何かとお騒がせの多かった都知事選が終わりました。
ここでは選挙結果とは別の観点からです。
荀子
(2千年以上も昔のこと、肖像画はイメージ的のようです)
今回物議を醸しだしたのは予期せぬ多数の立候補者の掲示ポスターがそのひとつです。
そうしたニュースに脳裏に浮かんだのは「人間の性善説と性悪説」です。
孟子(BC372~290)は性善説を唱え、荀子(BC298?~238?)は性悪説の考えです。
孟子は、人間の性は善であり、人間の性をあるがままにしておけば、社会も国家もすべてうまく行く、と主張。
これに対して荀子は、人間は生まれながらの性は悪である。
生来悪であるところの人間が悪を行わないのは、礼によってその本性を矯めたからである。
すなわち、偽すなわち人為的な制度によって、本性を矯める。
それが礼である、と荀子は考えた。
(貝塚茂樹・伊藤道治共著から)
今回の教訓から新しい現実に適応した客観的な法制がいずれ実施されるかもしれません。
よく言われることですが科学技術の進歩とは別に、人間本来の本質は太古の2千年以上前とあまり変わっていない、と
言われています。
一般論ですが小学生ごろまでは性善説的な言動ですが、中学生以上になりますと世の中を生き抜く知恵として
残念ながら性悪説的な言動が時には表れるのではないでしょうか。
「法に基づく政治」という言葉を最近よく耳にします。
出来れば性善説の孟子の唱える世の中の方向になってくれれば良いと思いますが、現実は・・・
これに関連するかどうかですが、天皇家では諱に「仁」の字がご使用されています。
上皇殿下、今上天皇殿下、秋篠宮殿下の御三方共にです。
由来は孔子の儒教からのようで、「仁」はいつくしむ、親しむ、思いやりの意だそうです。