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こんにちは「中川ひろじ」です。

みんなのお困りごとが私のしごと

20210804 会派現地調査 麻績村

2021-08-04 09:36:58 | 長野県議会

(1)主な説明事項等  

○村の面積は県下で小さい方から3番目、人口2,614人。主要産業はりんご、米等の農業。

○晴れの日が多く、空気が爽やか。移住のパンフレットにも、「エアコンがなくても生活できる。」「冬の雪かきは数える程度」「星空が美しく、ホタルもみられる」と記載している。

○長野県で3番目に小さい村なので、生活圏がコンパクトで暮らしやすい。主な店、施設は徒歩10分で回れる。高速インター、JRの駅があり交通の便が良い。小さいというデメリットをメリットとしている。大自然の中で子どもを育てる。保育園、小学校、中学校等、切れ目のない教育支援ができる。

○移住者向けに、村の移住担当者が希望に合わせてオーダーメイドで村内を案内する「暮らし案内ツアー」を受け付けている。また実際に、村の生活を体験してみる「移住お試し住宅」も1泊2,000円(最大30日)も用意されている。若者定住促進住宅は43戸、概ね2万円台で住める。昨年から始めた移住定住促進住宅が5戸、ことしさらに4戸。特定公共賃貸住宅が12戸、国補助を入れた公営住宅が12戸ある。現在75戸あるが、入居率は100%近い。建設中のものも入居倍率は2倍以上の人気となっている。

○子育て・教育サポートとしては、0歳から未就園児の親の交流の場として「ひだまり広場」がある。相談員、保育士もいる。保育園にもスムーズに入園できる。お母さんたちも集まって、夏祭り等様々な活動を始めている。

○保育園は3歳以上の保育料は無料化。出産祝い金、育児支援金(1歳から3様までの誕生日に、保護者に支給)等も整備。不妊治療については、県の助成対象以外の部分も支援している。

○小さな村は、独自に若者定住、子どもたちを増やすことにいろいろ努力をしているが、県においてもさらに支援を厚くしてほしい。

○小さな村なので小学校にある図書館を、村民も利用できる公共図書館としている。全国的にも珍しい「おみ図書館」である。子どもたちの読む本の冊数は、かなり多いと聞いている。ファーストブック、セカンドブックのプレゼントも行っている。

○7月1日現在の人口は、2,610人で高齢化率は43.6%と高い。児童・生徒数も少ない。特に小学4年生は6人。何とかしなければいけないということで、若者定住、子育て支援に力を入れ始めた。その成果が、ようやく現れ、毎年15~20人くらい出生するようになり保育園が手狭になり困っている。

○高校進学は100%。通学区はどこへ行ってもよい。

○福祉施設関係は、温泉施設の老人福祉センター等、いろいろある。デイサービスセンターは村社協が2施設運営を始めた。

○水道は、7か所の水源をもっている。下水道は農集等を含めれば86%で県平均以上。

○農業振興については、荒廃地が増えたことから、村でNPO法人を立ち上げ、後継者育成、荒廃地拡大抑止を図っている。誰もやる人がいないので、役場の課長会議に諮ったら理事者、管理職が賛同してくれ、出資し設立した。課長たちは、様々な有利な制度を知っており有効に機能した。果樹栽培、ワインブドウ栽培、最近はリンゴワイン、シールド製造等を行っている。地域おこし協力隊制度を活用し、農業をやってみたいという若者を集め、3年間の研修を行い農地を与えている。農業だけで自立している人は、15人。今、村に残っているのは16家庭、53人。定住率は約50%。

○太陽光パネル規制条例を制定し、厳しい規制をしている。

○可燃ごみの減量化にも力を入れている。一人一日318gで全国トップクラス。穂高広域で処理。食物残渣については再利用。町部は収集し、たい肥化している。

○移住定住・若者定住施策としての住宅整備は平成23年度以降48戸、154名入居で若い人が増えている。

○情報化の関係では、村内全域に光ファイバー網を村で設置した。現在は、それをNTTに年590万円で貸与している。この額は年々増える予定だが、修理等のため積み立てをしている。貸しオフィスのテレワーク施設もある。議会は、タブレット使用。

