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みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『台風のノルダ』観ました。

2018-02-04 16:00:00 | 劇場用アニメ
2015年:スタジオコロリド制作。 監督:新井陽次郎。 米BD盤にて視聴。
アマゾンのBDサイトで本作の存在を知りました。ただ国内盤はかなり強気な
価格設定と感じたので、割安な米BD盤を購入。


台風の目が極限に近づき物語はクライマックスをむかえる。

それで観た感想(結論)を言うと”こりゃアカンわ~....”(^^;
なんか全てにわたって中途半端さが見えるという感じです。
この作品で作り手側がいったい何を言いたいのかが伝わってこないです。
いろんな要素を盛りこもうというのは判るけど、全部生煮えな感じ。
はじめはあの相米監督の実写映画『台風クラブ』的な世界かな?とか考えつつ
観てましたが、別物でした(^^;
新井監督はアニメーターとしてジブリに数年間在籍していたとのことですが、
なるほど作画はジブリ調です。その技術水準はまずまずの印象を受けます。
ですが、肝心のアニメとしての中味(ストーリー)はスカスカ。
これは人さまにはお薦めできないですね....。

蛇足ですがこのBD盤、日本と同じリージョンAなのですが、
更に国別コード(アメリカあるいはカナダ)の指定が必要になります。
パナソニック機にはそのような機能はないので、再生不可です。
普段は眠っているパイオニア機か韓国LG機の出番となります(^^;
そうした盤はけっこうあるようなので、購入前の確認はしておいた方が無難ですね。




『屍者の帝国』観ました。

2018-01-31 16:00:00 | 劇場用アニメ
2015年:WIT STUDIO制作。 監督:牧原亮太郎。 WOWOWからの録画。
SF作家としてその大きな才能を惜しまれつつ亡くなられたという伊藤計劃氏。
その遺された作品たちをキチンとした形で世に出そうという動きがあることは
TVCMなどで薄っすらとながら知っていました。
しかし突っ込んだ意味では彼に対して全くの無知だったです。
最近WOWOWで、彼の原作・原案による劇場版アニメが三本放映されました。
これは良い機会と思い録画して今回視聴しました。
先に結論をいえば、成程これは確かに優れた作家さんだったんだな~と
深く頷ける、観ごたえのある良いアニメ映画に仕上がっていました。
それで最初に観たのが、この『屍者の帝国』です。

 
19世紀末のロンドンでこの物語は始まる。      軍隊は専らゾンビによって編成されるようになる。

19世紀末の英国。死者を蘇生させる技術が発明・確立される。
以降、次第にゾンビたちはさまざまな仕事や兵役に就き社会にとって不可欠の存在となっていく。
ここロンドンの一隅でも若い医学生ワトソンが失った親友を蘇生させようと
日々研究を重ねていた。ただし彼の望みは単なるゾンビをつくりだすことではない。
生前と変わらぬ理性を持った人間そのものとしての再生を目指していたのだった。

 
友人の死体を独力で蘇生させるワトソン。      警察に踏みこまれ、交換条件を飲まされる。

ある時、彼のアパートに警官たちが踏みこんでくる。
政府の許可なくしてのゾンビ研究は重罪なのだ。
とはいえ、独力で高いレベルで研究を進めているワトソンの能力は並みのものではない。
逮捕・収監するのは簡単だが、この男にはもっと良い使い道がある。
英国諜報機関のMと名乗る男から、ある交換条件を提示される。

 
政府機関の者だと名乗るM。            長旅を経て、ようやくインドに到着。

史上初めてゾンビ研究に手を染め、これを成功させたフランケンシュタイン博士。
最終的には知性と感情を持ったゾンビを造り出すことに成功したようだ。
その特別なゾンビの名は”ジ・ワン”。
Mの要求は、”ジ・ワン”の身柄確保と研究内容を詳細に書き残したという日誌の入手。
虫の良い要求ではあるが、いずれにしても収監されてしまえば自分の研究は頓挫してしまう。
なにより同じ道の先達者としてのフランケンシュタイン博士の研究内容に興味がないといえば
嘘になる。
結局、ワトソンはMの言い分を飲むしかない。

