ある山奥に 子どもをさらうばんばがおりました。
そのばんばは 「 こーとろ ことろ 」 そう唱えながら 子どもをさらっては 山の岩穴に閉じ込め ただ 眺めているのでした。
ある日 bcchiとbucchiの相方は 乗合タクシーに揺られて山懐に入って行きました。
狭い道を車が少しずつ上っていくと 窓から紅葉黄葉に彩られた白根のお山が見えてきました。
bucchiは カーブを曲がるたびに首をひねって 色づいたお山を見ていましたが その隣で相方はコックリコックリ・・・・・
やがて終点に着き タクシーを降りたbcchiたちを待っていたのは bucchiが大の苦手とするこの↓吊り橋でした。
どんなに嫌いでも この吊り橋を渡らなければ先へ進む事が出来ません。
bucchiの吊り橋嫌いを知っている相方は知らん顔をしています。
bucchiは意を決して吊り橋をゆっくり渡り始めたのですが 途中で立ち止まると橋がゆらゆらと揺れています。
後ろから人が渡ってくると 橋は更に揺れ ゆっくり渡るどころではなくなりました。
しかし 揺れると云っても それほど長い吊り橋ではありませんでしたから 実際には大した揺れではなかったのです。
それでも吊り橋が大嫌いなbucchiにとっては 僅かな揺らぎも ゆ~らゆ~らに感じてしまい
パニクったbucchiは 走り出したい気持ちを必死で堪えながら 思いっきり早足で渡ったのでした。
何とか吊り橋を渡り終えたところが白根のお山の登山口です。
稜線を目指す大きなザックを背負った人たちを見送ると いくがいくが森の中へ・・・・・。
するとまた目の前に吊り橋が現れました。
最初に渡った吊り橋よりもずっと短い吊り橋です。
bucchiと相方の他にはこの橋を渡る者はなさそうでしたので 自分が渡りきるまで 相方に待っていて貰いました。
今度こそ吊り橋の揺れが小さくすむようbucchiは ゆっくりゆっくり歩み 途中でカメラを構える余裕も出てきたのでした。
この橋の下の流れは 大樺沢の雪渓を源としているのですから 上流を見上げ 見えない大樺沢の雪渓を見つめながら訊ねました。
そのばんばは 「 こーとろ ことろ 」 そう唱えながら 子どもをさらっては 山の岩穴に閉じ込め ただ 眺めているのでした。
ある日 bcchiとbucchiの相方は 乗合タクシーに揺られて山懐に入って行きました。
狭い道を車が少しずつ上っていくと 窓から紅葉黄葉に彩られた白根のお山が見えてきました。
bucchiは カーブを曲がるたびに首をひねって 色づいたお山を見ていましたが その隣で相方はコックリコックリ・・・・・
やがて終点に着き タクシーを降りたbcchiたちを待っていたのは bucchiが大の苦手とするこの↓吊り橋でした。
どんなに嫌いでも この吊り橋を渡らなければ先へ進む事が出来ません。
bucchiの吊り橋嫌いを知っている相方は知らん顔をしています。
bucchiは意を決して吊り橋をゆっくり渡り始めたのですが 途中で立ち止まると橋がゆらゆらと揺れています。
後ろから人が渡ってくると 橋は更に揺れ ゆっくり渡るどころではなくなりました。
しかし 揺れると云っても それほど長い吊り橋ではありませんでしたから 実際には大した揺れではなかったのです。
それでも吊り橋が大嫌いなbucchiにとっては 僅かな揺らぎも ゆ~らゆ~らに感じてしまい
パニクったbucchiは 走り出したい気持ちを必死で堪えながら 思いっきり早足で渡ったのでした。
何とか吊り橋を渡り終えたところが白根のお山の登山口です。
稜線を目指す大きなザックを背負った人たちを見送ると いくがいくが森の中へ・・・・・。
するとまた目の前に吊り橋が現れました。
最初に渡った吊り橋よりもずっと短い吊り橋です。
bucchiと相方の他にはこの橋を渡る者はなさそうでしたので 自分が渡りきるまで 相方に待っていて貰いました。
今度こそ吊り橋の揺れが小さくすむようbucchiは ゆっくりゆっくり歩み 途中でカメラを構える余裕も出てきたのでした。
