俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

賢い猿

2011-08-09 14:16:23 | Weblog
 人は猿を獣として扱うが猿は思いの外賢い。
 幸島に住む猿の「イモ」は芋を海水で洗うことを考案した。芋を海水で洗えば土やゴミを落とせるだけではなく塩味が付いて美味しくなることに「イモ」は気付いた。しばらくはたった一匹で芋を洗っていたが子猿が真似をして、その後、島全体の食文化として定着した。猿は新しいことを考案できるし、その知恵を社会として共有することもできる。
 京大霊長類研究所のチンパンジーの「アイ」は天才として有名だ。色を見てそれに該当する漢字を選べるし、数という概念をある程度理解できる。パソコンを使えば簡単なコミュニケーションさえ可能だそうだ。数年前に逃げ出した時には仲間の檻の鍵を開けてから逃げた。つまり鍵と鍵穴の関係を理解しているということだ。
 タイのカニクイザルは道具を使う。名ともなっている「蟹食い」においては石を使って甲羅を割る。また小石を使って牡蠣の殻を割る時には、身のある真ん中を叩かずに周辺部だけを破壊する。
 人間と猿の知能の差は人間が思っているよりもずっと小さい。類人猿の賢さが証明され始めてから却ってマスコミはこのことを報じなくなった。人間と動物との間に大きな隔たりを設けたがる心理は進化論を否定する人と同根だろう。
 残念ながら重度の知的障害者や認知症の老人よりも猿のほうが賢い。

間引き放送

2011-08-09 14:03:57 | Weblog
 東電の大口事業者需要に占める私鉄のシェアは2%に過ぎない。一方、民放は7%を占めるそうだ。なぜ間引き運転を要請して間引き放送を要請しないのだろうか。
 日本のテレビ番組の質の悪さは誰もが認めることだろうが、昼間と深夜の番組は特に酷い。電力不足が懸念される昼間でのテレビ放送こそ電力の無駄遣いだ。テレビ番組さえ減れば昼間の視聴者も減るから、法人・個人の両面での節電となる。
 テレビ局は節電を呼び掛けるが他者に節電を促す前に自らの責任を果たすべきだろう。テレビ局と新聞社は大半がグループ企業だから、両者が結託すればテレビ局批判は生まれない。これでは中国並みの言論統制だ。
 テレビ局としては番組を減らしたくない。スポンサーが着いているのだから放送さえしていれば儲かるという仕組みだからだ。もし放送を止めればせっかく掴んだスポンサーを逃がしかねない。
 マスコミを敵に回したくない東電がテレビ局を優遇してそのことをテレビ局側が当然と考えているのなら大問題だ。マスコミ優遇を当然と考えるマスコミは特権階級として益々増長して更に一層堕落する。

隠蔽

2011-08-09 13:47:49 | Weblog
 今マスコミは牛肉と米の放射能汚染ばかりを報じているが最も危険なものについては沈黙している。海洋汚染だ。これは手品のトリックと同じようなもので国民の目を逸らすための隠蔽工作ではないだろうか。
 汚染水を大量に海洋投棄して国際的に非難されたし、河川も雨水も放射性物質を海に流し続けている。太平洋の東北地方沿岸の汚染はかなり酷い状態と思われる。
 イカナゴの汚染が公表されたのは4月上旬だったが、その後、海産物の汚染は一切公表されていない。イカナゴが突然安全になったとは考えられないから今なお危険な状態のままなのだろう。
 最も問題なのは海草だ。放射性ヨウ素が10万ベクレルを超えるseaweed(コンブかワカメと思われる)について外国では報じられているが、政府は海草については一切コメントしていない。原子炉のメルトダウンを2ヶ月遅れで発表した実績を鑑みるなら、一番重要な情報は国民に対しては隠蔽されていると考えるべきだろう。
 稲わら同様に汚染されている野菜、一度も公表されていないが確実に汚染されている海草、数ヶ月間公表中断中の魚、これらの情報は隠蔽されていると考えるべきだろう。
 少しばかり汚染された牛肉など大した問題ではない。報道さえされていない海産物の危険性こそ喫緊の要事だ。