進化生物学と称する学問があるそうだ。この学問にはやや異なる二つの側面があるとのことで、その一つは生物の種は共通祖先からどのような歴史をたどってきたかを明らかにすることで、もう一つは自然選択など、進化を駆動する要因やメカニズムを明らかにすることであるそうだ。これからの人類の行方を考察するのは後者であろう。兎も角、何千年、何万年を単位とする話であろう。
最近の地球温暖化のせいか、熱中症患者の話題がマスコミを賑わす昨今である。温暖化はここ何十年の話であり、進化生物学的には人間は到底適応出来る話でない。
何万年の歴史の中で人間は、皮膚を露わにして大量に汗をかくことでその蒸発熱で体温を下げることが出来るようになり、活発な活動が出来るようになった。霊長類の仲間でも、サルやチンパンジーはヒトのように汗をかくことは出来ないため、暑い盛り木陰でじっと座っていることしかできないそうだ。彼らが熱中症になったとの話は聞かれないが、老人は家の中でじっとしてても熱中症になってしまう。人間は哺乳類の中でも、珍しい動物との話だ。
地球の温暖化がもっと長期にわたりゆっくりと変化する現象であるならば、人間もこの灼熱地獄に適応できる体質に進化出来るかも知れないが、地球温暖化は急激だ。現在、地球温暖化は炭酸ガス等の温室効果ガスの影響と考えるのが主流である。太陽活動の影響と考える学者もいるが、逆にそうあって欲しいものだ。そうであるならば、いずれは元に戻る筈だからだ。
さて、地球温暖化の影響の一つとして、北極海の海氷が急速に減り続けているとのことだ。今年5月に行われた観測では、過去の5月の海氷面積の最小記録を更新したそうだ。予想によれば2030年~2050年頃、夏季には北極海は氷が無くなるとのことである。
そうなれば、北極海航路が拓けてビジネスチャンスと喜ぶ人も居るだろうが、北極海の海氷融解は、地球温暖化に決定的な影響を及ぼす。海氷は、太陽光を反射するという非常に大きな役割を果たしており、いったん海氷が解けてしまうと、熱の吸収が促進され、海水温がさらに上昇し、温暖化を加速するに違いないと考えられるからである。地球温暖化の原因が例え太陽活動にあったにせよ、一旦消滅した海氷を復元するのは容易では無いだろう。温度が元に戻っても、熱を吸収するようになった海は、簡単には氷結しないだろう。自然は可逆的ではないのだ。
こうした北極の温暖化増幅が、グリーンランドの氷床を解かし、さらには海面上昇をも引き起こす可能性もあるらしい。また、グリーンランドの氷床が解け続ければ、海面上昇のみならず世界の海流にも影響を及ぼすだろうと考えられる。日本は、銚子沖でぶつかる親潮と黒潮のお陰で、豊かな漁業資源に恵まれているが、幻と消え去るかも知れない。
現在、地球温暖化防止のため、温室効果ガス削減の努力が世界的に進められているが、自然は必ずしも可逆的で無い。いったん動き始めた自然は次の安定状態を目指して人間の活動に関係なく動くかも知れない。次の安定状態が人間にとって住み易い環境であればよいが、そうであることを願うばかりである。
ここで、進化生物学に戻るが、霊長類の中でも人間の頭髪はなぜ伸び続けるのであろうか。白髪三千丈はオーバーとしても、少なくとも自分の背丈ぐらいは伸びるであろう。これも異性を引き付けるための工夫の一つと勝手に考えているが、温暖化の影響を加味すると今後頭髪は少なくなるのではなかろうか。若くして頭の薄い人はそれを悩みとしているが、これらの人は時代の先を行っている人かも知れない。
2016.08.20(犬賀 大好-261)
最近の地球温暖化のせいか、熱中症患者の話題がマスコミを賑わす昨今である。温暖化はここ何十年の話であり、進化生物学的には人間は到底適応出来る話でない。
何万年の歴史の中で人間は、皮膚を露わにして大量に汗をかくことでその蒸発熱で体温を下げることが出来るようになり、活発な活動が出来るようになった。霊長類の仲間でも、サルやチンパンジーはヒトのように汗をかくことは出来ないため、暑い盛り木陰でじっと座っていることしかできないそうだ。彼らが熱中症になったとの話は聞かれないが、老人は家の中でじっとしてても熱中症になってしまう。人間は哺乳類の中でも、珍しい動物との話だ。
地球の温暖化がもっと長期にわたりゆっくりと変化する現象であるならば、人間もこの灼熱地獄に適応できる体質に進化出来るかも知れないが、地球温暖化は急激だ。現在、地球温暖化は炭酸ガス等の温室効果ガスの影響と考えるのが主流である。太陽活動の影響と考える学者もいるが、逆にそうあって欲しいものだ。そうであるならば、いずれは元に戻る筈だからだ。
さて、地球温暖化の影響の一つとして、北極海の海氷が急速に減り続けているとのことだ。今年5月に行われた観測では、過去の5月の海氷面積の最小記録を更新したそうだ。予想によれば2030年~2050年頃、夏季には北極海は氷が無くなるとのことである。
そうなれば、北極海航路が拓けてビジネスチャンスと喜ぶ人も居るだろうが、北極海の海氷融解は、地球温暖化に決定的な影響を及ぼす。海氷は、太陽光を反射するという非常に大きな役割を果たしており、いったん海氷が解けてしまうと、熱の吸収が促進され、海水温がさらに上昇し、温暖化を加速するに違いないと考えられるからである。地球温暖化の原因が例え太陽活動にあったにせよ、一旦消滅した海氷を復元するのは容易では無いだろう。温度が元に戻っても、熱を吸収するようになった海は、簡単には氷結しないだろう。自然は可逆的ではないのだ。
こうした北極の温暖化増幅が、グリーンランドの氷床を解かし、さらには海面上昇をも引き起こす可能性もあるらしい。また、グリーンランドの氷床が解け続ければ、海面上昇のみならず世界の海流にも影響を及ぼすだろうと考えられる。日本は、銚子沖でぶつかる親潮と黒潮のお陰で、豊かな漁業資源に恵まれているが、幻と消え去るかも知れない。
現在、地球温暖化防止のため、温室効果ガス削減の努力が世界的に進められているが、自然は必ずしも可逆的で無い。いったん動き始めた自然は次の安定状態を目指して人間の活動に関係なく動くかも知れない。次の安定状態が人間にとって住み易い環境であればよいが、そうであることを願うばかりである。
ここで、進化生物学に戻るが、霊長類の中でも人間の頭髪はなぜ伸び続けるのであろうか。白髪三千丈はオーバーとしても、少なくとも自分の背丈ぐらいは伸びるであろう。これも異性を引き付けるための工夫の一つと勝手に考えているが、温暖化の影響を加味すると今後頭髪は少なくなるのではなかろうか。若くして頭の薄い人はそれを悩みとしているが、これらの人は時代の先を行っている人かも知れない。
2016.08.20(犬賀 大好-261)
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