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みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『セッション』観ました。

2016-03-02 16:00:00 | 洋画
2014年:米。 監督:デミアン・チャゼル。 WOWOWからの録画。
かなり話題になった映画ですから、それなりに期待しての視聴でした。
まず感じたことは音楽が関わる映画の場合、やっぱり再生装置のクオリティは
けっこう大事だなということです。
これは若いドラマーの成長のストーリーですが、バスドラムの腹に響くような
低音がしっかり表現されてこそリアルに伝わるものがあると感じました。

 
遅くまで教室に残ってドラムの練習。        彼の主宰するスタジオバンドに誘われる。

若いアンドリュー・ニーマンは偉大なドラマー、バディ・リッチに憧れて
名門のシェイファー音楽学校に入学。遅くまで教室でドラムの練習に没頭。
たまたま教室を通りかかったフレッチャー教授がアンドリューの練習を目撃。
その音楽性に感心し、彼の主宰するスタジオバンドに参加してみないかと声をかける。
信じられないような幸運に胸を躍らせるアンドリュー。

 
教授はアンドリューに優しく声をかける。      まるで新兵をいびり倒す鬼軍曹さながら。

期待に胸ふくらませてセッション入りをするアンドリュー。
フレッチャー教授はそんな彼に優しい言葉をかけたりもする。
しかし他のメンバーの表情は一様にピリピリしていて硬い。
その理由は直ぐに判った。
セッションが始まった途端に教授の態度は一変。猛烈な罵詈雑言の嵐。
まるで新兵をとことんイビリ倒す鬼教官の厳しいスパルタ式軍事訓練のようだ。

 
コンテストに参加。優勝しか許されない。      そして当然のように優勝をもぎ取る。

フレッチャー教授の主宰するスタジオバンドはコンテストでの常勝が当然とされている。
もし優勝を逃すような結果となれば、メンバーには恐ろしい結果が待っている?(^^;
オーバーブルック・ジャズコンテストに向けて火の出るような激しい訓練を積む毎日。
幸いというか、当然のようにシェイファー校が優勝をもぎ取る。
アンドリューは主席ドラマーとしての地位を手に入れてはいたが、
フレッチャー教授のアンドリューのドラム演奏に対する要求度は際限なく上がっていく。
それに応えるべくアンドリューも死に物狂いの練習を重ねていく。
好きなニコルに対しても、到底デートするような時間は取れないと白状して、結局は別れる。
やがてアンドリューは、身も心も限界近くにボロボロになっていく....。

 
アンドリューと新人コノリーを競わせる教授。     練習に忙しくてニコルとのデートの時間など到底とれない。

この映画に対しては賛否両論、特に音楽家からの否定的意見が多くあるとも聞きます。
音楽を教えるのに万人に通用する、絶対に正しい方法なんて、実のところ無いんじゃないかと。
ただ結果が良ければそのやり方が正しかったように見えるだけです、多分。
百人百様といいます。
様々な個性をもった多くの音楽家の卵たちを全員成功させる教授法なんて有り得ないでしょう。
それにしてもフレッチャーって音楽家としての力量はともかく、人間的にはやっぱり
喰えないヤツでしたね。

『ジュラシック・ワールド 3D』観ました。

2016-02-27 16:00:00 | 洋画
2015年・米ユニバーサル。 監督:コリン・トレヴォロウ。 セルBDにて視聴。
久々のジュラシック最新作です。
まあ劇場公開は去年の夏なんで、そういう意味では新味はないんですけどね~(^^:
ただ自分は自宅での独り占め観賞を考えて、劇場公開をスル―していたので....(^^;

 
夏休みに兄弟でジュラシック・パークへ。      ディレクターを務めるクレア叔母さんのご招待。

かつてイスラ島で起こったジュラシック・パークの大惨劇から22年が経過。
いまはオーナーも代わり、新体制のもとジュラシック・パークが再開され
大変な人気を博していた。まあ喉もと過ぎれば何とやらの好例でしょうね(^^;
ザックとグレイのミッチェル兄弟。クレア叔母さんのご招待で夏休みを利用して
ジュラシック・パークを訪れることになる。