 
小舟に乗換えボンベイに上陸。           街はゾンビたちで騒然としていた。

こうしてワトソンはフライデー(=元親友であり、実験の対象でもある)を伴い、
インドはボンベイにやってくる。
今回の調査の手助けをしてくれるエージェントと落ち合うためだ。
ボンベイの街は騒然としていた。
大勢のゾンビたちの襲撃を受け、あわや、という状況を何とか切り抜ける。
だがそんな困難もほんの序の口。さまざまな危険が一行の前に待っていた....。

最初にも書きましたが、これはなかなか楽しめるアニメでした。
ただ(かつて見たことのないような)斬新な着想だとまでは言えないかも。
でも骨太に組みたてられたストーリーは”大作を観ている”と感じさせ
られるものがあります。


『金田一少年の事件簿』 観ました。

2018-01-19 16:00:00 | 劇場用アニメ
2004年:東映。 監督:西尾大介。 WOWOWからの録画。
画質からみて「ちょっと古いかな」という印象を受けました。
映像機器類の進歩ぶりは、近年ますます速まっています。
2004年では結構キレイな画質だったのでしょうが、いまとなっては
無料で流れるテレビ(地上デジタル民放)にも負けそうなレベルですかね。


最初の犠牲者が出る。シャンデリアが落下~その下敷きに。

本アニメの内容ですが、ある孤島で起こった密室殺人事件~その顛末譚となります。
たまたま現場に居合わせた金田一少年がみごとな推理力を発揮して、
事件を解決に導くというストーリーです。
ただ、ちょっと古めかしさを感じてしまう構成。
じゃあ詰まらないのかというと、そうでもないです。
特に終盤はなかなかダークさを感じさせ、引き込まれる印象が有りました。

ただこの事件のトリックを、観る者が推理しようというのは、ちょっと無理かな?
大昔の推理小説の場合、ディープな読者だったり勘の鋭い読者だったりすると、
トリックを解明することも可能でしたが、現代の推理作品は複雑に構成されていて、
殺人の方法を言い当てるのは可なり難しくなっていると思います。
とくに自分の場合、ナゾ解きは初めから諦めて物語そのものを楽しもうという姿勢です(^^;

『ペルセポリス』観ました。

2018-01-07 16:00:00 | 劇場用アニメ
2007年:フランス。 監督:マルジャン・サトラピ、ジャン・パルノー(共同)。 
WOWOWからの録画。

これは観る者に、非常に訴えかけてくるものがある傑作アニメと感じます。
パーレビ王政を打倒したのちに、イラクとの戦争をくぐり抜けてきたイランの
苦難の時期。これはマルジ(愛称)という一人の女性の半生記でもあります。

 
パリの空港待合で。 ふと少女時代を回想。     ブルース・リーに熱中していた幸せな子ども時代。

いまはフランスに住み、アニメ作家として生きているマルジャン。
彼女が子どもだった頃、故国イランは未だ王政をとっていた。
王パーレビは米国を後ろ盾にして、民衆を力で押さえつける。
国民の不満が頂点に達したとき、王政打破のうねりがイラン全土で起こった。
王は国外へ逃げ、革命は成就したが。

 
王政打破を訴える民衆デモ。           パーレビ王は国外へ逃亡したが、現実は....。

新政府はかつての旧勢力を一掃するべく、かつての有力者をことごとく銃殺。
あるいは密告を推奨して大量の逮捕者をだし、不安と恐怖に満ちた世情となる。
結果としてイランの国力は大きく衰退。
その様子を耽々と注視していた隣国イラクが(当時フセイン大統領)攻撃してくる。

 
隣国イラクからの攻撃を受ける。          ひたすら防空壕で爆撃に耐える民衆。

クウェート侵攻に端を発したイラク軍の勢力は大きく、イラン側は防戦一方に傾きがち。
国民は連日の空爆に耐える。だが義勇軍が多く組織され、イラン側の戦意は高い。
やがて膠着状態となるがイスラエルやシリアなどの助力を得て、戦況は好転。

