俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

下取りセール

2009-11-17 16:31:19 | Weblog
 下取りセールは再生紙と並ぶマヤカシのエコ活動だろう。
 消費者は再利用されるものと勝手に勘違いして下取りセールを利用する。しかし実際には、回収された服や靴は大半がゴミとして処分される。
 では何のために小売店は下取りセールをするのだろうか。値引き販売をするためだ。
 タテマエ上はメーカーや問屋は小売価格を指定できない。それは再販売価格維持行為として独占禁止法違反となるからだ。しかし実際には服飾関連商品の小売価格はどこの店でも同じだ。メーカーが小売価格を統制していることは間違いない。メーカーの価格統制の抜け道として下取りセールが行われている。
 小売店のメリットは何か。①メーカーとの協調関係を維持したまま安売りができること②消費者が勝手にエコ活動に参加できると思い込むから販売促進効果が高いこと③バーゲンよりも広範囲に安売りができること、だろう。
 下取りセールを行う小売店は嘘を言っている訳ではない。大半の宣伝文句は「再利用可能な製品は(発展途上国などに寄付することによって)再利用する」と言っている。実は大半の下取り品は「再利用不可能な」製品として廃棄されるだけのことだ。
 下取りセールがエコ活動に繋がると信じる消費者は再生紙を有難がる人と同様お目出度い不勉強な自称エコロジストとしか言いようが無い。

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