モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

栗駒山を巡る2(北と西)

2024年02月29日 | 栗駒山

(本頁は「栗駒山を巡る1(南と東)」の続きである。)

栗駒山は秋田から見えにくい。
それは
前衛の山々が秋田の南東部に厚くひしめき合っているせいだと思われる。
前衛の山々の高さは400mから1000m。この程度の高さならば、
大仙市など遠く離れた場所に行けば、それらの山の高さを越えて見ることが出来る。

2024/02/17 大仙市郊外から栗駒山を望む。


しかし栗駒山自体はとても小さくなる。
また太陽角度の関係もあり、南にある山は見えにくい。
よって上写真のように見えることはきわめて稀、年に何回あるかわからない。

前衛の山に登れば見えるかなと思い、チャレンジしてみた。

ところがそういった山には得てして登山道が無い。
仮に有ったとしても樹林や別山に邪魔されて見えにくい。

今のところ、まあまあ見えるのは横手市と美郷町の境に聳える黒森山(763m)と
後述する由利本荘市の八塩山くらいだった。

2021/05/12 黒森山から栗駒山を望む。



その姿は前頁冒頭で焼石岳山頂から見たものと同じく三つのピークが並ぶ構図だった。


参考マップ



ところが秋田の栗駒山は意外な場所から見える。
いや見えていた。

それは(横手市十文字町の北部にある)私の実家玄関先の道路からだ。

2024/02/17  



南東の低山の間から、栗駒山と展望岩頭の山頂部が見えるのだ。

2024/02/17  


だがこんなのは見えるうちに入るのだろうか。

秋田の低地から見える場所がもう一箇所有る。
現在は湯沢市となっているが、旧稲川町の稲庭町、
ここは稲庭うどんで有名な町だが、そのちょっと南と旧皆瀬村北部の
限られた場所から見ることが出来る。

2024/02/17 稲庭町付近から。



2015/12/10 稲庭付近から。



秋田側から栗駒山に行くと、必ず寄るのが須川湖だ。
かつては朱沼と呼ばれた。

2016/05/14 須川湖から栗駒山方面を望む。



湖畔から秣岳と展望岩頭はよく見えるが、栗駒山は見えにくい。

2016/05/14 須川湖から秣岳を望む。



2021/10/04 須川湖の秋バージョン。



2018/05/23 須川高原から見た秣岳。



栗駒山は西側にも山が多く、平地は皆無なので、低平地からその姿を望むことは不可能だ。

それでもどうしても栗駒山を眺めたい御方は山に登るしかない。

2020/09/29 木地山高原苔沼付近から秣岳を望む。



2020/06/06 小安岳から栗駒山を望む。



2020/10/18 高松岳から栗駒山を望む。



2016/10/22 高松岳から栗駒山を望む。



この日は中腹以下は紅葉が盛りだったが、栗駒山の山頂部には偶々霧氷が降りたようで白っぽくなっていた。

2020/10/18 山伏岳から小安岳越しに栗駒山を望む。



泥湯三山(小安岳、高松岳、山伏岳)のすぐ南、虎毛山に登ると・・・

2018/06/03 虎毛山山頂から栗駒山を望む。



2018/06/03 虎毛山山頂から栗駒山を望む。



虎毛山は2018年8月の大雨以降、土砂崩れ等で登山しにくい状況が続いている。

更に南、鬼首に行くと、鬼首のカルデラ内から、栗駒山は見えないが、
禿岳に登るため、花立峠(796m)まで行くと、やっと見え出す。

2021/10/25 禿岳への登山道から栗駒山を望む。



2021/10/25 禿岳への登山道から栗駒山を望む。



栗駒山に最も近い西側スポット、花山峠(741m)から望むと・・・

2018/10/08 花山峠から。



ここからは丸くなだらかな展望岩頭と寄生火山の虚空蔵山の存在が目立つ。

ラスト二枚は西側の端っこから。

2023/10/24 八塩山から。



2021/09/20 鳥海山七高山山頂から。



以上。

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栗駒山を巡る1(南と東)

2024年02月27日 | 栗駒山

(本頁は「東山って知ってますか。」の続きである。)