 
叔父は共産主義者ゆえに投獄され銃殺に。      両親は娘を心配してウィーンへ留学させる。

マルジをたいへん可愛がってくれたアヌーシュおじさん。
彼は筋金入りの共産主義者だったため、王政の時も新政府の時も投獄されて
結局は銃殺の憂き目にあう。
しかし世の中で何が正しいか、何を信じるべきかをおじさんは繰り返し話してくれた。
おじさん同様に曲がったことが大嫌いなマルジ。
学校内でも教師たちの保身と偽善を容赦しない。
これはとても危険なことだ。アヌーシュおじさん同様、いつ警察に逮捕されても
おかしくない行為なのだ。
両親はそんなマルジの身を案じて、急いで彼女を欧州に留学させることにする。

ここまでがマルジの少女時代。ウィーン留学以降は、さまざまな体験を積んで
傷つきながらも一人の女性として成長していく様子が描かれます。
ただ戒律の厳しいイスラム系の国家で一般庶民の娘が外国への留学するなどは、
経済的な意味からも、やはり簡単にできることではないでしょう。
マルジが王族に連なる家庭の子女だからこそ可能だったともいえます。
(パーレビ王族とは異なる、別系統の王族の一員)
ディズニーやドリームワークスなどの米アニメとは全く異なる肌あいの作風は、
アニメ愛好家として、やはり一見に値すると言えます。

『コララインとボタンの魔女』観ました。

2017-12-13 16:00:00 | 劇場用アニメ
2009年:米。 監督:ヘンリー・セリック。 WOWOWからの録画。
『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』の監督さんが構想5年、制作4年をかけ完成させた
傑作アニメーションです。
日本国内では惜しくも3DBD登場のタイミングにうまく合わず、赤青メガネ使用の中途半端な
仕様になってしまいました。
米国では正規の3DBDとして出ていますが、残念ながら日本語は入っていません(TT

 
郊外のアパート、ピンクパレス。          家主の孫の男の子ワイビー。

郊外のアパートにある一家が引越してきた。
ママ、パパ、そして9歳の女の子コラライン。
ほどなくして家主の孫・ワイビー少年が新しい住人の偵察にやってくる。
彼の口から何気なく洩れる重大なひとこと。
「どうしてかな、ピンクパレスは子どものいる家族には貸さないはずなのに」

 
ママは超忙しい。相手にしてくれない。       パパもやっぱり超忙しい。

わざわざ不便な郊外のアパートを選んだのは、のんびり庭いじりがしたいからだった。
そのはずだったが、実際に引っ越してみると仕事に追いまくられてそれどころではない。
家の中に閉じこもって原稿書きに没頭する両親。
結果としてコララインはまったく構ってもらえなくなり、ストレスを溜め込む一方。
そんなある時、偶然に封印された秘密の扉を発見。

 
「秘密の扉」のトンネル。行きつく先は?      そこには優しい「別のママ」がいた。

秘密の扉からトンネルを通って、行きついた先には優しい「別のママ」がいた。
おいしい料理をたくさん作って待っていてくれた。
手入れの行きとどいた広い庭で「別のパパ」はコララインをお姫さま扱いだ。
だからコララインは大満足だ。
ただ気になることがひとつだけ。なぜか彼らの目はボタンでできているのだった。

 
「別のパパ」はコララインをお姫様あつかい。    「別のママ」「別のパパ」とともに囲む楽しい夕食。

本当のママやパパと違って別のママやパパは、いつもコララインのことを気にかけ、
可愛がってくれる。つい居心地が良くて、何度も彼らを訪れてしまう彼女。
しかししだいに気が付いてしまう。この世に無償の好意など有り得ないのだという事実。
そこには怖~い罠が待っていたのだった....。

小さな子どもにとっては結構コワイ話だとも思います。
ただ作品の世界観というか、ムードは抜群にいいですね。
大人にとっても、何度も観たくなるような良質なアニメです。