いよいよ、この旅行の戦略的目標である絵画を中心とした美術品の鑑賞です。
従来、エルミタージュの本館・冬の宮殿3階に展示されていた、印象派以降の作品ですが、現在は新館に移されていました。そのため、本館の見学の前にガイドさんが案内してくれることになりました。宮殿広場を挟んで向かい側の建物です。
そのあと、本館の展示品をKオジサンさんと二人で見て回ったのですが、正直に言って疲れました。
あらかじめ見たい作品や、コースについても検討してきました。はじめは良かったのですが、自分の位置はわかっても、次に行くべきルートが分からなくなってしまうのです。係りのおばさんと、双方共の片言英語ではなかなからちがあきません。
広いし、人は多いし、山へ登るよりも疲れてしまいました。
それでも、絵画のほか彫刻や古代の遺品まで、かなり広範囲に見てくることができたので良かったと思います。
(1)印象派以降の作品がある新館 小さなバルコニーの下が入口です
(2)印象派やそれ以降の展示作品
1.あばら屋 ; ゴッホ 2.Lady in the Garden ; モネ
3.ピアノを弾く少女 ; セザンヌ 4.ダンス ; マチス
ジャンヌ・サマリーの肖像 ;ルノアール
最も見たかった作品の一つです。
この作品の前にルノアールが描いた半身像のジャンヌ・サマリーの絵を「プーシキン美術館展」(2013年、名古屋)で見ました。そこで今回エルミタージュで全身が描かれた方の絵をぜひ見たいと思っていたのです。
彼女は女優で、数年間ルノアールのモデルを務めました。しかし、このあと34歳の若さでチフスにかかり亡くなってしまったそうです。
果物を持つ女 ; ゴーギャン
タヒチの少女を鮮やかに描いていますね。
Woman with a Fan ; ピカソ
(3)エルミタージュ本館の作品
ここからは、Kオジサンさんと2人で、観たいと思っていた作品を探しながら観て回りました。
まず最初の部屋がイタリア美術の部屋です。そのあと、レオナルド・ダ・ヴィンチの部屋、フランドル美術、スペイン・オランダ美術、というように巡ります。
途中から迷子になりましたけどね。
写真はイタリア美術の部屋です。
ダナエ; ティツイアーノ
リッタの聖母(左) と ベヌアの聖母 ; レオナルド・ダ・ヴィンチ
聖母マリアとイエス・キリストが描かれた傑作ですね。
聖ペテロと聖パウロ ; エル・グレコ
エル・グレコはティツイアーノらに学んだというスペインの画家
放蕩息子の帰還 ; レンブラント
ひざまづいて父に抱かれる息子の姿が、レンブラントの不遇な晩年に重なる、と本の解説にありました。
アントニア・サラテの肖像 ; ゴヤ
モデルのアントニアは女優だったそうです。
犬と少年 ; ムリリョ
屈託のない少年の笑顔に魅せられます。
エルミタージュ美術館は世界3大美術館の一つといわれるだけのことはあります。
展示されている部屋も元王宮ですし、エカテリーナ二世が財力と権力で集めた作品もすごいです。
ただ、新館の方は、ガラス張り天井から自然光が展示室内に入ってくるところもあるので作品に悪い影響がないかと心配です。日本だったらもっと作品を大事にしようと工夫すると思うのですけどねえ。
いい点は、フラッシュさえ使わなければ作品の撮影が自由にできるということですね。
さて、エルミタージュ美術館を見学したばかりですけど、7月1日から9月18日まで、愛知県美術館で、「大エルミタージュ美術館展」が開かれるので、そちらも観に行くつもりです。