昨年末から秋田や近くの山の姿形について順次語っている。
今は奥羽山脈を南下中であるが、その南限は栗駒山にしようと思っている。

2018/07/27 焼石岳山頂から栗駒山と秣岳を望む。



栗駒山はとても奇麗な山だ。
私事で恐縮だが、以前(2016年まで)、40年以上にも及ぶサラリーマン時代、
私は月に一乃至二回のペースで、秋田市と仙台市を参勤交代のように行き来していた。
その際は東北新幹線、それが走る前は東北本線を利用していたが、
岩手県南部から宮城県北部を掠める際、愉しみなのは栗駒山の姿を見ることだった。
夏場は雨や霞などで見えないことが多かったが、
冬場や春の晴れた日、その姿が見えた時はとても嬉しかった。
東北には姿の美しい山が多い。
栗駒山は岩木山や岩手山、鳥海山のように富士山型ではないが、

個人的にはいい形をしていると思っている。
少なくとも東北新幹線の車窓から見る山ではダントツに奇麗だと思っている。
ところが残念、それを写した写真が一枚も無いのだ。
当時、新幹線に乗るのは、会社勤務、出張のためであり、
カメラを持って車窓の景色を写そうという発想が無かった。
栗駒山は観光登山目的では何十回となく訪ねており、写真もいっぱい撮っているが、
こと山の姿形、特に宮城や岩手側から撮った写真が欠落していることは至極残念だ。
今さら撮りに行こうとしても、時間は有るが新幹線に乗ったり、高速道を走るお金がない。
ところが、先日、宮城県在住の友人、渡邉 久氏が栗駒山を撮った素晴らしい写真を多数お持ちである
ことをふと思い出した。

氏に相談してみたところ、借用の許可を頂いた。
以下、七枚がその写真である。
渡邉 久氏にこの場を借りて厚く御礼申し上げる。

2022/04/02 笹倉山眺子ノ口展望台(大和町)から。七ッ森湖と右に七ッ森。渡邉 久氏撮影。



2022/04/02 笹倉山眺子ノ口展望台から栗駒山をアップで。渡邉 久氏撮影。



2023/02/28 色麻町から。渡邉 久氏撮影。



南側、宮城県の北部から見る栗駒山は幅が広く、なだらかに見える。
山形の月山に少し似ている感じだ。
登米や築館あたりまで北上すると、少しだけ形が変わってくる。左側に少し突き出したのは寄生火山の大地森。

2021/03/19 登米市付近から。渡邉 久氏撮影。



2023/04/10 栗原市築館付近から。渡邉 久氏撮影。



2023/06/20 世界谷地湿原から。左のピークは大地森。渡邉 久氏撮影。



岩手県に入り、一関あたりから眺めると、山頂部がやや尖った印象になる。

2023/04/10 一関市厳美渓付近から。渡邉 久氏撮影。



この姿がキリっとして好いと言う人も多い。
なお岩手では栗駒山を須川岳(すかわだけ)と呼ぶ人が多いようだ。


参考マップ



一関より北に行くと、高檜能山(927m)など前山のかげになり、栗駒山は見えにくくなる。
焼石岳山麓(奥州湖)と焼石岳山頂から見た姿を列記する。

2021/06/10 焼石岳山麓(奥州湖)から栗駒山を望む。



2020/10/21 焼石岳山麓(奥州湖)から栗駒山を望む。



2018/07/27 焼石岳山頂から栗駒山を望む。 
 


焼石岳(山頂)から望む姿は、左から栗駒山、展望岩頭、そして少し離れて右に秣岳が並ぶ構図となる
(冒頭写真参照)。


栗駒山に登ってみた。

参考マップ



須川温泉から入山し、産沼(うぶぬま)を掠め、栗駒山頂に達した後、
展望岩頭、天馬尾根を通り、秣岳から須川湖に下りる周回コースとした。

2018/09/26 名残ヶ原にて。



2021/10/04 産沼に行く途中から剣岳を振り返る。



栗駒山山頂は人が多すぎるので、いつもすぐに通り過ぎてしまう。

2019/09/28 天狗平付近から山頂部を振り返る。



2021/10/04 展望岩頭から昭和湖を望む。



2021/10/04 展望岩頭から龍泉ヶ原や須川湖を望む。



2018/05/21 展望岩頭から天馬尾根、秣岳方面を望む。



2019/09/28 仮称・モンサンミッシェル峰



2018/10/03 秣岳山頂下から栗駒山と展望岩頭を振り返る。



須川湖に到着。

2021/10/04 須川湖畔から、バックは剣岳と展望岩頭。栗駒山本体は左奥。 



栗駒山を巡る2(北と西)」に続く。

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焼石岳の花(4) 7月高所編

2024年02月26日 | 焼石岳/花と山容

(本頁は「焼石岳の花図鑑(3) 7月低所編」の続きである。)

