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NEW 4.5.8 Multipliers values obtained throughout the scoring run will be summed together before multiplying the other points gained during the run.
得点走行中に取得した掛け算の係数は、競技で獲得した他のポイントを計算する前に算出されます。
これは総合得点を計算するときの計算の順番を示しているのだと思うのですが・・・
掛け算の係数に関係するのは
①被災者の救助成功
②レスキューキットの配布成功
③救助区域を含むチェックポイントの区間での競技進行停止の回数
の3つですよね。
競技が終わったら・・・
①~③から掛け算の係数を算出します。(例えば1.44)
そして、その他の得点を算出します。(例えば120点)
その2つを掛け合わせます。(120×1.44=172.8)
算出された数字を整数化(0.1の位で丸める・・・)します。(例えば 173点)
これが、その競技での得点になります。
こんな感じでしょうか!?
NEW 4.5.9 An exit bonus is awarded when the robot has reached the goal tile and has completely stopped for more than 5 seconds (this time is included in the total 8 minutes). The exit bonus is a non-negative number and is given by 60 - 5×(total lack of progress) points.
ロボットがゴールタイルに到達し、5秒以上完全に停止すると、脱出ボーナスが付与されます(この時間は合計8分に含まれます)。脱出ボーナスは 60-5×(競技進行停止の数)ポイントで与えられ、マイナスにはなりません。
メイズと同じように「脱出ボーナス」が規定されました。
ロボットがゴールタイルに辿り着き、5秒間停止したら「脱出成功」になります。
得点は 「60-5×(LOP数)」なので、最高60点、最低0点です。競技進行停止を12回やってしまうと、せっかくの脱出ボーナルが0点になってしまいます。(競技進行停止でスキップばかりしていると、すぐに0点になってしまいますね。)
競技時間は8分間ですが、この5秒停止の時間は8分の中に入っていなければなりません。(例えば、ロボットがゴールタイルで停止したのが、7分57秒で、5秒間停止しても・・・既に8分を越えているので脱出ボ-ナスはもらえません、ということです。)
NEW 4.5.10 The multipliers obtained from evacuations are used to increase the scores obtained from the line tracing course. The scores will be rounded to the nearest integer in each round.
(被災者の)救助で取得した掛け算の係数は、ライントレースコースから取得した得点を増加させるために使用されます。得点は、各ラウンドで最も近い整数に丸められます。
掛け算の係数は、競技進行停止の数によって減らされますが、1.0以下にはなりません。だから、掛け算をしても得点が減ることはありません。
そして、計算の結果、少数以下は丸められます・・・丸めるというのは、いわゆる四捨五入ですよね。
実際の競技でも、電卓がないと得点計算ができませんねぇ。
4.6.2 If a lack of progress occurs, the robot must be positioned on the previous checkpoint tile facing the path towards the evacuation zone and checked by the referee.
ここは変更されていないのですが・・・逆に変更されていなければダメでしょう。チェックポイントが、救助区域の後に設置されるかもしれません。
だから facing the path towards the evacuation zone ではなく facing the path towards the goal tile に変更すべきです。
NEW 4.6.3 After a lack of progress, the team must reset the robot by using a switch located in a clearly visible location by the referee (see 3.2.8).
競技進行停止の後、チームは審判がはっきりと見える場所にあるスイッチを使用してロボットをリセットする必要があります(3.2.8を参照)。
人間による怪しい操作の防止のためのルールですね。
競技進行停止の後の再スタート時には 3.2.8に書かれているように、1つのスイッチしか操作しちゃダメ!
ってことでしょう。
厳しい!(笑)
4.6.6 The team captain may choose to make further attempts at the course to earn the additional points available for navigating obstacles, gaps in the line, dead ends, intersections and speed bumps that have not already been earned before reaching the checkpoint.
ここも変更が無いのですが・・・列挙されている得点イベントにシーソーが追加されるべきですね。(そういう意味では、傾斜路も追加されるべきでは・・・いままで何で無かったんだろう!?)
毎回、得点イベントを列挙しなくても単に「まだ成功していない得点イベントに挑戦するために・・・」というような書き方にすれば、毎回変更しなくて済みます。
NEW 4.6.8 The rescue kit will be placed where it was (even if it is located on the robot) when a lack of progress is called.
競技進行停止になったとして、レスキューキットは、そのままにします。 (たとえロボットに搭載されていても)
レスキューキットは、競技進行停止になっても、現状の位置(状態)のままで戻しません。(ロボットが持っていれば、持ったまま・・・)
この文章ですが、google先生の助けで「レスキューキットは、競技進行停止になったときの場所に置かれます。 (たとえロボットに配置されていても)」と翻訳していたので、競技進行停止になったら、「キットを床に置く」と思っていました。
でも、そうではないそうです。(英語は難しい!)
NEW 4.6.9 Any seesaws ahead of the robot's path can be moved to the favourable direction when a lack of progress is called.
ロボットの進路の前方にあるシーソーは、競技進行停止の場合に適切な方向に倒します。
競技進行停止で、シーソーの手前に戻った時には、シーソーを適切な状態(ちゃんとロボットが登れるように)倒します。ってことですね。
やっと、最後の変更点になりました。
NEW 4.7.2 The round ends when:
a) the time expires;
b) a team captain calls the end of the round;
c) the robot reaches the goal tile and completely stops for 5 seconds (see 4.5.9)
次の場合に競技終了になります:
a)競技時間が終了する
b)チームキャプテンが競技終了を宣言する
c)ロボットがゴールタイルに到達し、5秒間完全に停止する(4.5.9を参照)
はい、c)の部分が変更された「NEW」ですね。
何度も書きますが・・・日本の競技会では b) で「リタイア」とよく言いますが・・・世界大会では通用しません。
普通は「Finish」または「Give up」「End game」などと宣言します。
はい・・・長かったですが・・・Rescue Line 2020年ルールは以上ですね。
お疲れ様 オレ!
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