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20240211 ガザから見るパレスチナ/イスラエル問題の現在 東京経済大学 早尾貴紀氏講演メモ

2024-02-12 11:18:11 | 憲法・平和・沖縄

長野県護憲連合は2月11日東京経済大学の早尾貴紀氏を招いてパレスチナ・イスラエル問題についてお話を聞きました。以下、私のメモです。

 

ガザ地区はイスラエルにとって「やっかいな」場所。最終的には西岸地区も併合したいと考えている。2023年10月7日が始まりではない。すでに生産と物流が阻害され、経済成長不可能であり、医療や衛生や教育も破壊され人間としての生存も危機に瀕しており、もはや通常の意味での社会が存続不可能になってしまった。10年後、ガザ地区は、パレスチナははたして存在しているだろうか。

10.7イスラエルの亡くなった人の数は1200人。そのうち400人はイスラエル軍であるが、800人はイスラエル軍により殺された。これはイスラエル各紙が報道している。ハマスが悪いと広がってしまった。

なぜ、ガザ地区はできたのか

オスマン帝国のパレスチナ地域。第一次世界大戦でドイツとオスマントルコ英仏ロと戦い負けて、英仏の委任統治領とされた。

シオニズム=ヨーロッパの反ユダヤ主義的排外主義。宗教が違うということで排斥。ユダヤ人をパレスチナに入植させることがヨーロッパにとってメリットであると考えた。

1947年11月国連による分割決議により、イスラエルはパレスチナへ進軍を始めた。パレスチナの500の村が破壊され80万人が難民となった。1949年の休戦によりガザ地区と西岸地区がパレスチナ難民が存在する地区として残った。220万人の80%が難民。イスラエルにとって”帰還権”を主張する難民がいることを問題視した。

1967年第2次中東戦争で、ガザはエジプト、西岸地区はヨルダンと一体化していたが切り離してイスラエルに取り込んだ。「占領」は、一時的な言葉であり、イスラエルは領土化するため入植を始める。ニュータウンをつくり専用道路をつくり、パレスチナが寸断されていくことを既成事実化していった。パレスチナは安価な労働者としてイスラエルに出稼ぎにいくしかなかった。

1987年第1次インティファーダ(大衆蜂起)、全土的・長期的になったことから、イスラエルは占領方針を変更した。占領は責任が生じるので、パレスチナが抵抗の主体となったときに、占領の外観をとりながら「自治」を認め「平和のパートナー」として認める。これにより占領の責任を放棄した。パレスチナは国家としての存立条件が奪われたままであった(オスロ合意)。これを世界が支持した。しかし、土地は収奪され、追放され、飢餓が生じた。日本を含む国際社会は湯水のごとく支援し、大量の公務員をつくりだした。

1994年封鎖され、2000年第2次インティファーダ。オスロ合意を破って民衆蜂起が起きる。PLOが攻撃され傀儡化していく。これに対し、オスロ合意を批判するハマスが2006年に政権をとる。ハマスはイスラム抵抗運動として結成。9割がムスリム。イスラエルは分断して統治するためハマスを支援したこともあった。しかし、ハマスがオスロ体制を批判したためテロ組織とレッテルを貼られ、選挙で勝った政権であるにもかかわらず国際社会は認めなかった。その後、ハタファを取り込んだ大連立政権をつくったが、これも国際社会が認めなかった。イスラエルはハタファに軍事的支援を行い、ハマスを潰すことを狙った。パレスチナは2007年西岸地区はPLOが、ガザはハマスが権力を握る分裂国家となった。2008-2009年、2014年に大規模攻撃。2018年帰還の大行進が行われる。しかしイスラエルの攻撃と国際社会の無視が10.7につながっている。「政治交渉も認めない、デモも認めない、何をすればいいのか。」

ガザ地区への攻撃の真意は、ガザ地区の消滅。これは民族浄化である。病院・診療所・中央裁判所・大学などすべて破壊された。現在南部のラファに110万人がいる。難民をエジプトへ追い出すことを狙っている。エジプトは拒否しているが”人道的危機”がつくられ、エジプトとの国境を開けざるを得なくなる。次は西岸地区。西岸地区の一つ一つがガザ。政治的問題を人道的問題という構図をつくり、西岸地区を支配しようとしている。PLOは抵抗できない。はむかったらガザになる。

日本はアラブ諸国といイスラエルとの関係のバランスをとってきたが、9.11で対テロ戦争に加担してしまう。イスラエルは、パレスチナ支配の経験が対テロ戦略として他国に売り込んでいる。対テロ戦争の仲間にならない日本に変えていかなければならない。

G7が異常にイスラエルを支援しているが、G7は国際社会から孤立している。ヨルダンが提案した停戦決議は圧倒的多数で可決されたが、イギリスが拒否権を発動した。イスラエル国内の矛盾の拡大、日本も排外主義や戦争協力が進められているが、ここと戦うべき。長い目で見てグローバルサウスとつながっていくことが有利。「ガザの占領停止!」を訴えるべき。


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