森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

芳香が漂っていた今日の「王家の霊廟」

2024年05月21日 | 歴史


たまたま近くを通りかかったので、今日は久しぶりに「王家の霊廟」を訪れました。

ヌウアヌの丘にある王家の霊廟は、ハワイ王族50人以上が永眠する聖地。敷地を巡っていたら、花の香り強く漂ってきて…。カメハメハ王朝の墓石の前に、たくさんのレイが供えられていたのに気づきました。



王家の霊廟には100回くらい行っていますが、こんなにたくさんのレイが供えられているのを見たのは、5月2日を除いて初めて(レイの祭典、レイデーである5月1日にはカピオラニ公園でレイコンテストが行われ、その出展作は翌日、王家の霊廟に捧げられることになっています)。

しかもフレッシュでまだ真新しいレイだったので、「今日、ここで何かイベントがあったのかな~?」と思い、自宅に戻って調べてみると…。今日はカメハメハ4世&エマ王妃の愛息、アルバート王子の誕生日だったのですね。王子は1858年のこの日、ホノルルで生まれています。

カメハメハ王家にはしばらく子供が生まれていなかったので4世はそれは喜び、アルバート王子を即、跡継ぎに指名。ハワイ王国は喜びに沸いたのですが…。1862年、王子はわずか4歳で亡くなってしまいました(その理由には諸説がありますので、またの機会に!)。

その頃、イオラニ宮殿の前庭にあった旧霊廟はすでに満杯になっていたので、カメハメハ4世&エマ王妃はヌウアヌの丘の王家の土地に新たに霊廟を造り、王子を埋葬することに。そう、アルバート王子の死をきっかけに、現在の王家の霊廟が設けられたのですよね。

…それにしても、墓石の前に捧げられていた夥しいレイを見ると、150年以上前に幼くして亡くなったアルバート王子が今もどれほど愛されているか、よ~く感じられました。王国が倒れてから久しいですが、ハワイ王国と王族の記憶はまだまだ生々しいというか。

ハワイはアメリカであってアメリカではない。そんな特殊な土地柄を、こういう機会にひしひしと感じるハワイ暮らしなのでした。
コメント (2)
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