俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

JR北海道

2013-09-27 09:20:52 | Weblog
 JR北海道では事故や不祥事が相次いでいる。保守点検業務においては点検されても保守作業が行われないという信じられない状況になっていた。このことでマスコミはJR北海道を非難するし、私もこんな人命軽視の鉄道会社を容認する気にはなれないが、最も悪いのは分割民営化の枠組みであり、JR北海道はその犠牲者とさえ思える。
 JR北海道の経営環境はJR他社と比べて極端に悪い。寒冷地であるために雪害などによる維持費が嵩み、路線距離が長いのに沿線人口は少ない。こんな悪条件でまともな経営などできる訳が無い。二番目に条件の悪い東北地区はJR東北として独立せずに、最も経営条件の良い関東地区と一体化されてJR東日本になっている。JR北海道は分割時から既に見捨てられていたとしか思えない。
 JR北海道を民営化することなど無理なことは初めから分かっていた。他のJR各社のように赤字ローカル線を廃止すれば、北海道には札幌・函館間と札幌・千歳間以外の路線は殆んど残らないだろう。こんな将来性の乏しい企業に就職しようとする奇特な人は少ないから当然ながら人材難に陥ってそれが更に経営を悪化させる。悪循環だ。
 独立採算が不可能な事業を民営化するのがそもそも間違いであり、経営安定基金という名目での年間約300億円の補助金に頼っているから旧国鉄以来の「親方日の丸」意識から脱却できない。この際、JRグループの再編が必要なのではないだろうか。ドル箱の東海道新幹線を持ち他社と比べて圧倒的に有利な立場のJR東海との合併を私は提案する。他社が吸収合併しなければJR北海道は滅んで、北海道から電車が無くなるということにもなりかねない。
 

汚い物

2013-09-27 08:54:20 | Weblog
 性器について子供は親から「大切な物」と教えられる。しかし子供は成長過程で疑問を持たざるを得なくなる。周囲からは汚い物と見なされるからだ。性器を露出すれば同性からも異性からも、あるいは教師からも嫌がられる。このことは葛藤を招く。親から教えられた評価と周囲の評価が違う場合、どちらが正しいのかを知りたくなる。
 性器は自分の体の一部であるだけに肯定的評価を希望する。そして肯定的評価をしてくれる人を求める。肉体関係が過大評価をされるのはこんな事情に依る。それまで汚い物と酷評されていた性器がお互いにとっては大切な物になるからだ。肉体関係を持つ男女においてのみ性器は大切な物となり、それ以外の状況では汚い物であり続ける。
 どんな美男美女であろうとも性器と肛門は醜いし、女性性器以外は糞尿の排泄器でもある。その肛門でさえ性愛においては大切な物として扱われる。性愛においてのみ、人は自分の総てが肯定されると思い込む。排泄器に過ぎず、自分でさえ汚い物と信じていた肛門が肯定されることに人は大きな喜びを覚える。
 半沢直樹でなくても、人はやられたらやり返す。攻撃されたら反撃するように、全肯定をされたら全肯定によって報いようとする。だから性関係にある男女は自分達が特別な関係だと思い込む。
 しかしこれは幻想に過ぎない。性器と肛門を大切に扱い合うだけの関係だ。汚い物を大切に扱うからといってそれ以外をも大切に扱うという意味にはならない。それは人格や行動も大切に扱うという意味にはならない。あくまで性器と肛門を大切に扱うという関係に過ぎない。こうして性愛はお互いが特別な関係ではなくone of themに過ぎないことに気付き、その時点で全肯定ではなくなる。