七月以降、中沼コースを歩くと、
中沼の畔から姥石平の入り口あたりまで、あちこちでアヤメの花を見かける。

北方系のアヤメ、ヒオウギアヤメだ。
積雪量の多い銀明水付近では開花が遅く、八月に咲くものもある。

この仲間は初夏、梅雨時の花というイメージがあるせいか、
真夏の
しかも、高山のアヤメには少々面喰ってしまう。

姥石平下のヒオウギアヤメ 2017/07/14



ヒオウギアヤメ 2017/08/06
    

                                      オオバミゾホオズキ 2017/07/14


銀明水やその上の湿った斜面草地には、
夏場、ミヤマキンポウゲやシナノキンバイ、カラマツソウ、モミジカラマツ、リュウキンカ・・・
とキンポウゲ科が多い。
それにヒオウギアヤメやコバギボウシなど紫パーツが微妙に絡む。

このお花畑、残雪の量により、開花期が大きく変わる。
いつも肩透かしを食らう場所だ。

ミヤマキンポウゲ 2017/07/14



シナノキンバイ 2021/08/05



カラマツソウとシナノキンバイ 2017/07/14



カラマツソウ 2017/07/14



モミジカラマツ 2017/07/08
 
                                         ミヤマカラマツ  2017/07/08


ミヤマカラマツは東成瀬コースや銀明水以下の樹林帯に多い傾向が有った。

ヒナザクラは銀明水より上の雪渓際などでよく咲いている。
開花は雪解けに左右され、早いものは六月、場所によっては八月に咲き出すものもある。

ヒナザクラ 2017/07/14



ウサギギク 2017/07/14
    

                                                                                                                        チングルマとイワカガミ。2017/07/14


チングルマの実 2017/07/08



アカモノ 2017/07/14



七月の焼石は花が少ないと先に述べたが、
その最たるものが姥石平だ。
この時期は緑一色なので、六月中旬までのあの花筵は夢だったのかといつも思う。

がよく見ると地味な花がけっこう咲いている。

七月の姥石平。バックは横岳。2017/07/14



ムカゴトラノオは東北では極めて少ないが、焼石には多く、他は和賀岳山頂部くらいだろうか。

ムカゴトラノオの群生。2017/07/14



ムカゴトラノオ 2017/07/14
   

                                        ネバリノギラン 2017/07/14

キバナノコマノツメは場所によっては六月から咲いている。

キバナノコマノツメ 2017/07/08
 

                                      ウスユキソウ 2017/07/14 


オノエラン 2017/07/14



他にはギョウジャニンニクが多いと聞くが、この花はいつも撮り逃がしてしまう。
 

マルバシモツケ 2017/07/08
 

                                     ウラジロヨウラク 2017/07/08


他の高山でよく見かけるニッコウキスゲやヨツバシオガマを、焼石では何故か見かけない。
七月の焼石が寂しく感じられるのは、案外このあたりが理由なのだろうか。


以上。


「(5) 8月低所編」へ続く。

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焼石岳の花(3) 7月低所編

2024年02月24日 | 焼石岳/花と山容

(本頁は「焼石岳の花図鑑(2) 6月高所編」の続きである。)

