新型コロナウイルス感染症対策についての提言(第3回)
感染症対策と経済活動の両立
・首都圏、関西圏等での感染拡大の状況(高い陽性率、多数の感染経路不明者の存在)に鑑み、抗原検査キットや既に県内に23台が配備されている全自動抗原検査機器の活用と、PCR検査の組み合せで、県内で1日1万件以上への検査能力向上は可能と考えられることから、検査の拡大により感染者と非感染者の峻別を行った上で、経済活動を回していく方策を推進されたい。
また、PCR検査で課題となる擬陽性問題について、人権にも配慮しつつ、県民コンセンサスづくりに向けた取組を早急に進められたい。
「新しい生活様式」の定着
1 県民の他都道府県への往来にあたっては、感染状況の指標の下に「慎重な行動」「必要性の検討やリスクを抱える人は往来を避ける」といった呼びかけがされているが、県外からの来訪者についても、基準を設けて注意喚起を図ること。
2 県民に配布する「新型コロナ対策手帳」を活用し、県外に往来した際の行動歴の記録や、往来に注意が呼びかけられている地域から県内に戻った後に自ら行う健康観察記録を行うことの必要性について、十分な周知を図ること。また、感染が更に進んだ都道府県から戻った際には、「10日間は人との接触を慎重にするとともに、対面記録をつける」を対応方針に付け加えること。
3 感染が確認された際には、進んで疫学調査に応じる環境の構築と意識の醸成に、市町村と協働して努めること。
4 公共交通機関の利用実態把握を行うとともに、事業者への適切な支援を行い公共交通機関の存続を図ること。
5 施設・店舗等で感染が確認された際に疫学調査が円滑に行われるための協力を呼びかけ、事業者等が調査の必要性の認識を高められるよう努めること。併せて、「安全が確認されるまで一時閉鎖を実施した事業者を支援する」の具体策を示すこと。
医療・検査体制の整備など第2波への備え
1 感染爆発を予防するため、感染者の隔離の徹底と、そのための施設確保に引き続き努めること。
2 感染者受け入れ病院の医療従事者や介護施設の職員を対象とする、行政感染検査を定期的に行うこと。
3 感染者を乗せたタクシーの運転手が感染する事例が報告されているが、運転手は濃厚接触者とは認められていないなど、濃厚接触者の定義からの漏れが散見される。また、県内においても感染経路不明者が確認されてきていることから、濃厚接触者とは認められない接触者や、同じ公共交通機関利用者等からのPCR検査に対する相談や検査実施に柔軟に対応すること。
4 引き続き県内医療機関及び介護施設の経営状況を調査し、必要な病床数等の確保や医療・介護従事者の雇用を継続する観点から、国と協議の上、必要な財政支援策を早急に講じること。さらに、市町村が独自に病院への経営支援を行っているものについては、県による上乗せ支援を行うこと。
5 検査体制拡充のため、予算措置が講じられている20か所程度の「新型コロナウイルス感染症外来・検査センター」の整備を進めること。また、全自動抗原検査機器や抗原検査キットの活用状況の確認を行うとともに、必要な試薬を県が用意した上で効果的な活用を医療機関に求めること。さらに、検査に必要な人員確保のための県内大学や研究機関との連携も引き続き進めること。
6 保健所ごとに感染拡大シミュレーションを行い、それに基づいた人員確保体制を整えることや、HER-SYSを円滑に運用するための人材を配置するなど、保健所の機能強化に努めること。
7 8月の健康福祉部の組織改正にあわせ、必要な人材の採用計画を策定すること。
県民の生活を支え経済の再生を図る
1 国に、医療従事者等及び社会福祉施設等職員慰労金の早期支給を働きかけること。また、9月末が支給期限となっている雇用調整助成金についても延長を強く国に求めること。さらには、コロナ収束後に国が行うとしている、新型インフルエンザ等対策特別措置法への休業補償明記についても、早急に法整備を進めるよう求めること。
2 引き続き生活困窮者の実態把握に努め、スキルを高めるための訓練など必要な支援を行うこと。
3 失業者の就労支援及び生活資金確保に努めること。また、外国人労働者への支援も行うこと。
4 新規学卒者の県内就職支援を強化し、UIJターンを促進すること。
5 県立大学等県内大学でのコロナ対応事業の実施状況を調査し、学生の不安や困難にきめ細かに対応する相談体制を整備すること。
6 県内への移住相談が増加していることから、市町村との連携を強化し、県内定着を促進する取組を進めること。
7 リモート授業の精度を上げる取組を進め、今後重要となるICT活用のための教育プログラムの構築を推進すること。
8 生活困窮世帯におけるリモート授業を行った際の通信費について実態調査を行い、必要な支援を講じること。
9 Withコロナ時代の観光振興のあり方を、事業者との協働で早急に取りまとめ、県内外に周知すること。
10 Go To キャンペーンについては感染者が少ない地域での枠組みを設定し、実施するよう、国に強く要請すること。
11 行員の感染を公表した長野銀行の支店に投石がされたが、このような事案が続かないよう県民に向け差別防止を呼びかけること。
災害発生時の感染防止対策
1 「三密」を恐れ、避難を躊躇することがないよう、市町村と協働し県民への周知徹底を図ること。
2 避難所での感染症対策を、市町村との連携により徹底を図ること。
3 災害対応を行ってもらっている自衛隊や、警察、消防、ボランティアへの感染対策を改めて図ること。
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