリア」とか。
まん中のみかんの木でできた黄色い小鳥は、
籠から逃げ出したカナリアだそうだ。

木に、凸凹を付けながら、はめ込んで飾り、
パズルのようにも楽しめるデザインは、
七曜工房のツリーシリーズになりそうです。

タモ材 エゴマオイル仕上げ



花、木、鳥、虫、動物をテーマにした、春らしい、
七曜工房お勧め木工品をいろいろ出展しました。


鳥シリーズでは

ツバメの子 ケヤキ、漆塗り

よく見ると、それぞれの顔の表情が可愛い
今の季節にピッタリ、ちょうど今わが家でも巣作り中です




カッコウ、カモ、オナガ
ケヤキ、漆塗り



漆塗りは、
乾いては塗り、乾いては塗りと、幾度も繰り返すので、
時間が経つにつれ、
透明感がでて、木目が浮き立ち、
艶が出てくる値打ちものです。


イヤリングも、お揃いに 

ケヤキ、マツ、シオジ 漆塗り



フクロウのペンダント
ストゥリーがあって・・昼は寝て、夜は起きて
リバーシブルに目が違うんです。

ウエンジュ、ロウ仕上げ



猫シリーズでは

 猫三態  跳ぶ 狙う 歩く

果物の木のブローチシリーズ 

ナツメ材の辺材の白と心材の茶色が出ているのは、
数少ない限定お勧め品。




猫の一輪挿し 
試験管からみえる茎まで愉しんで・・・

これは、ペア猫、家族猫もあります。
ブナ材 オイルフニッシュ


猫のハガキスタンド
ナラ材



その他にも、生き物を素材にした木工品ををいろいろ出展しています。

蝶のハガキスタンド
みかんの木クラフトシリーズ

絵手紙はどちらも、滋賀の友人Sさんから、戴いたもの。

あっ、それから、今年は、レモンがよくできたので、
わが家の無農薬レモンの即売もしていただいています。


風曜日さん、出荷用にレモンを摘みとる


「風曜日にようこそ」
は、
  4月21日(土)~28日(土)11時~5時
  開催中です。
   はこちら。


 
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お花見

2007年04月08日 | 大三島での生活
大三島は、車で1時間も走れば1周できる小さな島ですが、
”島の人ぞ知る ” ビューポイントがあります。
眼下に海と橋と、時々通る船を眺めなら、
頭上からは満開の桜の花びらがヒラヒラと降り注ぐ、
それはそれは、贅沢なお花見が楽しめます。 

午前中はそれぞれが農作業をこなし、
「昼から花見しようや」と、持ち寄りで、
軽トラの荷台に乗り合わせて車で2,3分ばかりの秘境?へ。
軽トラで細い山道を登っても、1台も離合することない、
貸切りのお花見です。




この橋のたもとでは、ワカメが採れます。
先週は、ワカメを採りながら、
チラホラ咲きの桜を見上げていました。
今日は真下で、満開の桜に囲まれてウットリ。
どちらの桜も、
青い海と空に、薄ピンクの花が映え見惚れてしまいます。

隣島の伯方島とを結ぶ大三島大橋
ここは、鼻栗と呼ばれ、潮の流れの速い釣りのポイントです。



初物の筍の煮物を持ってきてくれた○○ちゃんが、
「ここで、ワラビが採れるんよ」と、教えてくれました。

 私のレパートリーは、やっぱりみかん尽くし
本来ならば、桜餅なんですが・・・




菜飯のようなヨモギおはぎと、
食べ慣れないママレードおはぎと陳皮おはぎ、
不思議がって、喜んで食べてもらえました。




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