 
小型恐竜と遊ぶ子供たち。              大型水竜の大迫力の食事シーン。

初めのうちは和やかに流れるパーク内の空気。
まあ言ってみれば動物園での動物を恐竜と置き換えただけみたいな風景ですね。
そうそう、乗り物があるなど遊園地の感じもあります。
クレア叔母さんはパーク運営の責任者。とっても忙しい立場にある人だ。
甥たちを歓迎はするものの彼らに付き添って面倒をみる余裕まではない。
なのでその役目を秘書に押しつけてしまう。

 
お約束?警備の隙間をついて恐竜が外に。      オーナーは緊急対応を指示。

万全と思われたパークの警備態勢。
だが、まさかと思われるほどの高い知能を新種の大型恐竜はもっていた。
人間の予測を超え、狡猾なまでの策を弄してまんまと居住区の外に出てしまう。
人間側の方がよほど間抜けに見えてしまうパートだ。
オーナーは緊急指示を出すが、まだこの時点では左程の危機感があったわけではない。

 
勝手に立入禁止区域に入り込む兄弟。        責任を感じ必死に兄弟の居場所を探すクレア。

一方、大人のヒモ付きを嫌って、秘書のサラをまいてしまう二人の兄弟。
以降、好きなように行動する。
ただ面白そうだという理由で弟を促し禁止区域に躊躇なく入っていく兄はただのどアホ。
後でビッシリ叱られるべき行動だが、映画の中ではうやむやに。ちっ。
当然の結果として二人は危険極まる状況に遭遇するのだが....。
久しぶりの新作でしたが、期待を裏切らない良い出来だと思います。
3Dの見せ方は『ジュラシック・パーク 3D』よりも当然ながら格段に進化しています。
全体に滑らかな立体感ですが、 ココ!という部分はきっちり視差をつけてきますし。
ただこれの続編となると難しいかもしれませんね。
派手に見せてはいても、話の基本部分は一作目とそう変わらないわけだし。
更なる新味を出して見せるとなると、かなりハードルが高そうです。

『フォックスキャッチャー』観ました。

2016-02-22 16:00:00 | 洋画
2014年:米。 監督:ベネット・ミラー。 WOWOWからの録画。
事前知識ゼロで観たんですが....これはかなり高水準の映画でした。
アマチュアレスリングが話の一要素にはなっていますが、核心は別のところにありました。

 
シュルツ兄弟は揃って金メダリスト。        ある日、弟のマークに電話が入る。

兄弟そろってアマチュアレスリングの金メダリストである弟マークと兄デイヴ。
しかし金銭的にはなかなか恵まれることのない二人。
そんなある日、マークのところに突然「会いたい」との連絡が入る。
相手は大富豪デュポン家の御曹司ジョンだった。

 
自家用ヘリで直接デュポン邸へ。          「君をスカウトしたい」と申し出るデュポン氏。

デュポン氏は自らのレスリングへの思いを熱く語り、同時に破格の好条件で
シュルツ兄弟をスカウトしたいと申し出る。

 
デュポン氏はデイヴも欲しがっている。       家族のためを考え、断る兄デイヴ。

弟の将来が明るく開けたことを祝福するも、自分の道は自分で択ぶ兄デイヴ。
家族のためを考慮して、デュポン氏の申し出を断る。
結局弟のマークだけがデュポン氏のもとでチームを結成しフォックスキャッチャーの
練習場で精進を積んでいくことになる。
初めのうちこそデュポン氏とマークの関係は蜜月状態だったのだが....。

