俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

非感染症

2014-02-19 10:00:11 | Weblog
 感染症の原因は病原体だ。感染症では因果関係が成立する。病原体を排除すれば病気から逃れられる。
 病気は感染症と非感染症に大別できる。困ったことには今なお、医療は感染症重視の体質だ。
 現代人の死因は主に非感染症だ。2011年の日本人の死因は①癌②心疾患③肺炎④脳血管疾患⑤不慮の事故⑥老衰⑦自殺、となっている。③の肺炎だけが感染症だがこれには特殊な事情がある。圧倒的多数を占める老人の肺炎は嚥下性肺炎によるものが多い。これは食物などが気管に入ることによって起こる肺炎であって、感染症というよりもむしろ老人病であり嚥下機能障害と言っても良かろう。
 このように死に至る感染症はごく少ない。それにも拘わらず、医療は感染症が脅威だった時代の態勢および発想のままだ。感染症には病原体と発病という因果関係が成立するが、非感染症の場合、因果関係は曖昧であり相関関係に過ぎないものが誤ってあたかも原因であるかのように騒がれている。
 非感染症は先天性と後天性に分けられる。先天性の病気は遺伝子治療に頼らざるを得ないので未来の医療だろう。後天的に改善できることだけが現在の課題だ。
 最も重要なことは因果関係へと単純化しないことだろう。複雑な要因で起こることを単純化すれば神話になってしまう。
 原因が分からなくても対策を立てることはできる。免疫力を高めれば良い。しかし免疫は医療ではないので医師は関知しない。だからこそ自力で高めざるを得ない。多分、栄養・休養・脱ストレス・適度の運動などによって免疫力は高まると思うが確信は持てない。厚生労働省が最も力を入れるべきなのは医療ではなく免疫力向上活動だろう。このことは主な死因を考えれば余りにも明白だ。なぜ免疫力向上活動に尽力できないのだろうか。

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