俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

天気予報

2013-09-03 11:18:09 | Weblog
 ここ数日の天気予報は全然アテにならない。私の住む伊勢市の天気予報はこの1週間、今日(3日)の雨以外は殆んど外れっ放しだ。予報が前日に変更されてそれが誤っていることもある。天気に振り回され勝ちな地方在住者にとっては迷惑なことだ。
 普段の天気予報はかなり正確だ。3日後までなら90%以上当たるし、降雨開始時刻までかなり正確に予報する。外れ易いのは梅雨と秋雨の時期だ。この時期の天気は他の時期とは違った要因で決まるからだ。これは異常気象などではなく毎年のことだ。
 普段の天気は西から東へと移動する。高気圧が来れば晴れるし低気圧が来れば雨が降る。天気図さえあれば素人でも簡単に予報できる。
 梅雨と秋雨の時期にはそうならない。北のオホーツク海高気圧と南の太平洋高気圧の力関係で決まるからだ。高温の太平洋高気圧には大量の水蒸気が含まれており、これが低温のオホーツク海高気圧によって冷やされれば雨になる。だから両者の境目に停滞前線が発生して南北に不規則に移動する。普段の天気のように西から東へと規則正しく動く訳ではない。
 南の高気圧が強くなれば前線は北上し、北の高気圧が強ければ南下する。南北の高気圧の力が拮抗すれば前線は動かない。前線の下は毎日雨になる。この安定した状態が梅雨と秋の長雨だ。しかしバランスが崩れれば境目が不規則に動く。どこに前線ができるかを予想することは難しい。
 7月に南の高気圧が強くなって前線を押し上げた時が梅雨明けであり、9月に北の高気圧が張り出して不安定になると、「女心と秋の空」とも「男心と秋の空」とも言われる変わり易い天気になる。この時期に停滞前線がどこにできるかを予想することはかなり難しい。丁度、がっぷり四つになった相撲がその後どう動くのか予想できないようなものだ。
 こういう特殊性があるから6・7月と9月の天気予報はよく外れる。決して予報官がサボッているからではない。微妙なバランスによって境界線の位置が変わるからだ。
 

遅老

2013-09-03 10:44:18 | Weblog
 不老も不死も不可能だ。可能なのは遅老と長寿だ。仮にこの2つが二者択一なら遅老を選ぶ。認知症や寝たきりでの長寿など何の有難味も無い。生き長らえるよりは健康な状態で生き切りたいものだ。
 アンチエイジングとしてホルモン療法が行われているが本当に遅老効果があるのだろうか。確かに外見を若く見せる効果はあるようだが、癌などの誘因になっていることを考えれば、外見とは逆に内面では老化促進になっているようにも思える。アンチエイジングという言葉にも胡散臭さを感じる。反老や抗老が本当に可能なのだろうか。美容整形や化粧と同様に、未来を犠牲にして現在を取り繕っているように思えてならない。
 本当の遅老は薬=毒に頼るのではなく心身双方の健康によって可能になると思う。体と脳の両方を適度に使い、適度に休み、充分な栄養を摂ることが一番有効だろう。
 絶対に怠ってはならないのは歯の健康だ。歯を失わないよう細心の注意を払うべきだ。総入れ歯の私の母の食物に関する第一基準は柔らかいかどうかだ。固ければ食べられない。味や栄養価よりも固さが優先されてしまえば食生活は貧弱なものになる。
 体も脳も使わなければ萎縮する。適度な刺激を与えて使い続けることが大切だ。多分激しい運動は有害だろうから、毎日1㎞程度をゆっくりと泳ぐぐらいの軽い運動が良かろう。その一方で、体とは違って脳は使い過ぎても悪影響があるとは考えられないので、読書・思索・執筆の3点セットの他に喜怒哀楽を抑え過ぎないように心掛けたい。更にもう1つ、これは私の趣味だがジョークとパラドクスを楽しみたい。まともな論理の対極であるだけに最高の頭の体操になる。
 遠回りのようだが、心身の健康を保つことが遅老のための本道だろう。