純粋な欲、という言葉が唐突におりてくる。
提供者はアルゴル。
「人間は、人間間の欲にふりまわされている。
自分が何を欲しているのかわからない。
生まれたときから、強烈な欲があるものはそれを道標に
それで人間生活をおこなうことができる。
ある意味楽だ。そういう人間は。
そして周囲の環境がそれに見合ったものなら最高だろうね。
でもそうではない人間も多い。
性質や環境的に、欲を塗りつぶされる者たち。
他人の意見や環境に翻弄される者たち。
結局自分がなにをやりたいのかわからない。
でもそのままでは、他の人間に操られたままだ。
奴隷だね。それは。
奴隷は、やめたきゃやめればいい。
その手法の一つが、自分が本当にやりたいこと
欲望、欲、欲求。
それを知ることだ。
知ることで、剥がされる。
偽の欲、欲求、欲望が。
剥いで剥いで、そのうちに知る。
自分のたったわずかな、小さな、真の欲求を。
それを知ったとき虚無感に襲われるかもしれないし
光明を得るかもしれない。
しかし、人間は知らねばならない。
そうしなければ、踊らされる。
まあ踊りたいのなら、永遠に踊るのもいいけどね。
我々は、そういう人間を使う。
奴隷根性、というのはそういうことだよ。
彼ら彼女らは自ら奴隷であることに甘んじる。
何もしたくない、ひきこもりたい。
考えたくない。行動したくない。
踊らせてほしい。命令してほしい。搾取してほしい。
それが嫌なら鎖を外せ。
そして鎖を外し続けることだ」