ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

自分以外の

2019-08-04 04:37:55 | 短歌





ずるばかり してる自分が 嫌だから 自分以外の だれかになりたい





*また大火節です。いや、わたしも詠んでるんですがね、それなりの歌を。ですがこの大火節の前には、わたしのほうがだいぶかすんでしまう。古語を使って、少しは格調高くやりたいところなのですが、あまりにきついので、どうしてもこっちを取り上げてしまいます。

人まねばかりしている女性の本音がそのまま歌になっているという例ですね。ずるというのは、他人から美貌を盗んで自分にかぶせ、自分を美人にしているということなのですが。

そういうずるをしていると、自分が汚くなって、とても嫌な感じがするのです。で、自分が嫌になって、他のもっといい人間になりたくて、また人のものを盗む。それで自分はいい人間になれたかというとそうではなくて、人のものを盗んだ自分がまた汚くて、嫌になる。

まあ、自分から逃げている人は、必ずこういう負のスパイラルの中にいるのです。

この苦悩から救われるには、もう一切の嘘を捨て、真裸の自分になり、本当の自分を正直に生きていくのが一番なのだが。

そうすると、自分がブスになってしまうので、それは嫌だと、馬鹿な女は言うのです。

嘘でも美人の顔の方がいい。で、嘘で自分を美人にしている自分が醜くて、苦しい。偽物の顔をかぶっている限り、その苦悩は永遠に続く。


いついはりを 捨ててまことを 生きむとぞ すればおのれの 道はひらかむ


本当の顔に戻れば、すべてを失う。だから人は偽物の顔をかぶって、それでなんとかうまいことをして、やっていこうとするのだが、本当は、本当の顔に戻ってすべてを失うほうがずっといいのですよ。

それは苦しいが、偽物ではない美しい真実がある。

人間を落ちて、美しいこの世を永遠に去りたくないなら、偽物の顔を捨て、本当の自分に戻り、どん底に落ちて苦しんだ方がいいのです。

ですが、それができる人は、ほとんどいない。馬鹿はいつまでも、盗んだ顔をかぶって、自分ではないものになろうとして、苦しみ続けるのです。





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