 
1987年・仏での大きな大会に出場。         マークは勝利しデュポン氏と喜び合う。

1987年にフランス・クレルモンフェランで開催された世界選手権大会。
マークは安定した実力を示して勝利して、コーチであるデュポン氏と喜び合う。
この頃までは良かった。
しかし絶対的な忠実さを常に要求するデュポン氏の態度が露わになるにつれて
マークとの間はしっくりいかなくなる。
そして我を通したいデュポン氏は、いったん辞退したデイヴを結局金の力で
強引に引き抜くが、それも良い結果にはつながらなかった。
金離れのよいスポンサーではあっても、ことレスリングに関しては大した経験のない
デュポン氏と金メダリストであるデイヴとでは、周囲の敬意と信頼度は自ずと違ってくる。
そのこともデュポン氏には面白くないようだ。
注目を浴びるべきなのは誰あらぬ自分なのだ、という思いから抜けられないのだ。

所詮デュポン氏は人と揉まれ合う経験のないまま大人になった”お坊っちゃま君”。
大富豪の御曹司として産まれ育った彼は、当然自分に向けられるべき
注目と賛同を誰かに横取りされたかのような不愉快な気分が高じてくる。
彼はイライラし始め、もともとあった妄想性分裂症の傾向が進行していく....。

あまり期待せずに視聴したのですが、実に見ごたえのある映画でした。
ただ上に書いたことは、あくまで映画を観て自分が感じたこと、になります。
この映画の視聴後にネットで少しデュポン氏について調べたところ、
事実とはかなり異なる解釈や改変が多く加えられていることを知りました。
なので、この映画はあくまでフィクションとして受けとめた方が良さそうです。

『6歳のボクが、大人になるまで。』観ました。

2016-02-18 20:00:00 | 洋画
2014年:米。 監督:リチャード・リンクレイター。 WOWOWからの録画。
あの『ビフォア....』三部作のリチャード・リンクレイター監督の最新作。
12年かけて撮りあげたという独特の制作方法で話題にもなった映画です。
やっぱり同じ監督の作品ですから『ビフォア....』と似ている感じはありますね。
ただ”同じキャストで長い年月かけて撮りました”ってのが本作の一つの
売り文句にもなっていますが、
それってそんなに意味のあることなのかなという感じは個人的にはあります。
大変に手間と時間がかかるというのは解るけど、いくらでも別のやり方だって
あるわけだし(その方がむしろ普通)。
結局リンクレイター監督が自分の趣味を押し通したということなんでしょうね。

 
少年は青空を見つめて空想にふける。        夫婦は絶えず口論。

ソフトのパッケージにも使われている冒頭のショット。ぼんやりと空を眺めるメイソン少年。
両親は絶えず口論。姉サマンサと共にベッドの中で息を潜めその様子を窺う。
二人とも別に悪い人間ではない。ただ物事に対する考え方が違い過ぎるのだ。
そして遂に夫婦の仲は終りを迎える。
母親オリヴィアは嫌がる子どもたちを車に乗せて家を出る。

 
ついに離婚。妻は子どもを連れて家を出る。     二番目の夫は酒乱男。ずいぶん男運が悪いね(^^;

母のいるヒューストンに戻り、将来のために大学に通い出すオリヴィア。
そこで二番目の夫となるウェルブロック教授と出会う。
しかしコイツはアルコール中毒で酒乱の気があるトンデモないヤツだった。
初めのうちは遠慮してコッソリ呑んでいたのだが、段々と家族の面前でも
大っぴらに呑むようになり、態度も横暴になっていく。
ある時、子どもたちを乗せて無軌道な酔っ払い運転をしたことで夫婦仲は決裂。
オリヴィアは再び独り身の境遇を選択。

 
ついに一線を越えてケンカ別れ。          いまも実父と子どもたちはときどき会い交流。

いい歳して未だ青年のようなお気楽さを保っている元の夫メイソン・シニア。
アラスカから戻ってきた彼はちょくちょく子どもたちに会いにやってくるようになる。
そのため子どもたちとの関係は友好的だ。
だがその父親メイソン・シニアも再婚し自分の家族をもつ。
それでも子どもたちとの関係は続いていく。
まあ責任のない立場だから出来ることだとは言えるが。