東北の他の高山、例えば早池峰や秋田駒、鳥海山では、
七月になると、花がワッと多くなるものだが、

焼石ではどうしたのか、花が少なくなったように感じる。
種類は多くなっているのに何故だろう。
新たに咲く花が偶々地味だったり、白花が多いせいだろうか。

樹林帯でまず出会った花はギンリョウソウだった。


ギンリョウソウ 2017/07/08



地味だが、ランの仲間が多い。
 

ジガバチソウ 2017/07/08
   

                                          ノビネチドリ 2017/07/08

コケイラン 2017/07/08
 
                                          ショウキラン 2017/08/06


ショウキランは例年ならば、七月中に咲くのにこの年は何故か八月にも咲き残っていた。

オオバタケシマラン 2017/07/08



マイヅルソウ 2017/07/08
 
                                         ツクバネソウ 2017/07/08


クルマバツクバネソウ 2017/07/08
 
                                         ツマトリソウ 2017/07/08


キヌガサソウは焼石岳のあちこちに散在して生育している。

焼石沼付近のキヌガサソウ小群生。 2018/06/23



キヌガサソウ、南本内岳の個体 2018/06/23
 

                                         銀明水付近の個体 2017/07/08


ヤグルマソウ 2017/07/08  
   

                                           ツバメオモト 2018/06/23


ワタスゲ 2017/07/14



ヒロハユキザサ(ミドリユキザサ) 2017/07/08
   

                                          ミツガシワ 2017/07/14


ミツガシワは上沼に多い。

コバイケイソウは上沼の湿地では、六月中に咲き出しているが、

南本内岳の山頂部では七月が盛りだった。

コバイケイソウ 2017/07/08



以上。


(4) 7月高所編」へ続く。

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東山って知ってますか。

2024年02月23日 | 秋田県南の低山

昨年末から秋田や近くの山の姿形について順次語っている。
焼石岳(こちら)の次はその南西にある東山だ。
このお山、秋田でも南東の端っこ、岩手との県境にあり、
奥地なので平地からは見えにくい。

秋田では国道13号線を南下、横手市十文字町から平地を少しだけ、
西側に移動すると(十文字町植田付近まで行くと)

南東の山あいにラクダのコブのような変わった姿を現す。
ラクダは確かフタコブまでと聞いているが、このお山はミツコブだ。

2017/12/31 十文字町植田付近から東山を望む。



東山やそれが見える十文字町植田の位置は次のマップで確認いただきたい。

参考マップ



ところで同じ場所(十文字町植田)からは東山のすぐ左側(北側)に焼石の山なみが望まれる。

2017/12/31 十文字町植田付近から焼石岳の山塊を望む。



東山の読みは変わっている。
私はずっと「ひがしやま」と思っていたが、
約十年前、山と渓谷社・発行の新分県登山ガイド4「秋田県の山」を読んだところ、
「とうざん」と読むことを知った。

山と溪谷オンラインの解説によると、
「正式名は、東山(とうざん) 標高1,116m」
「栗駒山群の北端に位置する山で、三角点のある下東山と高峰の上東山の2つの峰からなる。
山腹のブナ林は特定植物群落に指定されている。
東山の古名は「東山森(どやもり)」で、2つの峰を仲間(ドヤク)に見立てたことと、
東方にあることに由来するという。
三角点のある下東山へは道はなく、やぶこぎが強要される。」
とあった。

こんなお山だが、私は登山をする遥か前、子供の頃から知っていた。
何故ならば、私の実家の玄関前からこの山が見えるのだ。






それは真人山(まとやま)という地元の有名な低山の右奥にちょろっと見える。
名前を知りたかったが、私の家族も近所の大人たちも誰もわからなかった。

再び、十文字町植田付近からの東山の眺め。

2016/02/18


こんな姿の山は珍しいと思う。
近くから見たいと思うのは私だけだろうか。
この日は山麓まで行ってみた。

十文字町から国道342号線を東進、東成瀬村に入り、
焼石岳の山裾に突き当たったら、国道を南進、
谷地の集落が近づくと、東山がまた見えて来る。
椿川の休憩所、確かビューポイント栗駒に登るとよく見える。

左が下東山(1117m)、真ん中が上東山(1116m)、右の山は名前がわからない。



下東山(1117m)と上東山(1116m)



下東山(1117m)をアップで。




同じ山々の春風景。撮影日は2015年4月23日。










新緑の頃。撮影日は2016年5月14日。




秋、紅葉が始まった頃。撮影日は2017年10月11日。 







ところでこのお山に私はまだ登ったことが無い。
先のガイドブック(新分県登山ガイド4「秋田県の山」)によると、
この山に登るには、西山麓の天江(てんごう)集落の国道端にある
NTT関連設備から始まる林道に入る。
そして三合目のアンテナ塔付近の駐車場に車を置き、
そこから歩きとなるとのこと。

なお登山道は上東山(1116m)までで、コースタイムは約2時間とあった。
1m高いだけの最高峰・下東山(1117m)に至る道は無いようだ。

参考マップ


私の場合、マイカーの車高(最低地上高)が低く、この林道の走行は難しいと聞いている。
そのためいまだに登頂を果たせていない。
単独だとクマも不安だし、生きている間に登頂できるのだろうか。
このお山、東の岩手側から望むことは難しいようだが、
北東にある焼石岳からは見えた。

2021/10/14 焼石岳山頂付近から東山方面を眺める。



以上。

栗駒山」に続く。


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