昨日(11日)あるテレビ番組を見ていて大笑いした。優秀な警察犬の死を悼む内容なのだがこう締め括っていた。「彼(犬)は天国でも悪人を捕えて大活躍をしているだろう。」
この発言者は矛盾に気付いていない。番組の関係者もこの矛盾に気付かなかったからこんなブラックジョークのような発言で締め括ったのだろう。天国に悪人がいる筈が無いからこの警察犬は大活躍する機会が無いので絶望するだろう。警察犬だけではなくポワロも金田一耕助や明智小五郎も暇を持て余すだろう。
なぜ天国には悪人がいないのか?悪人は天国に行けないからだ。しかし仮に悪人であっても天国にいれば悪事を働く必要が無いから悪いことはしないしできないだろう。生活は満たされており競争する必要も無い。原始共産制のような理想社会であれば犯罪はあり得ない。多分事故も発生しないだろう。
芥川龍之介は「侏儒の言葉」で「人生は地獄よりも地獄的である。地獄の与える苦しみは一定の法則を破ったことはない。」と書いているが、私は「天国こそ地獄的だ」と言いたい。満たされて変化の無い生活は退屈極まりなく、退屈を紛らすために罪を犯してしまうかも知れない。
善意しか無い社会など全然面白くない。予定調和が約束された世界など何の魅力も無い。結果が分かっているゲームを楽しめないのと同じように善意しか無い世界は不愉快だ。
総てが満たされた筈の天国に欠けているのは「悪」だ。この世は悪というスパイスがある分だけ天国よりも魅力的だ。曖昧で不確実だからこそ楽しい。天国という妄想を作った人々は不確実性を楽しむことができない可哀想な人なのだろう。不確実性と矛盾こそこの世の醍醐味だ。
この発言者は矛盾に気付いていない。番組の関係者もこの矛盾に気付かなかったからこんなブラックジョークのような発言で締め括ったのだろう。天国に悪人がいる筈が無いからこの警察犬は大活躍する機会が無いので絶望するだろう。警察犬だけではなくポワロも金田一耕助や明智小五郎も暇を持て余すだろう。
なぜ天国には悪人がいないのか?悪人は天国に行けないからだ。しかし仮に悪人であっても天国にいれば悪事を働く必要が無いから悪いことはしないしできないだろう。生活は満たされており競争する必要も無い。原始共産制のような理想社会であれば犯罪はあり得ない。多分事故も発生しないだろう。
芥川龍之介は「侏儒の言葉」で「人生は地獄よりも地獄的である。地獄の与える苦しみは一定の法則を破ったことはない。」と書いているが、私は「天国こそ地獄的だ」と言いたい。満たされて変化の無い生活は退屈極まりなく、退屈を紛らすために罪を犯してしまうかも知れない。
善意しか無い社会など全然面白くない。予定調和が約束された世界など何の魅力も無い。結果が分かっているゲームを楽しめないのと同じように善意しか無い世界は不愉快だ。
総てが満たされた筈の天国に欠けているのは「悪」だ。この世は悪というスパイスがある分だけ天国よりも魅力的だ。曖昧で不確実だからこそ楽しい。天国という妄想を作った人々は不確実性を楽しむことができない可哀想な人なのだろう。不確実性と矛盾こそこの世の醍醐味だ。