2021年度のノード大会ですが・・・
関東ブロックの中のすべてのノード大会をコンプリートしてきました。(笑)
レスキューWL(Rescue Line)は2020年ルール、レスキューNLは2021年ルールで競技をしました。
その競技を間近で見ての・・・ルールの感想です。
■レスキューWL(Rescue Line)
感想その1
・競技前にレスキューキットのレベルを選択させるのですが、レベル2(途中の経路に置く)を選択して、経路の途中でレスキューキットを認識してロボットに搭載するというような高度な作業ができるロボットはありませんでした。
唯一、千葉チードの「ゔぃるへるむ」は、その能力があったのですが、競技が一発勝負だったからか、競技本番ではレスキューキット:レベル1でした。ただ、練習で、経路上に置かれたレスキューキットをロボットに積み込むことができたと聞いてます。
今のところ、レスキューキットが「そこに有る」ことを認識して積み込むのは容易ではなく、とにかく経路上にあるものを(偶然!)積み込んで避難場所まで運んで放り込む・・・という作戦が現実的だと思われます。
ということで、レスキューキットを経路上に置くというルールは意味があるのかな・・・と思いました。
感想その2
・レスキューキットの輸送に成功すると(レスキューキットを避難場所に入れることができると)レスキューキットの乗数が得られます。レスキューキット:レベル1(最初からレスキューキットをロボットに載せておく)の場合、避難場所:レベル1なら×1.1.避難場所:レベル2なら×1.2の乗数となります。
で・・・実際の競技を見てみると、ほとんどのチームが避難場所:レベル2を選択して、×1.2を狙っていました。考えてみると、レスキューキット:レベル2(レスキューキットを最初からロボットに載せて置く)であれば、避難場所:レベル1でも避難場所:レベル2でも難易度は変わらないように思います。だから避難場所:レベル2の場合でも×1.1で良いのではないでしょうか!? (つまり、最初からロボットにレスキューキットを載せる場合は、避難場所のレベルに関係なく同じ乗数で良いのではないか・・・ということです。)
感想その3
・レスキューキットを最初からロボットに積んでいるロポットが競技進行停止になったときに、キャプテンがロボットを持ち上げてチェックポイントから再スタートさせます。ロボットを持ち上げたときにレスキューキットを(ポロっと)落としてしまった場合には、キットを戻して(手で再びロボットに積んで)良いのでしょうか? それともダメなのでしょうか? ルール上は、はっきりしてないですよね。
感想その4
・(私としては謎のルール追加なのですが・・・)ロボットにハンドル(把っ手)の設置が義務付けられました。今回のノード大会でも、車検でチェックされて、装備していないロボットは、その場で追加してました。(LEGOのロボットが多かったので可能だった。)
で・・・このハンドルですが・・・まあ、設置要件が明確でないので「自称ハンドル」が結構ありました。これ、設置を義務付けるのなら、もっと要件を明確にしないと意味がないと思います。例えば、競技進行停止の時にロボットを移動するのに触れていいのはハンドルだけ、とか・・・
(ついでに・・・「えっそんなルール追加されたのですか?」と、このルールを知らないチームも居ました 苦笑)
■レスキュー日本リーグ
感想その5
・救助ゾーンの入口には銀色のテープが貼ってあり、ライントレースしてきたロボットとしては、銀色のテープを感知することで「ここから先は救助ゾーン」と認識することができます。救助ゾーンで被災者を発見した後に、救助ゾーンを(完全に)出て5秒間停止すれば脱出ボーナスなのですが・・・救助ゾーンを出たことをロボットはどうやって知るのでしょうか? 入口(出口)に貼ってある銀のテープも銀の被災者を同じように見えますよね。 銀色の被災者と入口の銀テープの区別ができないので、同じ色を使うのはよくないのではないでしょうか?
感想その6
・別の記事でも書いたように、日本リーグで救助部屋を出て脱出ボーナスを得るのに・・・救助ゾーンの入口(出口)から出て黒線を緑の被災者と誤認識をして「停止して5秒間ランプを点滅」の5秒間停止で脱出ボーナスを得た事象がありました。つまり偶然でも脱出ボーナスをもらえてしまう、ということです。(部屋を出た認識が無くても、脱出ボーナスがもらえてしまう。) これは本来の脱出ではないですよね。ちゃんと脱出したことのアピール(例えば、15秒間停止するとか、ランプを10秒間点灯させるとか)に変更するとスッキリすると思います。
感想その7
・救助部屋には、銀色の被災者、緑色の被災者がいて、(なぜか)得点が違います。でも、(床が白で)銀色も緑色も検知する難易度は一緒です。これは、銀色の被災者を見つけたら白色の光を点滅、緑色の被災者を見つけたら緑色の光を点滅、というように見つけた被災者によって発見のアピールを変えて、認識が正しければ30点、被災者を見つけたけど、色の認識が間違っていた場合は15点とかにすればいいのに・・・
あと・・・
General Rules で・・・無線の使用を制限しています。Bluetooth Class2、Bluetooth Class3、Zigbeeで「ロボット間の通信」のみの使用を許可しています。(レスキューは、ロボット1台の競技だから実質的に無線の使用は禁止。)だから、これら以外の通信プロトコルはダメだし、ロボットやPCの通信もダメ、ですよね。競技中(scoring run)に使用できないのは分かります。じゃあ、競技中以外では使っていいの?
これ、General Rulesを確認したら・・・
競技中(レスキューでは8分の競技の間)は、PCとロボットの無線通信を禁止しています。だから、8分の競技の中の調整(Calibration)に、修正したプログラムを「無線で」ロボットに転送したり、ロボットのセンサーの値を「無線で」PCに表示したりするのはルール違反になります
やっぱり、日本のチームは General Rules を理解していない(意識していない)ように思います。
(逆に競技中でなければ、ルール上は無線の使用が禁止されている、訳ではなさそうです。だから、パドックでの無線使用や、練習中に無線を使用することは禁止されてはいない・・・この無線の話は別記事にします)
以上、ノード大会の競技を見て思ったことです。
続きの記事はこちら 無線通信の使用について