公契約条例をつくろうという背景には主に二つの理由があると考えます。一つは、建設労働者の賃金労働条件の改善です。建設業界おいては、不況による建設工事の減少、公共事業の総量削減と行政側のコスト削減圧力によってダンピングが起き、重層下請構造の中で、労働者賃金が下がり続け、若者を中心に建設労働者が激減するという実態があります。
こうした背景の中で、建設現場で働く労働者に、生活していくのに十分な賃金や労働条件を確保する目的で、公契約条例の制定が取り組まれ、2009年9月千葉県野田市で、2010年12月政令市の川崎市で制定されました。
野田市や川崎市の条例では、建設労働者の労賃の基準を、公共工事設計労務単価におき、労働者に支払われる賃金の下限を定めることで、落札率の上下によって、あるいは下請けしたからといって労働者賃金には影響を与えないという仕組みにしています。
この間、県の担当者の方とお話をさせていただく中で、県が調査することがなかなか難しい「一人親方」の存在があることがわかってきました。一人親方とは、労働者を雇用せずに自分自身と家族 などだけで事業を行う個人事業主で、職種は大工・とび・左官・板金・タイル・エクステリア・造園など多岐にわたります。施主から直に仕事を請け負う場合もあれば、建設会社から仕事を請け負う場合もあります。請負仕事にも、材料からすべて請け負う場合と、手間請けといって労働者となんら変わらない働き方をしている場合もあります。
特に、この手間請けは労働者となんら変わらない働き方をしているにも関わらず、健康保険・年金・労災保険はもとより、ガソリン代・高速代・駐車場代をはじめ、道具代、すべて自分持ちです。
加えて、10年前は建設労働者のうち、一人親方の割合は10%程度でしたが、10年の間に常雇が減ってその分一人親方が増え16.7%になっているという国の調査結果もあります。これは、会社が保険料などを支払うことができずに、雇用形態を変えたことが原因と思われます。
公共工事で働いている一人親方の皆さんからはこんな声が聞かれます。
「県の公共工事をしていたが、材料代は上がり、経費は無く、労働賃金は下がるばかりです」、他にも「一日当たりの手間請け代金はそこそこでも、経費がかかりすぎて生計をたてられる収入は得られません。公共工事につきましてはまず赤字覚悟です」、さらに「公共事業の物件にたずさわっていますが、現場が安すぎて賃金も出ず、日当で働いています」などです。
これらの声が証明しているのは、元請けから下請けへ、さらにその下で働く一人親方は、請負契約でこの契約金額は日給換算で設計労務単価以下であるということです。是非とも、この実態を変えなければなりません。
二つ目の理由は、自治体業務のアウトソーシング・民間委託の拡大により、そこで働く労働者の賃金が低く抑えられているということです。とりわけ新たな民間化手法として導入された指定管理者制度は、指定期間が3年ないし5年が約8割を占めています。そのために、期限の定めのない労働者を雇用することが難しく、大半が有期雇用かアルバイトによって成り立っています。私は、税金の使い方として、これまでの「安ければ安いほどよい」という風潮は、結果として官制ワーキングプアをつくる温床となっていると危惧をいたします。
以上の理由から、自治体が発注する製造・建設工事の請負契約、委託契約を対象とする公契約条例が必要だと考えるわけです。
そこで、知事に次の三点についてお考えをお聞かせ下さい。
第1に、これまでの公契約条例についての知事の議会答弁を調べましたところ、今年2月議会で森田恒雄議員の質問に答えて「新年度半ばには中間取りまとめを行うことを予定をしております」と答えておりますが、研究会の中間とりまとめはどうなっているでしょうか。
第2に、知事は、建設労働者の実態、あるいは委託契約の下で働く労働者の実態について、どのように認識されているでしょうか。
第3に、公契約条例の意義について、現段階でどのように考えておられるのか、それぞれお答えをいただきたいと思います。
こうした背景の中で、建設現場で働く労働者に、生活していくのに十分な賃金や労働条件を確保する目的で、公契約条例の制定が取り組まれ、2009年9月千葉県野田市で、2010年12月政令市の川崎市で制定されました。
野田市や川崎市の条例では、建設労働者の労賃の基準を、公共工事設計労務単価におき、労働者に支払われる賃金の下限を定めることで、落札率の上下によって、あるいは下請けしたからといって労働者賃金には影響を与えないという仕組みにしています。
この間、県の担当者の方とお話をさせていただく中で、県が調査することがなかなか難しい「一人親方」の存在があることがわかってきました。一人親方とは、労働者を雇用せずに自分自身と家族 などだけで事業を行う個人事業主で、職種は大工・とび・左官・板金・タイル・エクステリア・造園など多岐にわたります。施主から直に仕事を請け負う場合もあれば、建設会社から仕事を請け負う場合もあります。請負仕事にも、材料からすべて請け負う場合と、手間請けといって労働者となんら変わらない働き方をしている場合もあります。
特に、この手間請けは労働者となんら変わらない働き方をしているにも関わらず、健康保険・年金・労災保険はもとより、ガソリン代・高速代・駐車場代をはじめ、道具代、すべて自分持ちです。
加えて、10年前は建設労働者のうち、一人親方の割合は10%程度でしたが、10年の間に常雇が減ってその分一人親方が増え16.7%になっているという国の調査結果もあります。これは、会社が保険料などを支払うことができずに、雇用形態を変えたことが原因と思われます。
公共工事で働いている一人親方の皆さんからはこんな声が聞かれます。
「県の公共工事をしていたが、材料代は上がり、経費は無く、労働賃金は下がるばかりです」、他にも「一日当たりの手間請け代金はそこそこでも、経費がかかりすぎて生計をたてられる収入は得られません。公共工事につきましてはまず赤字覚悟です」、さらに「公共事業の物件にたずさわっていますが、現場が安すぎて賃金も出ず、日当で働いています」などです。
これらの声が証明しているのは、元請けから下請けへ、さらにその下で働く一人親方は、請負契約でこの契約金額は日給換算で設計労務単価以下であるということです。是非とも、この実態を変えなければなりません。
二つ目の理由は、自治体業務のアウトソーシング・民間委託の拡大により、そこで働く労働者の賃金が低く抑えられているということです。とりわけ新たな民間化手法として導入された指定管理者制度は、指定期間が3年ないし5年が約8割を占めています。そのために、期限の定めのない労働者を雇用することが難しく、大半が有期雇用かアルバイトによって成り立っています。私は、税金の使い方として、これまでの「安ければ安いほどよい」という風潮は、結果として官制ワーキングプアをつくる温床となっていると危惧をいたします。
以上の理由から、自治体が発注する製造・建設工事の請負契約、委託契約を対象とする公契約条例が必要だと考えるわけです。
そこで、知事に次の三点についてお考えをお聞かせ下さい。
第1に、これまでの公契約条例についての知事の議会答弁を調べましたところ、今年2月議会で森田恒雄議員の質問に答えて「新年度半ばには中間取りまとめを行うことを予定をしております」と答えておりますが、研究会の中間とりまとめはどうなっているでしょうか。
第2に、知事は、建設労働者の実態、あるいは委託契約の下で働く労働者の実態について、どのように認識されているでしょうか。
第3に、公契約条例の意義について、現段階でどのように考えておられるのか、それぞれお答えをいただきたいと思います。
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