ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

夜明けの世

2019-06-07 04:30:24 | 短歌





われのなき 闇にくづれし あやかしの 群れて騒げる 夜明けの世かな





*たまにはわたしも何か書きましょう。でないと忘れられる恐れがある。

この存在も、少しずつではありますが、スランプ状態から抜け出しつつあります。しかし詩はなんとかなるんですがね、歌の方はどうもまだ出にくい。いろいろがんばってはいるのですが。なので表題の歌は、しばらく前にツイッターで発表したものです。

自分がないという闇に崩れた、妖怪のようなものが群れて騒いでいる、夜明けの世であることよ。

今、この世界では、天使が流行っています。だれもそれをことさらには言いませんがね、多くの人間が天使の真似をしている。髪型や服装をおとなしめにして、表情も天使に似せている。自分たちではいいと思っているのかもしれませんが、われわれから見るとおかしいなどというものではない。人間はそんなものではないからです。

人間はこの時代、天使をただ美しいからという理由だけでみんな殺した。そして今、狂ったように天使の真似ばかりしている。

本当の自分はそんなものではないとわかっているはずなのに、やめられない。ああいうものになりたいのだ。どうしても、天使のように美しく、人間ではないものになりたいのだ。

人間が、自分というものを知った、夜明けの時代だというのに、馬鹿者どもの心はいまだに深更にあるかのようだ。自分ではないものになりたいという闇に溺れて、見境もなく天使の真似ばかりしている。

彼らは自分を冷静に見られないらしい。天使の真似をした自分が、とてつもなく美しいと思い込んでいるらしい。いい加減嫌になってきますが、言ってあげましょう。それは馬鹿ですよ。みんなに正体はばれている。人間ももうだいぶ感覚が進化して、嘘を見抜く目が鋭くなってきていますから。

顔もスタイルも服も、どんなに美しく装おうとも、それが嘘であるなら、全然美しくはないのです。

何度も言いましょうね。何度も言われなければわからない。人類は今天使に狂っているのだ。何もかも自分を忘れて天使になりたいと思うほど、自分を見失っているのだ。

夜明け前が最も暗い、という言葉が本当なら、今この闇の中で胎動している心とは何でしょう。たぶんそれは、あの滑稽な天使の真似人間の大群を見せられている人間の中にある。

どぎついくらい鋭く、天使の真似をしている馬鹿者どもを、見ている本当の人間がいる。

そういう人間たちは、どういう表現をしていくでしょうか。





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