みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『スポットライト~世紀のスクープ』観ました。

2017-10-23 16:00:00 | 洋画
2015年・米。 監督:トム・ラファロ。 WOWOWからの録画。
”児童に対する性的虐待”というテーマからして、ちょっと堅い映画なのかな?
と思ったんですけど、実際はそういう事はありませんでした。
映画の中で記者たちの事件への追及はヒステリックにはならず
淡々と、しかし確実に進められていきます。

 
新局長バロン。グローブ紙の購読者を増やしたい。  スポットライト欄のチーフと打ち合わせ。

地元新聞ボストン・グローブ紙。このたび局長人事に異動があった。
新局長バロン氏は穏やかな物腰の紳士。だが内に秘めた思いは熱い。
直ちにスポットライト欄の担当チーフ、ロビーを呼び、読者を増やす企画を相談。
折よくロビーには気にかかっている事案があった。
それは時折り漏れ伝わる教会の不祥事。
少なからぬ神父が児童に対する性的虐待を行っているようだ。
ただしこの問題を世に明らかにしようとすると、当然教会との戦争が起こるだろう。
特に長年の購読者は高齢で熱心なカトリック信者が多く、教会側に味方する可能性が高い。
余程の確証がない限り、迂闊な行動は新聞社の首を絞めることになる。

 
枢機卿を訪問するバロン氏。            教会の秘密主義に原因がありそうだ。

取りあえず枢機卿への表敬訪問をおこなうバロン局長。しかし敵もなかなかお利口だ。
バロンの意図などとっくにお見通しのようで、体よく追い払われてしまう。
一方、実際に被害にあったという人間を一人ひとり探しだして証言を求めるグローブ紙の記者たち。

 
かつて神父から性的虐待を受けたと証言。      それは彼が11歳の頃の話。今も心の傷が癒えない。

その結果、すでに成人となった今も、面談途中で泣きだしてしまうなど、
心に重い傷を抱えた者も多い。
教会では、問題を起こした神父を休暇中とか転任などと理由をつけて
事件をウヤムヤにしてきた。教会の体制自体も腐っているのだ。

 
当問題を知る弁護士により枢機卿を起訴。      枢機卿は問題を長年放置してきたが限界だろう。

だがそうした教会の腐った内情を知る某弁護士から、枢機卿に対する訴えがなされる。
枢機卿は長年教会の実状から目をそむけ、結果的に神父たちを法の裁きから守ってきた。
そういう意味で枢機卿には大きな責任があるというわけだ。
だが起訴には当然ながら明確な証拠が必要だ。それが何故か見つからない。
グローブ紙の記者はさんざんな苦労のあげく、その証拠の所在をようやく掴みとる。
どうやら教会に有利なように、証拠をあるべき保管場所から移した者がいたようだった。
これは滅多にない大スクープだ。他社に感づかれないようにグローブ社の
編集員たちは記事掲載にむけて極秘モードにはいる....。

映画として面白くうまく纏められていると感じました。
俳優さんはどの役の人も真実味のある演技だと感心しました。
ただ教会の腐敗ぶりを暴く、といった話はそう珍しくは無いですし、
一般に信仰心の薄い日本人にとっては、問題の深刻さがあまり伝わっては
こないのではとか思ったりもして....。