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みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『カリフォルニア物語』を読みました。

2017-12-21 16:00:00 | 漫画
小学館漫画文庫・全4巻。 著者:吉田秋生。 地域の図書館を利用。
以前は吉田秋生さんの作品が好きになれず、敬遠していた時期がありました。
ずいぶん昔のことなので 詳しい経緯をすっかり忘れていたのですが、
なぜそういう気分になったのか、その理由?が思いだされてきました。

まだ読んだことのない『カリフォルニア物語』なる漫画を読んでみようと文庫本を購入。
しかし事前知識ゼロの状態だったために、本を手にとって初めてこの漫画家さんが
ヨシダアキオ
なる男性ではなく、ヨシダアキミという女性と知って、大ビックリ。
それでも漫画が面白ければ結果オーライだったんでしょうけど、当時の自分には
内容的にも理解・共感ができないと感じ、せっかく買った本を即廃棄。
以来、なんとなく吉田秋生さんを遠ざける姿勢が定着しました(^^;

いま改めて読んでみても、やっぱり人間の感性というものは、
そう簡単に変わるものじゃないなあと再確認。
しかし以前のように直ちに読むのを止めるということもなく、
そういう意味では昔よりも多少は辛抱強くなったのかもしれません。
さて、すっかり前説が長くなってしまいました(^^;


久しぶりに対面した『カリフォルニア物語』全4巻。

大都会ニューヨークの片隅で必死に生きる人たちの群像劇。
カリフォルニア州サンディエゴ在住の高校生だったヒースは厳格な父親、出来のよい
兄との生活に息苦しさを感じている。母親は彼が幼いころに家を出てしまっていた。
地元で起こった面倒なゴタゴタをきっかけに故郷を飛びだし、ニューヨークで暮らすようになる。
彼の周りにいるのは、同様に人に言えないような複雑な思いを心に秘めたヤツばかりだ。
だからプライベートに関わる質問や詮索はお互いにタブーだ。

どうもこの漫画に描かれる人たちは、自分にとって良く判らない生活を送っていると
いう印象が強いです。そこは世の中にはいろんな立場があるから、と納得するしかないですが。
それと同性愛者が結構多く描かれます。実際のところ、そんなにそういう性向の人が多く
いるのかなと思います。自分はストレートなので気づいてないだけの事なんですかね。

いまは知りませんが、男性の同性愛者を好んで描く女性の漫画家さんが一時期多かった
ように思います。コミケ本の世界などでは未だに根強い支持があるようですが(^^;
作者さんもまた同性愛者ではなく、同性愛者の目線で描きたいのだということでもないようだし
単なる好奇心から同性愛=美しい世界と勝手に都合よく解釈しているようにも感じられます。

この『カリフォルニア物語』は吉田さんの出世作という評価が定着しているようですが、
自分にとっては何となくリアリティが感じられず、感情移入の出来ないまま
最後のページに至ってしまいました(^^;
さすがに以前のように幾らも読まないうちに中断してしまうということはありませんでしたが。
これって物事に対する許容力が少しはアップしたのでしょうかね。アップアップのほうかな(^^;

『バナナフィッシュ』読みました。

2017-12-16 16:00:00 | 漫画
小学館漫画文庫:全11+1巻。 著者:吉田秋生。 地域の図書館にてお借りしました。 
全編に漲る緊張感、テンポの良いストーリー展開。それを文庫本11巻という長丁場で
実現・維持しているのは驚異的とも言えると思います。


『バナナフィッシュ』全11+1巻。 傑作だと思います。

ニューヨークの白人系チンピラどもを束ねる、アッシュ・リンクスという男。
年齢的には若く、まだ未成年なのだが腕力・知力ともに並外れた能力を備えている。

伊系マフィア、中華系ギャング、黒人系、プエルトリコ系、あらゆる人種の
あらゆる組織とも一線を画し、ニューヨークの裏社会に独自の位置を誇示しつづけるが、
同時にあらゆる組織からもつけ狙われている存在。
その理由は、彼がとてつもなく金になる情報、すなわち「バナナフィッシュ」なる薬物
(LSDの一種。使いようによっては軍事的なメリットが大きい)の秘密を握っていることに拠る。

そして日本から米国のストリートキッズ事情を取材しにきたカメラマン伊部俊一の助手、
奥村英二。アッシュよりいくらかは年上の若い男。
二人の間には、ふとした経緯から無償の友情が芽生えはじめる。
その友情ゆえにしばしばアッシュにとってシビアな状況を呼び込むことになるのだが、
ストーリーを進める原動力になったりもする。

