2017年12月14日
米軍大型輸送ヘリの部品落下事故について(談話)
社会民主党幹事長 又市征治
1.MV22オスプレイが名護市安部の沿岸部に墜落、大破した事故からちょうど1年という節目の日にあたっていた13日、米海兵隊普天間基地所属のCH53E大型輸送ヘリコプターの7.7㎏の窓枠が沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校の運動場に落下し、男児一人がけがを負った。7日には、同小から約1キロ東にある緑ヶ丘保育園にCH53ヘリに使われているのと同じ円筒状の部品が落下したばかりである。一歩間違えば学校の運動場の子どもたちの生命も脅かされる大惨事になる可能性もあっただけに、日常的に米軍基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている沖縄県民の命と安全を軽視し、不安に陥れる米軍の対応は断じて許せない。社民党は、米軍に対し厳重に抗議するとともに、事故原因の徹底究明と再発防止を強く求める。
2.事故を起こしたヘリは、10月に高江に不時着・炎上したのと同型機である。米軍は、「整備の手順や運用に問題はなかった」などとして、詳細な事故原因の説明や再発防止策もないまま1週間後に飛行を再開したが、このことが今回の事故にもつながっている。米軍は昨日、事故機と同型機の飛行停止を決めたが、形ばかりの飛行停止措置ではなく、沖縄県内の米軍基地にある全機種の航空機の緊急点検を実施するとともに、飛行を停止すべきである。
3.山本朋広防衛副大臣は昨日、在日アメリカ軍のマルティネス司令官と会談し、安全が確認されるまで同型機の飛行を自粛するよう申し入れた。飛行自粛しか求められないことに、アメリカに追従する安倍政権の弱腰姿勢が現れている。しかも山本副大臣は、「再発防止策をきちんと徹底していただく。その後に飛行するなり、運用するなりという方向だ」などと述べ、同型機の飛行の一時停止と安全点検について、飛行再開が前提との認識を示した。安全が確認される前に飛行再開を認めるポーズだけの飛行自粛要請であり、危険や恐怖にさらされている住民の不安に応えようとしないとんでもない発言である。基地負担の重圧に苦しむ沖縄県民の痛みをしっかり受けとめるべきであり、発言の撤回と謝罪を求める。安倍政権自体が沖縄県民にとっての危険を増している。安倍政権は、対米追従外交から脱却し、国民の生命や財産を守る立場で、現在の危険性そのものの緊急的な除去に向け、米軍にきちんともの申すべきである。
4.米軍基地の滑走路の延長線上には、住宅や学校などのない「クリアゾーン」を設けなければならないにもかかわらず、普天間基地には適用されていない。そのうえ、「できる限り学校、病院の上は飛ばない」という日米合同委員会の騒音防止協定も空文化している。沖縄県は、1972年の本土復帰からの45年間で67件(12月1日現在)の米軍機からの部品落下が発生し、今年も米軍嘉手納基地の戦闘機F15や最新鋭ステルス機F35の部品落下とみられる事案もあったとしている。今回の事故によって、「世界で最も危険な米軍基地」と言われる普天間基地の危険性があらためて現実のものとなった。社民党は、基地あるが故の事件・事故を根絶するため、普天間基地の即時閉鎖・撤去を強く求める。