北朝鮮、核実験強行

予告どおり、今朝10時過ぎに北朝鮮が地下核実験を強行しました。

地震の規模が核実験にしては小さいため、実験が失敗に終わったのではとの憶測も流れているようですが、北朝鮮のみならず周辺地域における放射能汚染の可能性が憂慮されます。なによりも、これまでヴァーチャルだった北朝鮮の核を「リアルな脅威」に格上げするためには、運搬手段のミサイル開発(すでに実証済み)に加えて起爆装置の開発と核弾頭の小型化を必要としましたが、今回の実験でこの二つの技術的難関をクリアすることに成功したとすれば、我が国にとって甚大な脅威です。

政府の動きとともに、民主党でも対策本部が立ち上がり、菅(代表代行)本部長、鳩山(幹事長)本部長代行、松本(政調会長)筆頭副本部長の下で、事務局長を命ぜられました。
(参照:http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=9058)
今後とも情報収集に努めることはもとより、明日にも衆院本会議で「北朝鮮非難決議」がなされる見通しです。日本国民の明確な意思を示すためです。しかし、非難決議など北朝鮮にとっては何のプレッシャーにもならないでしょう。具体的な行動を伴った国際的な圧力体制を構築するため、ふたたび厳しい外交の試練が続きます。

前回のミサイル発射でも、日本政府の要求が「六カ国協議への即時無条件復帰」では弱すぎると外相に質疑を行いましたが、今回の核実験は明らかにレッド・ラインを超えたことになりますから、たんなる六カ国協議への復帰などでは到底済まされない状況であることは間違いありません。加えて、この核実験は、昨年9月の六カ国協議における共同声明の趣旨にも反する行動です。明日の非難決議案に向けた与野党協議では、その点を主張せざるを得ないでしょう。また、これまで北朝鮮を散々甘やかしてきた中国・韓国両政府の姿勢が問われることになります。

ところで、友人の中国専門家の分析によると、今回、中国の新華社は、北の核実験を11時51分に速報しており、実験実施から約1時間後という異例の速さで伝えているとのこと。2ヶ月前のミサイル実験の際には、新華社の第一報がCNNの報道を紹介する形だったことを考えると、中国政府が実験の詳細を把握している可能性が高いと。今後の安保理での協議にも影響を与える重要なポイントだと思います。日本は今月、安保理議長国ですから、前回に引き続き強いリーダーシップを発揮しなければなりません。そういう実践の積み重ねが安保理常任理事国入りにつながるのですから。(追記@2006-10-09 16:45)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )