北朝鮮、ふたたび暴挙の兆候

北朝鮮が核実験に踏み切る声明を発表しました。

かねてから予想されていたシナリオです。
声明の対象は、もちろんアメリカ。
金融制裁の解除を求めています。

しかし、たとえ核実験を行ったとしても、アメリカは従来どおり、「悪事に報酬は与えない」つまり、北朝鮮の瀬戸際外交はまたもや空振りに終わることになるでしょう。国連安保理におけるさらなる制裁決議はまちがいないところ。今度ばかりは、中国もロシアも異論をさしはさむ余地はありません。かといって、北朝鮮もこれでほぼすべての外交カードを使い切ることになり、イラクに手一杯のアメリカともどもしばらくは相互手詰まりの神経戦となるでしょう。

我が国としては、安倍首相の訪中、訪韓が決まったのですが、それが北朝鮮の核実験のタイミングに翻弄される可能性も出てきました。小泉前首相は、北朝鮮外交を政権浮揚の切り札に使ってきましたが、安倍首相にとってどのように影響するか予断を許しません。もしかすると、中国と韓国との首脳会談成功への「追い風」になるかもしれません。歴史問題などは吹っ飛んでしまうぐらい、地域の安全保障にとっては深刻だからです。

しかし、この問題を真の意味で解決できるのは、アメリカだけですから、私たちにできることは限られているというのが正直なところ。私個人としては、「悪事に報酬を与えない」というアメリカの原則論はよくわかるのですが、アメリカの関与が遅れれば遅れるほど、北朝鮮の核開発は進展していくという現実にももっと真剣に目を向けるようアメリカに働きかける必要性を感じています。

早々に外務委員会を開催し、麻生外相はじめ我が国の外交安保政策ティームに見解を質し、アメリカへの真剣な働きかけを促したいところです。
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