アケビを食す:
何とも、珍しいものが、眼に入ってきたので、思わず、土産に購入してしまった。土色とでもいうのか、やや、紫色に変色したアケビのさやが横に、口を開きながら、中から、白井透明なつぶつぶの果肉が、美味しそうに、鮭のいくらの卵のように、固まって、覗かせている。もうそろそろ、完熟の食べ頃であろうか?なかなか、普通のお店では、お目に掛かれない代物である。そもそも、こんな果物(?)を食した経験のある人は、相当の年配の人でないと、いないのではなかろうか?食べ物とは、食べた経験がないと、なかなか、手を出しにくいものである。そういう観点からすると、このアケビなどは、桑の実などと共に、危険危惧種、化石的な果物に、今や、なりつつあるのかも知れない。そんなことを考えながら、黒い小さな粒を出しながら、食すると、結構、実に、美味である。こういうものは」たくさん食べる必要は全く無いであろう。ただ、季節の旬に、一口、一味だけ、食すれば宜しいのかも知れない。その意味では、松茸などとも、同じ感覚かも知れない。ある種、贅沢な果物なのかも知れない。それにしても、地方でのこういったある種の稀少な食べ物を食することができるという事は、誠に、恵まれているという他ないかも知れない。毎年、すこしづつでもよいから、こういう商品を、産直売り場には、並べてもらいたいものである。宿泊施設で、提供したら、どんな反応をお客さまは、示すことであろうか?きっと、すぐに写真撮影して、SNSに投稿でもすることであろう。運がよければ、アケビが食べられる宿!というキャッチ・コピーも、悪くはなさそうである。