とにかく全編これアクションの連続なんだが、これだけの長丁場をもたせる力量には
本当に感服してしまいます。
敢えて言えば、あまりにアッシュがスーパーマン過ぎて、こんなに強いだなんて、
ちょっぴり嘘くさいんじゃね?と思っちゃう部分ですかね~(^^;
なお+1は別巻というか、全11巻(本編)の理解を深めるための前日譚・後日譚などが
収載されています。

またフジテレビの2018年・ノイタミナ枠でアニメ化が決ったようです。
原作を読んだのだからアニメを観る必要はない気もするし、ちょっとは観たい気もするし。
どっちだ?(^^;

『吉祥天女』①②の感想。

2017-11-18 16:00:00 | 漫画
1995年:小学館文庫刊、吉田秋生(著)。 地域の図書館からお借りしました。
以前は吉田秋生さんの絵柄が何故か好きになれず、この人の作品を敬遠していた
時期がありました。
ですがそのような一種の反抗期?も知らない間に過ぎてしまったらしく(^^;
現在はまったく普通に接することができるようになっているようです。
えっとマエフリが長くなりました。それで吉田秋生さんの『吉祥天女』です。


地域の図書館からお借りした①②を並べて撮ってみました。

物語の大略は資産家一族内の財産争いというか。
ヒロインは叶小夜子(かのう・さよこ)。クールで清純げな美女だが、内面は夜叉のごとし。
一族の正当な後継者ではあるが、あの手この手で小夜子を押しのけて財産を横取りしようと
する親戚たちを次々に亡きものにしていく。
といっても別に彼女が自分の手を汚してそうなるというわけではない。
なぜかそのように物事が都合よく運んでしまうように見えるのだ。

ストーリー運びは緊張感に溢れていて思わず引き込まれてしまいました。
ただ終盤になって、消されていく人物の数があまりに多すぎるのでは?という一点の懸念が
感じられたのは確かです。もしかしてそこはウィークポイントと言えるかもしれません。
この漫画を読み終わって、吉田さんの他の作品も読みたい気になりました。

『ぼくは麻理のなか』 読みました。

2017-08-03 16:00:00 | 漫画
2012年:双葉社刊・全9巻。 著者:押見修造。 古本屋さんで購入。



初めのうちは”良くある男女の入れ替わりの話”かと思ったんですが、
実はもう一段ヒネったストーリーなのでした。その辺は流石にプロの作家さんですね、
結局ラストまで引っ張られてしまいました
(その辺を詳しく書いてもムダに煩雑だし、それほど意味はないでしょうから割愛します)

終り近くになって、ようやくストーリーの真意が明確になってきます。
しかし(中古ですけど)これを買ってまで読む価値があったかと言われると微妙かな(^^;
漫画としての魅力や内容の凝縮感はやや薄手で、全9巻の割にはサラサラっと読み終えて
しまい、暇つぶしに読むならちょうど良いかも?という印象です。

『ぽっかぽか』読みました。

2017-03-12 16:00:00 | 漫画
2015年:集英社刊、YOU漫画文庫。 全15巻。 著者:深見じゅん。 
地域の図書館からお借りしました。



都合上、いま借りている3冊のみ写しました。

郊外の一軒家を購入して、仲よく楽しく暮らしている田所一家。
妻・麻美、夫・慶彦に幼い娘あすかの3人家族。絵に描いたような『核家族』なわけですが、
結婚・育児・近所づきあい・老いていく親たち等々、テーマは結構多岐にわたります。
サラリーマンである夫・慶彦の会社での奮闘ぶりも過不足なく描かれているのは良いですね。
まあお話としては毎回結構キレイごとで纏められている気もしますが、
作品に流れる明るさは、ヒロインである妻・麻美の朗らかなキャラクターに良く合っていると
いえますし、本作の魅力の大きな部分とも言えるでしょう。
作者の力量からいって、どの話しでも重い感じに描くことも出来るのでしょうが、
そんなのってやっぱり読んでて暗くなるだけの気もしますしね。

TVドラマになったこともあるようですが、自分は観ていない....というか、もともとTVドラマは
まったく観ない人間なので、知りませんでした(^^;
でもこの漫画の明るさに目をつけたTV関係者は好いアンテナをお持ちだなと思いますね。