 
メイソンにもガールフレンドができる。       大学めざして単身ドライブ。

メイソン少年は成長して高校生となり、ガールフレンドもできる。
が、直ぐに別れがくる。
父メイソンは”若い時のガールフレンドなんか長続きしなくて当たり前だ。気にするな”
と慰める。この辺はナイスフォローかも(^^;
やがて大学進学のために、母の家を出る青年メイソン。
息子の出がけにふと漏れるオリヴィアの涙とため息。

なかなか観ていて良い感じの映画でした。自分には楽しめましたね。
やや長いかなとは思うものの、『ビフォア....』の冗長な三部作ほどじゃないし(^^;

『五線譜のラブレター』観ました。

2016-02-12 16:00:00 | 洋画
2004年:米・英。 監督:アーウィン・ウィンクラー。 WOWOWからの録画。
これは、アメリカの作曲家コール・ポーター氏の伝記映画。
すでに故人となってはいますが、今でもアメリカの音楽シーンでは
多彩な才能をもった作曲家として伝説的な存在です。
自分も曲そのものは知っていても、それがポーター作品だというところまでは
知らなかったということがとても多いです。

 
毎日楽しく遊び歩くポーター氏。          離婚間もないリンダ。かなりの財産家でもある。

1920年ころのフランス。
ポーター氏は故国アメリカで作曲家としてデヴューしたものの、世間の反応はあまりパッとしない。
嫌気がさしてパリに移り住む。”遊学”といえば聞こえはいいが、ふらふらとパリの街を遊び歩く毎日。
ところがある日のパーティーで素敵な女性リンダに出会い、マッハで結婚を決める。
とはいってもポーター氏は同性愛者。当時その手の趣味趣向を世間に公にするのは
未だ大いに憚られる時代だったが、なんとリンダもそのことは知っていた。
そんな二人がなぜ結婚を決めたのかは、当の本人たちにしか解らない....。
リンダによれば ”ポーター氏の音楽の才能に惚れこんだから” らしいのだが。

 
早速リンダに言い寄るポーター氏。         アメリカに戻りブロードウェイで大成功。

豪華ホテルでの結婚式ののち、ベニスに新居を構え二人の新婚生活がスタート。
だがポーター氏は遊び回るばかりで本業の音楽に身を入れようとしない。
リンダはアメリカから人気作曲家バーリン氏を招んで彼のピアノを聴かせる。
その才能に感心したバーリン氏は早速ブロードウェイミュージカルの仕事を紹介。
初めは躊躇していたが、結局は故国に帰って仕事をすることに同意するコール。

 
しだいに二人の愛も深まる。            仕事は順調、次々に曲がヒットする。

結果としてポーター氏の作曲したミュージカル『パリ』は大成功。
一躍スポットライトを浴びる一流作曲家の仲間入りを果たす。
以降、順風満帆の時期に入るが、そうなると好事魔多し。
次々とヒットに恵まれ大金が入ってくると次第に放蕩三昧の生活に溺れるようになる。

 
ついに二人に別れの時が来る。           落馬して足を傷める。後年の足の切断の原因。

妻リンダの妊娠、しかし結果として流産に至った事件は彼女への愛を
いま一度再確認させ、生活を見直させることになる。
しかしそれも一時のことで、再び放蕩の日々に戻っていくコール。
そのような生活態度は恐喝事件を呼び込むことにもなるが、一向に反省しない。
とうとうリンダは彼との生活を断念して、ひとり寂しくパリに戻っていく。

なまじ世間的に大成功したがために、寂しい人生の終わりを迎える、
といった話はときおり耳にします。
何事も ”ほどほど” が良いのかもしれません。
それとリンダですが、口では「彼の才能に惚れた」とか言っていても、
どこかで普通に女の幸せを願っていたようにも見えますね。