○村の課題は、若者の減少。若者定住施策を最優先課題として取り組んでいる。

○村で対応できないことは、JR篠ノ井線の利便性の向上であり、特急等が優先され各駅のローカル分が減少し、時間もかかるようになってきている。また、麻績インターのアクセス道路整備が進まない。設置から28年経過。高速で事故があった場合の対応のためにも、国道403号、丸子信州新線の早急な整備が必要である。

 

(2)主な質疑

Q JR篠ノ井線の複線化は非常に厳しいと思われるが、松本~長野を結ぶ重要な路線である。利便性を高めるには何が必要か?

A 重要な路線であり、複線化も進められたが、高速道が優先され途中で止まってしまった。関係町村と協議会を設立し、JRに働きかけをしようとしたが、JRが金を出すようなことなら協議会には参画しないと言われた。利便性の向上といってもこのままの状況では進展しない。冠着トンネルは脆弱で危険。篠ノ井線が不通になると大変。このままの状況ではJRは手を出さない。現在、県は新幹線やローカル線の維持に金を出している。篠ノ井線の問題についても、県も金を出すから国やJRも金を出してほしいと言ってほしい。県がやらなければ進まない話であり、是非、力を入れて推進してほしい。

Q 太陽光パネル規制条例について、もう少し説明を?どのような点が厳しいのか?

A 平成29年に村内へのパネル設置の動きが出たが、急傾斜地、県の夕日100選の近くであり、防災面、景観面で課題が多く、規制の条例化に至った。全国で2番目に厳しい条例。土砂災害警戒区域、急傾斜地、保安林、農振地域、景観地域等でほとんどの場所に規制の網をかけてしまった。法の網がかけられないところを、景観保全指定区域で網掛けした。住民合意の網掛けもしてあるが、個人の財産権の問題があり、条例も万全ではない。手続きが非常に煩雑になっているので、当初予定した業者は他の地域に行った。太陽光パネルの廃棄物処理の問題があるが、30年後の撤去についての規制はない。

Q 日照時間が長い村だが、個人住宅への太陽光パネル設置は奨励しているか?補助制度は?

A 個人住宅は、OK。制度開始当初は補助制度があったが、設備も安価になってきたことから補助制度はなくなった。県もいろいろ補助制度を考えているが、昔ながらの街道の屋根にパネルを乗せるのは景観上合わないと考えている。

Q ゴミの減量化が進んでいる。食物残渣のたい肥化が要因と思われるが、生ごみを適切に分ける啓発は?

A 生ごみは使える資源なので、新聞紙にくるんで可燃物として出すのはやめてくれと言っている。生ごみを集めるのは団地等。農家はコンポスト等で自己処理している。ゴミを集めるのは職員。集めてモミガラと混ぜ、微生物を入れて攪拌すると1、2日でなくなる。最終的には土壌改良剤となるが非常に効率が良く、体積は5%程度に減少してしまう。システム的には簡単で、規模もコンパクトで、臭いもない。

Q 企業誘致の状況は?

A 村に職場ができても、働く場なら何でもいいという人は少ない。近隣の市町村へ働きに行く。職場は近隣市町村で、住居をここにしてくれればいい。田舎は、人の確保が難しい。

Q 光ファイバー整備の経緯は?

A 当初はテレビ難視聴の解決とインターネットの整備を一緒にやろうと考えたが、テレビは共聴組合でやってもらい、インターネットは平成28年に光ケーブルの幹線部分を村が整備し、支線部分は事業者がやる方法をとった。

Q 高校生の福祉医療、医療費無償化の負担増は?

A 高校生は受診機会が少なく、負担感はあまりない。

Q 若者、移住・定住住宅の延べ利用人数は?

A 延べ232人。借りるだけでなく、住宅を出て家を新築した人もいる。借りている家をそのまま自分のものにしたいといった人に、売却することも今後考えていきたい。

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