この橋の下の流れは 大樺沢の雪渓を源としているのですから 上流を見上げ 見えない大樺沢の雪渓を見つめながら訊ねました。
かわよかわ うまいにぎりめしやっから ばんばの岩穴教えてけろ
やんだ こめつぶ ながれていっちゃうもの
更に いくがいくと 森の中には 不思議がいっぱいです。
かつてこの木がしっかり直立していた頃には枝だったものが 倒れたことで一本一本の枝が各々木に成長しています。
これも倒木更新のひとつの形なのかもしれません。
山の稜線付近は赤や黄色に彩られていますが 登山口付近ではまだ木々が最後の輝きを見せる前の実りの季節でした。
朱く色づき始めたヤマブドウの茂みを見つけたbucchiは シメシメ・・・・心を躍らせ近づいていきました。
ところが 手の届く高さにはひと房もなく 手の届かない上の方にたくさん実をつけていました。
かつてこの木がしっかり直立していた頃には枝だったものが 倒れたことで一本一本の枝が各々木に成長しています。
これも倒木更新のひとつの形なのかもしれません。
山の稜線付近は赤や黄色に彩られていますが 登山口付近ではまだ木々が最後の輝きを見せる前の実りの季節でした。
朱く色づき始めたヤマブドウの茂みを見つけたbucchiは シメシメ・・・・心を躍らせ近づいていきました。
ところが 手の届く高さにはひと房もなく 手の届かない上の方にたくさん実をつけていました。
ヤマブドウ ヤマブドウ うまいにぎりめしやっから ばんばの岩穴教えてけろ
やんだ にぎりめしまでもったら かにどんにも くわれちゃうもの
シナノキ シナノキ うまいにぎりめしやっから・・・・・
やんだ にぎりめしなんぞくったら おもくてとべなくなっちまうもの
ホコリタケ ホコリタケ うまいにぎりめしやっから・・・・・
やんだ にぎりめしくったら はらふくれすぎて ほこりふけなくなっちまうもの
またしばらく森の中を行くと どこからか甘くふくいくとした香りが漂ってきました。
bucchiは はて 何の匂いだろうと 鼻をひくひくさせながら 甘い香りを放っているところに辿り着くと
そこには 大きな大きなカツラノキが 天に向かって思いっきり背伸びをしていました。
そここでbucchiは 大きなカツラノキの足下にぽっかり開いた樹洞に首を突っ込むと呟きました。
bucchiは はて 何の匂いだろうと 鼻をひくひくさせながら 甘い香りを放っているところに辿り着くと
そこには 大きな大きなカツラノキが 天に向かって思いっきり背伸びをしていました。
そここでbucchiは 大きなカツラノキの足下にぽっかり開いた樹洞に首を突っ込むと呟きました。
カツラノキ カツラノキ うまいにぎりめしやっから・・・・・
おぉさぁ くわっせぃ ばんばは ほら そこじゃぁ
カツラノキに云われて ふと我に返ったbucchiは 手元のスマホの画面に目をやりました。
そこには 可愛いおまめちゃんの姿があり それを見てニヤつくばんばの姿は・・・・・
* * * * * * * * * *
♪ こーとろ ことろ こーとろ ことろ ♪
元気に遊ぶ子どもたちに目を細めて いつも眺めていたいと思ったり
食べちゃいたいほど その存在に愛しさを感じたり
寝ても覚めても 小さな存在に山のような愛を注ぎたいと思っている 世のばばたちだったのです。
ことろのばんばも やまんばも みんな世のばばたちの姿なのでしょう きっと・・・・・ねっ!
参考 * 『ことろのばんば』 長谷川摂子・ぶん 子どものとも・福音館書店
そこには 可愛いおまめちゃんの姿があり それを見てニヤつくばんばの姿は・・・・・
* * * * * * * * * *
♪ こーとろ ことろ こーとろ ことろ ♪
元気に遊ぶ子どもたちに目を細めて いつも眺めていたいと思ったり
食べちゃいたいほど その存在に愛しさを感じたり
寝ても覚めても 小さな存在に山のような愛を注ぎたいと思っている 世のばばたちだったのです。
ことろのばんばも やまんばも みんな世のばばたちの姿なのでしょう きっと・・・・・ねっ!
参考 * 『ことろのばんば』 長谷川摂子・ぶん 子どものとも・福音館書店